問弐
「で?」という催促の後。高丸は鼻を天に逸らして大きく息を吸う。
「あの女はな、クソ女なんだよ」
「……クソ女?」
「アイツは元々俺のことなんて好いてない。アイツはただ、俺を利用しようとしていただけで好きなのは人ではなく、強さだ」
「…………」
「だが強すぎても問題なんだよ。自分より強い相手は認めず、ギリ自分に劣るレベルの相手が好きなんだ」
「……それが、金丸だったって事?」
「可能性として常に視野には入れていただろうし、俺に勝てないと分かった時点で最も自分の目的に近づけるのはそうだと思っていただろうね」
「…………目的?」
「だから俺の弱体化を謀った」
「まんまと騙されたってこと?」
「まぁな。アイツはな。この犬犬犬を求めていたんだと、俺は思うね。あの場所に辿り着けるパートナーを見つけ、辿り着き、手に入れた後で奪う。その後、この村を出るというのがアイツのシナリオだったんだろう。でも病気の件を聞き、シナリオが大きく変わった。彼女は病気が流行る前にあの場所に行きカードを手に入れる予定だったんだろうが、金丸では無理だった。だから、俺のカードに偽のカードを忍ばせる事でまずは俺の弱体化。俺が反旗を翻す事を封じ込め、俺が生き残り手に入れる事を望んだ」
「……じゃあその内」
「ああ。だから俺は、帰って来ると信じてた。アイツは君が、勇者候補が現れ俺を動かすと信じて待っていた。そして、俺を倒し、君と二人で旅に出るつもりだと踏み、俺は、返り討ちにする予定だった。どこまで当たっているか分からないが、大まかなシナリオは間違いない。本当に、クソ女だよ」
「まんまと騙されてたお前が言えた事じゃないけどな」
「うるせぇ」
「そんな女が好きなわけ?」
「……ああ。俺は悪い女が好きだ」
「軽蔑ぅ」
「だが、君と黒蜜だった可能性も十分にあり得るぞ。いや、むしろその方が良かったかもな」
「……なんで」
「確かにアイツはクソ女だが、正義感は強く、アイツもきっと魔王討伐を望んでる」
「…………」
「乗り換えてもいいぞ?」
「言ったろ。俺はお前を一人にはしないよ。ちゃんと俺を導いてもらう」
「…………やっぱり気持ち悪い」
「さ、食べよう」




