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3.白斗と猫-0152-

「ところでさ…」

俺は前々から気になっていたことを尋ねた。

『あ?』


「嘘つきの定義って何?」



 やぁ、こんにちは。俺は白斗はくと、河内白斗だ。

 えーっと、なんやかんやあって、不思議の国にいるんだけど…あ、今、二匹の猫がお伴にいてね?実はそいつらがしゃべれたりして…脱出しようと頑張ってて…。あああ、俺にはラノベ的紹介なんて不可能だっ!


『何をぶつぶつ言ってんだ…』

傍らでしゃべるは、黒猫のヨル。あきれているようである。

『で、嘘つきの定義?』

「ああ。ヒントで、嘘つきを見つけろ〜とか言ってるけどさ。嘘()いたことのないやつなんて、普通いないだろ。じゃあ俺も嘘つき?お前も嘘つき?」

『あ…俺にも分かんねぇよ』

片足を振りながらそう答える黒猫に、俺はつい拍子抜けしてしまう。

「黒幕みたいな顔してんのに?隠してないよな?」

『黒幕みたいってなんだよっ!』

ヨルが噛みついてきた。比喩ではなく。

「いてっ!いててて…」

『甘噛みで助かったな。本気でやったら…片腕くらいは許してくれよ?』

それは黒幕ではなく、ハンター(もしくは殺人鬼)の顔だった。


『けんか…ダメ…ゼッタイ…』

と、カタコトで訴えてくるのは、白猫のアサちゃん(♀)。

「あーアサちゃん?俺らはけんかしてる訳じゃなくて」

『止めなきゃ…噛む』

「さーせんっしたっ!」

こうして結局、力に屈する。俺は猫の前に無力である。

『でも…』

「ん?」

『分からなくて…仕方ない。だって、中二むぐっむむぐ』

気が付くと、アサの口をヨルが塞いでいた。ばたばたと暴れるアサ。

『ほ、ほら、厨二臭い文章だし、意味とかないっつーか。悩むところじゃないかなって』

手の塞がったヨルが早口で告げる。ふむ。

「なるほど…一理あるな。しかしヨルくん、君はなぜ、汗をかいているんだい?」

『いっやー。暑くないか?そろそろ休もうぜ』

暑くないと思うが…まあ、人…いや、猫それぞれかな、と素直に信じる。

「休むところね……あ」

あった。思いきり場違いなでかい岩が。

 不思議の国にぽつりと佇む、バカでかい岩。英語で言えば「big rock」。

 ヨルが少し考えるふりをして、何度か頷く。

『よぉし、座ろうぜ』

「えっ、何か罠っぽくないか?」

『疲れてるんだ、休ませてくれ』

「んー…」

俺は若干渋りながらも、承諾した。


 その岩には、一人が座り二匹が乗るくらい、余裕の面積があった。俺たちは遠慮なく腰を下ろす。

 実を言うと、俺も疲れていたのだ。ずっと歩き続けていたら当然であろう。

『はぁ〜極楽極楽』

ヨルが前足を前に着き、背中をぐぐいと伸ばす。初めて見る猫らしい仕草に、俺はつい感嘆を漏らす。

「お前…猫みたいだな」

『にゃーにゃー』

「嘘くせえ…」

『なんだとぉ!?』

『また…けんか…』

おおっと。アサちゃんのダメ、ゼッタイボタンが押されてしまう。


 なんとかアサちゃんをおさめる。と、俺はゆるんだ気持ちで質問をした。

「お前たちは、何でここにいるんだ?」

空気が重くなるのを感じた。

 ただ、沈黙。そうとしか表せない場の雰囲気。やっちまったと頭を抱えるものの、もう後の祭り。

「わりぃ…」

『…うんにゃ。大丈夫さ。何でか…だっけ』

「いや、嫌なら別に無理やり」

『大丈夫だって。ま、極秘事項は言えないけど』

猫らしくもない、苦笑い。

『俺たちは捨て猫だった』

ヨルが空を見上げる。ヨルには故郷の空が見えているのだろうか。

『なんで捨てられたかは…俺たちにゃ分からんが。二匹いつも一緒でな』


『ふらりと町を彷徨ってたら、責任者(マスター)に拾われてここに来た』

「シンに?」

『ああ。それから俺らは責任者マスターについていこう、って決めた訳さ』

「シンは一体…何者なんだ?」

『それは言えない。つか、お前が考えろや』

手厳しいがもっともなセリフに、俺は俯き加減に頷いた。その時。



《おーい。重いぞぉ》

「…ん?ヨル、なんか言った?」

『いや?』

《ここだよぉ。重ーい》

俺は声のする方向に、恐る恐る顔を向けた。

「…おっ、お前は!!」



 その声の主は誰なのか!?というか人なのか!?次回、正体が明かされる!乞うご期待!!

 これ、ラノベじゃなくてアニメの次回予告じゃね!?俺は心でそう思う。

なんか尻切れとんぼですみません。べ、別に書くのに疲れた訳じゃないんだからねっ!

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