紅一点
土曜日に上げるのを忘れていたので、日曜日の投稿となってしまいました。マイケルです。
中学時代からツルんでいた、悪友二人と、久しぶりの再会に心を躍らせながら、約束場所のカラオケ店前へ自転車を走らせる、美紀。
どうやら先について居たらしい、圭司と良哉は、開店したばかりのカラオケ店前で、煙草を片手に談笑していた。しかし、美紀の姿が見えるや否や、二人はいそいそと煙草を近くの備え付け灰皿へ直すや否や、まるで自分たちが何も吸っていなかったかのように振舞う。しかし、それも無理からぬ。
基本的に圭司がリーダーシップ溢れるボスの立ち位置、良哉はお調子者のムードメーカー、そして、美紀は委員長のような地味さあふれる格好だが、正義感があり、二人の馬鹿な行動を止める、リミッターを担っていた。
黒いタンクトップにチノパンツという、ヤンキー丸出し、そして高校生丸出しの圭司と、身長的に中学生と見間違われても仕方ない良哉は、特筆すべき点の無い、半そでと半ズボン。そして美紀は、久しぶりの再会と、更には高校生になって、少しはオシャレに目覚めた所も見せようと、少し頑張って、シックな色彩のワンピースを着ている。しかし、スカートとして機能する部分の丈が、女子にしてはやや身長高めの美紀では、なかなかどうして際どい短さになっている。それでも、下着は可愛い薄桃色のものを履いているので、最悪パンチラしても、ファッションセンスを疑われるようなことは無い。
そう楽観的思考で、二人が煙草を吸っていたことを咎めている脳の片隅で思う美紀。しかし、彼女は知らない。男が、どれほど性欲に満ち満ちた獣なのかを。
あまつさえ、カラオケルームは密室で、防音機能もあり、おあつらえ向きに、三人が並んで座れるような、長いセンターソファがある。
テレビに向かって、Uの字のように配置されたソファ。本来なら、三人とも遠慮をして、右と左と奥に座るのが、普通だろう。しかし、美紀は二人のことを信頼しているらしく――殆ど過信といってもいいものだが――遠慮をする二人を笑いつつ、左から圭司、美紀、良哉と言う配置で、肩を寄せ合って座った。
初心な圭司も良哉も、肩が触れ合うような距離に、際どい格好をした美紀がいて、動くたびに胸元がはだけ、見えそうになることに集中してしまい、雑談すらままならない。しかしそんなこと、美紀は全く分からないらしく、そんな美紀の態度に釣られ、二人も視線は時々、太腿や胸に行くものの、明度を極限まで下げた部屋の中、カラオケをしばらく楽しんだ。
クラスに一人はいる、男子に対してのボディタッチが激しい、明るい女子――を気取ったファッキン腐れビッチ――のように、過度なボディタッチはしない主義の、美紀。しかし、それでも友達としてのタッチ程度はするらしく、ついでに関節キスも気にならないらしい。間違えて圭司のコップに注がれていたカルピスを飲んでしまっても、明るく笑って謝っていた。
むしろ圭司としては礼を言いたい位、というか、舐めまわしたい位なのだが、そんなことはおくびにも出さず、カラオケのマイクを握り締めて我慢する。
それは良哉も同じらしく、良哉は良哉で、曲を満足に選択できないまま順番が回って行き、数時間後。
朝からしていることもあってか、流石に疲労してきた三人。しかし、フリータイムで夜中までいて、翌日帰ることを計画していた三人は、最早単なる意地だけで眠たい目をこすり、コーヒーを揃って飲み、もう関節キスもへったくれも無いような状況で、ただ歌う状況が続いていた。
そして、とうとう深夜二時。流石に限界を迎えたのだろうか。美紀にマイクとリモコンを渡そうと良哉が眼前に持って行くが、美紀は俯いたまま、反応が無い。不審に思った圭司がモニターの音量を切り、良哉がこっそり覗き込むが、どうやら美紀は眠ってしまったらしい。俯いて、すうすうと小さな寝息を立てて、眠り込んでいた。
その瞬間、二人は眠気も疲労も吹き飛んでいた。
まるで薬物でもキメたかのように疲労も眠気も吹き飛び、テンションが上がる二人。それもそのはず、何せ二人の間で寝ている少女は、際どい太ももを晒し、胸元は俯き加減なため、前に垂れて、そこから微かに薄桃色のブラジャーが見える。
バクバクと跳ねる心臓。震える手足。しかしクリアな思考では、どうすれば起こすことなく、眼前の獲物にイタズラできるか、そんな事ばかりを考えていた。
今朝は暑いですね。マイケルです。
起きると決まって、汗をびっしょりかいてます。