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qoltの読書ノート  作者: qolt
3/5

「組織」てなに?(政府、会社、学校、家族、戦隊・結社 他 含む)

B5(横罫)ノートに読み写したモノが

原形(モト)になっています。なので、


スマホは、横にしてい頂くと

読みやすくなる、かも!?

『個人を幸せにしない日本の組織』太田 肇は、とてもよいです。オススメ:★★★★☆


同書より、日本には「組織」に都合の良い「間違い+ウソ+偽善」な「常識」が蔓延はびこっていて、以下の7つの「常識ウソ」を鵜呑みにしてはいけない、と警告する。



「日本の強みはチームワークである」(第一章)

「創造的な仕事は35歳が限界だ」(第二章)

「不祥事をなくすためには職員の管理を徹底しなければならない」(第三章)

「優れた人材を獲りたければ、大勢の中から人物を見定めて選抜すればよい」(第四章)

「大学は、〝入りやすいが出にくい〟欧米型を目指せ」(第五章)

「住民のために、もっと地方分権を推進しよう」(第六章)

「PTAや町内会は自由参加にしたら成り立たなくなる」(第七章)



これまで読んできた「組織論」で、一番しっくり良心的よい

同書を含むいくつかの書籍等をもとに、(qolt)の想う「組織論」は───


基本・基礎はありはちモデル。


「巣」=「組織」から「個」=「構成員」が、「自由・・」に四方八方に飛び立つ。

「えさ」=「成功・成果」を見つけたら組織力を発揮してみんなで支援・確保する。以下、繰り返し

     ↓

組織は一人では出来ないことをする為にある。

理想は「One for all,all for one.」(一人は皆の為に。皆は一人の為に)

「三方良し」(売り手良し、買い手良し、世間(社会貢献)良し。)


・・・うん、普通。なんということのもない真っ当、面白味もない感じ!?(笑)



ひるがえって日本の状況は、


①明治~1990年代まで先進国の成功モデル(=えさ)が目の前にあったので、「追い付け、追い越せ」で一方方向的に力いっぱいに走る。


最も必要となるのは「大きな政府・組織」の強力な「推進力」。

(青写真があるので、リーダーの言うことが分かるw←とても重要!!)

未熟な後進国でも、疲弊した敗戦国(勿論もちろん、某共産党)でも分かりやすく取っ掛かりやすい。ここまでは・・・

     ↓

②「追い付いた」=「えさを取り込んだ・無くなった」+「バブル」が弾けた。

いろいろ問題もあったので「巣」を(とりあえず、なんとなく?)いじり始めた。

「守り」に入ったともいう。

     ↓

③機械化・IТ革命・情報化社会で個人の出来ること・範囲が増えた。

しかし、日本の「ムラ社会」文化のもとでは、個人より組織の方がより力を増やした。

     ↓

④その「組織」がより強固に見てくれよくする為に「巣作り」を優先する、とどうなる?


同調圧力が増し、管理主義や閉鎖性が狭さや前列(=古さ)を肯定する。

失敗は否定され、「個」は巣から離れること(=失敗のモト)を制限される。

当然、えさ(=成功・成果)はあまり手に入れない。

そこはかとなく息苦しくて、生き辛い・・・

結果、日本は活力を失っていく。

     ↓

⑤世界の成功することに積極的で貪欲な人々に押され、日本は存在力をも減らす。


大凡おおよそこんな感じで螺旋階段を下へと降下中・・・

ほら、政治家の先生方出番ですよ!

日本の未来が明るくなるヴィジョンを語ってくださいよぉ~wοw♪

・・・失礼。気を取り直して以下各章の要約;




■第一章 組織はバラバラなくらいがよい


▼Q.なぜ日本企業では経営理念が、社員の心に響かないのか?

     ↓

答.日本企業の経営理念は、社員に言及していないから!

     +

日本企業は、社員が逃げる心配がないので大事にしない。

     +

集団主義なので個人の責任・貢献が不明確、

匿名主義なので個人の名前も表に出さない=手抜きしやすい

     ↓

社員の心が遠ざかり、不満があっても会社をかわれず、好きでなくても働き続けなければならない人々が多数留まっている。日本企業の生産性が上がるワケがない!


(・・.)彼らに本物の熱意をもって仕事に励んでもらおうと思うなら、「個人の尊重」を経営理念に大きく掲げるべき。

     +

社員の会社への貢献に対して、給与・賞与(きんせん)だけではなく、休暇・労働時間、働き方の自由度、ステイタス・名誉など金銭以外で報いる仕組みを取り入れよ。



▼崩れるチームワーク神話


「ムラ社会」=共同体型ゆえに農業・工業には好相性。

     ↓ 

同質的+運命的な構成員なので、表面上は仲がよさそうでもライバル関係にあり牽制し合っている。

     +

古い習慣・旧弊は、決定的な不都合がない限り残る。※1

     ↓ 

(・・.)目的集団=「個人の力を何倍にも高めるチームワーク」に太刀打ちできない。


「ダイバシティ」=異質な人同士が互いに学び助け合うことでチームワークはよくなる。※2

「分化」=自律・多様性を尊重してから、統合せよ。


───────────────


※1 例.会議を減らす=生産性を上げる。

※2 例.男だけの職場より、男+女の方がパワハラが減る。


───────────────




■第二章 年功制が脳を「老化」させる


▼「35歳限界説」は「年功制」によってつくられる


年功制の「報酬」が30~40歳で「生産性」と乖離し始める。

     ↓

管理職に就くことで、「貢献度」をごまかすことができる。


(・・.)日本人の創造的能力は、「加齢」≦「年功制」により第一線から外されることで衰える。


「年功制」を廃止することで、よみがえり高まる生産性がある。



▼「分厚いミドル層」=役職ポストの増加のデメリット


「既得権」を増やしているだけ。(報酬、ステイタス、部下・・・)

     ↓

書類に捺される判子の数だけ「責任」の所在が不明確になり、不祥事の温床と化し、改革を阻む「岩盤」「粘土層」になる。

     +

第一線で仕事する若手に重要な仕事が回ってこなくなり、許可制・管理がその効率・成長を阻む。

     ↓

(・・.)IТの発展+情報化社会で、中間管理職の役割は小さくなっている。


「年功制」が「効率」「成長」「モチベーション」他を抑えている。

「分厚いミドル層」=「既得権」を若手とそこに組み込まれたベテランたちのためにも解体せよ。




■第三章 管理強化が不祥事を増やす


▼過剰管理こそ不祥事の温床


「官僚主義」は組織で働く人にとって外圧から身を守る最強の防御手段であるが、判断力の低下も招く。

     +

「罰則」が罪悪感・改善の意欲を奪い、自尊心の低下も招く。

     ↓

抑え付けられているという不満が、不当に扱われている・損していると感じさせ、不足分を埋め合わせしようとそれに適応(サボリ、不正・・・)させてしまう。


(・・.)不祥事は、各人がその気にならなければなくならない。

不祥事を防ぐ最大の抑止力は「本人のプライド」=職業的自尊心



▼「プロ」を育成し、管理と依存の悪循環を断て!


「プロフェッショナル」=高い専門的能力+公益に奉仕する責任感

     ↓

(・・.)必要なのは、「教育」+「組織改革」!!


個人を組織の中に埋没させるのではなく、

個人の分担・責任を明確にしつつ、

個人の裁量権を増やせ


=成長と効率の好循環!!


[粗暴型]暴行、障害、セクハラ・・・

[たるみ型]不注意、職務専念義務違反・・・

[私益追求型]収賄、横領、情実人事・・・

[未熟型]ミス、事故・・・

[組織エゴ型]改ざん、捏造、隠蔽、追従・・・




■第四章 厳選された人材は伸びない


▼選別=創造性を評価できるか?


知識・高度技術社会においては、優れた人材を適材適所で運用しなければならない。

     ↓

パターン化できる仕事は、機械・IТに取って代わられる。

     ↓

人間特有の能力=独創性・創造性・ひらめきが重要視される。


(・・.)人々の創造性はいかにして養われ、それが発揮される条件・状況とはどのようなものか?

     +

現実社会での創造性は、短時間で試せるものなのか?

     +

「取引コスト」は参加人数が多くなる程大きくなり、

「一本釣り」の方が小さくなる場合もあり得る。


     ↓


▼「選ばない」という見識


人は3段階にしか判別できない(2・6・2の法則)

     ↓

境はあいまいで、あいまいな評価は社員に不安をもたらし、萎縮させる=有害

     ↓

人が人を選ぶという行為を減らし、公正・謙虚な姿勢を保つのもひとつの見識。


長期間インターンシップで企業・学生の双方が相手を見きわめたうえで就職する。等

     ↓

(・・.)個性的+革新的な人材がいっそう求められている時代には、「組織の論理」「集団力学」が選ぶ「無難」=既視感が付きまとう人選よりも、


個人の眼力・責任で選ぶ方が、合理的で説明責任をより良くはたせる。かも




■第五章 大学入試に抽選を取り入れよ


▼競争試験はなぜダメなのか


「受験スペシャリスト」を量産する。

     +

ゼロサム型の競争が過ぎると、デメリットが大きくなる ※1


=「受験」と「一般社会」との常識が乖離

     ↓

(・・.)大学の重要な役割は「教育」≦「支援」であり、「場の提供」


ΙΤの発達により知識を詰め込む教育の価値が相対的に下がり、独創性・創造性を養うという要望が、大学の役割に変化をもたらしている。

資金・設備・機械・情報・人的支援などを提供し、学びと人の交流・ネットワーク作りの場としての大学が求められている。


───────────────


※1 努力バンサイ!→・・・→無限努力地獄! 程々で


※ 第五章は大分端折(はしょ)ったり・・・

同志社大学政策学部教授の著作の「入試とは何か?」「大学とは?」とかバッサリ・・・不味いかな?(-_-)

学生さんには、必要だよ・ね・・・モニョモニョ


───────────────




■第六章 地方分権でトクをするのはだれか?


▼地方分権で拡がる格差(負の影響)もある


分権は強者の論理か?

自らが産まれる地域を選べない以上、「個性ある地域の発展」はそのまま格差になりうる。 ※1

     ↓

(・・.)地域自治・分権によって後退した国の役割を、もう一度評価しなければならない。

没個性・金太郎飴で保たれる多様性もある。


───────────────


※1 教育、産業、医療、スポーツ など

医療の場合、格差がそのまま「命」の価値・値段の差になる!?


───────────────




■第七章 ΡΤΑや町内会は自由参加でよい


▼人々を遠ざける無用な壁


問題点

①法的な強制力のない任意団体(=自由参加)なのに、「全員参加が当然」な地域に1つの独占団体になっている。

     +

②「子供」「生活」が「人質」にとられ、「長いものに巻かれる」不条理がまかり通る。※1

     +

③学校・行政の下請機関化 ※2

     +

④有無をいわさぬ「正論」が「圧力」になる。

     +

⑤生活スタイルなどの変化に対して、形態・運営方法がそのまま、時代の変化に対応していない。

     ↓

(・・.)7割以上の市民が「ネガティブ」なイメージを持つ。しかし、


人間関係づくりや、社会活動への意義ある参加といった会社・家庭以外の外の世界への「地域デビュー」のきっかけにもなる。


そうした「ジレンマ」は、組織の「壁」の厚さが原因=「ムラ社会」の弊害


(・・.)「内」vs「外」、「参加」vs「拒絶」、「全」vs「無」な「二者択一」でない「ゆるやかな参加」「つかず離れず」というかかわり方な「選択」を作る。


───────────────


※1 ロシアンルーレットな役員の押しつけなど

※2 ΡΤΑの仕事ですか? ボランティア(無給)なのに・・・


───────────────



▼意欲に応じた参加ができる「民主化の三原則」


(・・.)①自由参加の原則=強制参加のない外部にも開かれた組織にする。※1

     +

②最小負担の原則=消極的な人を遠ざける原因を減らす。ボランティアになじまないものは行政へ。合理的な工夫・方法を探る。

     +

③選択の原則=負担を選択できる仕組みを構築する。※2

     ↓

任意団体に強制があってはならない。

強制は必要最低限にとどめる=強制最小化の原則


押しつけを廃し、選択の余地を作ることで「やらされ」感を減らす。

     +

心配・不安が減少すれば加入率の上昇も期待できる。

     +

「自由参加の原則」の明示することで、「やってみたい」という前向きな気持ちをはぐくもう。


───────────────


※1 自由参加の例はたくさんあるらしい。さらに武蔵野市は町内会がないとか。ΡΤΑなしのところも・・・勉強になります。

※2 「10」の成果は、10=1×10=2×5=1+2+1+・・・+1 などいくつもの方法で得られる。

今回は2、次回はお休みΟΚ。とか


───────────────




■まえがき+むすび+おとがき


▼組織と社会の構造改革を!


昔ながらの「日本の組織」はもはや限界である。


規制緩和による「大きな政府」の「小さな政府」化が、逆に企業などの「中間組織」を肥大化させ、

     +

強い同調圧力やコンプライアンスゆえに、個人の人格・個性を抹殺し、ストレスを増やし、日本を熱意・活力のない国にした。

     +

組織の人々は発破を掛けるがごとく声高に、つながり・絆・地域・自治・教育といった美しい言葉で感情に訴えかけ、個人の判断力を麻痺させ「無理」を通そうとしてる=「柔らかい全体主義」の蔓延

     ↓

(・・.)「組織の論理ウソ」に犯されないために必要なのは、


自分および他人の自由や誇り、権利を尊重し、個人の意欲・能力を最大限に引き出す


=「健全な個人主義」


機械化+ΙТ革新により個人の力が拡大し、

     +

人々の生活スタイルが変化し、最大公約数は取りづらくなった。

     ↓

これからの組織は、人々を囲い込んで管理するのではなく、人々に場を提供し活動を支援することに注力すべきである。


大事なのは「小さな組織」の実現であり、

     +

これまで企業などの「中間組織」に肩代わりさせていた役割を、「政府」が本来の役割として果たすべきである。


どのような違い(地域・組織・働き方・・・)があっても、決定的なハンディにならないインフラ整備を行う。

     +

失敗・問題に対して何度でもやり直しの利く目の細かいセーフティネットを張る。

     +

格差を一定範囲で是正する富の再分配を実行する。

     ↓

国民は「小さな政府」信仰から目覚めるべきである。(おわり)


───────────────



この本を読み改めて棚にある組織論を読み直すと、私がこれまで「組織論」=「企業・会社の組織論」と狭く認識していたと思い至りる。この本のユニークさは、組織と個人の両方の視点から見る「組織論」=「人生論」+「社会教育論」なかたちにあると思う。


つまり、人は1人では生きていけない=社会のなかで何らかの「組織」に所属しなければならない+そうした人々や様々な「組織」と付き合っていかなければならない。


その一生が「組織」と無関係ではいられないならば、「組織とは何か?」「組織とどのような関係を結ぶか?」という問は、「社会の構造の把握」+「人生を歩むスタンス」に直結するのだと。


ならば、同書が企業・会社組織だけを扱うのではなく、個人に身近な学校・町内会から政府や社会の構造改革まで幅広く取り扱うのは必然で、私にとって枝葉部分より幹部分に近いベーシックで今後のひとつの判断基準・指標になる「組織論」であった。これから「組織」について知りたい・考えたいという方への「全体を大まかに把握→各論」を橋渡しする良心的な(よい)入門書になると思うのでオススメした次第である。

本当は別の本を・・・

4月だからね!!

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