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溶解  作者: 歩く魚


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私は  です。

 初めまして。私は  です。

 突然ですが、あなたは言葉の力を信じますか?

 信じている人はごくわずかでしょう。人の発する言葉、書いた言葉などに力が込められているというのは周囲の事実のように思いますが、実は本質を知らない方がほとんどです。

 たとえば、私が「死ね」という言葉をここに書きますが、これが原因で亡くなる方が幾人かいます。確かに存在します。理由に関しては正確ではありません。感受性が豊かなのが原因なのか、逆に何も感じないのが原因なのか、今の段階では分かっていません。私がこの状態になったのも数年前のことで、同じような症状の方はいるようですが、その人と私がコミュニケーションを取ることはできません。誰ともできないのです。ともかく、私がいま二度目の「死ね」を書いたことで、もう何人か死んでしまったでしょう。それを確かめる術はありませんが。

 言葉には力があります。それは、この世の全てに平等であり、存在しないものにも平等に力を発揮します。

 私は知りませんでした。本当は首だけの女も、おかしな家族も、寒気もなかったのです。でも、私たちがその存在を確かなものにしてしまいました。反対に、私の存在は薄れていく一方です。このままどうなるのか考えると恐ろしいけど、誰にも知らせることができません。

 結局何が言いたいのかというと、多くの人にこれらの出来事を知ってほしいのです。それは、明らか過ぎてもいけません。ある程度の考察の余地を残さなければ、おそらく現象として認められません。なぜ多くの人に知ってほしいのか。私が体験したことを、他人にも体験してほしいわけではありません。そのような恨みは持っていません。元はといえば、私のせいなのですから。そうではなく、汚れた水をコップに落とすのか、海に落とすのかの違いです。コーヒーに角砂糖を入れた時、溶けるか溶けないかの話です。砂糖は溶けなければなりません。溶けないと、その人か全員が同じような被害を受けてしまいます。しかし、砂糖を溶かし尽くすことができれば、それは起こりません。起こらないというのが永遠かどうか、それは分かりません。毎日のようにコーヒーを増やす必要があるのか、それで全てが終わるのか。今の時点ではわかりませんが、それをしないと手遅れです。文字だけでも言葉は力を発揮します。あなたが今まで読んできたことで、首だけの女なり、あやしい家族なり、寒気なり、何かか全てが襲いかかってきます。もしかしたら、私のようになってしまうかもしれません。なので、角砂糖を薄めてください。

 もしも、全てを溶かし切ることができたのなら、私も戻してもらえるかもしれません。まぁ、  という名前がわからない時点でもう、意味がないかもしれませんが。

 これは私のせいなのか、近頃、言葉がわからなくなってきました。言葉と言葉がつながっていって、一つ一つを解しながら説明しないと気持ち悪くなってしまいます。だんだんと頭がおかしくなってきているかもしれません。ずっと、面白いですか?と誰かに聞かれているようです。でも、もしこれが私だけなら、またあなたに負担をかけてしまうことになりましたね。面白いですか?と聞かれませんか。もし、聞かれたら教えてください。誰かに。

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