表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
96/143

外伝:避難民誘導


「なん、なんだよ、あれ……」


アルバートは上空から現れたミカエルを見て体が硬直していた。

ミカエルは、グレイと目白さんを狙って攻撃をしていた。


「アルバートも早くいくわよ!」

「みなさんの避難を誘導しますよ。」


ローズとジェイミーの言葉にアルバートは反論した。


「グレイとメジロさんはどうするんだよ!」

「きっとあの二人なら大丈夫よ。今助けるべき人たちは自分で身を守る事が難しい人たちでしょう。」


アルバートの言葉にジェイミーが落ち着いていった。


「ああもう、クソッ!」


悔しそうに言ってアルバートは闘技場から離れた。


「みなさん!こちらへ!」


闘技場のすぐ外では、理事長や校長が逃げる人たちを誘導していた。


「君たちも早く逃げなさい。」


立ち尽くしていたアルバートたちに向かって理事長がそう言った。


「僕たちにも何か手伝わせてください!」


アルバートはそう理事長に問いかけた。


「すまないが、それは出来ない。君たちの力では力不足なのだよ。」


理事長は現実的なことを言った。

 

「せめて、避難民の方たちを隣の街まで守っていただいては?」


横にいた校長が理事長に提案をした。

理事長はその言葉に少し悩んだ様子を見せたがすぐに喋り出した。


「先ほどの校長の言葉通り、避難民の護衛を頼む。」


そう言い終わると、アルバートたちは返事をしてすぐにセツシートの入り口の方へ行った。


「みなさん!もう大丈夫です。私たちが隣町まで護衛いたします。私たちについて来てください!」


入り口で固まっていた避難民の人たちに向けてローズが言った。


「僕たちにも手伝わせてくれないか。」

「お前は……」


アルバートはその聞き馴染みのある声に反応した。


「クロム・アルベルト……」

「僕のことを覚えていてくれたんだね。でも、今はそんな事をしている場合じゃない。」


この状況においてもアルベルトは至って冷静でいた。


「じゃあ、あなたは後ろを守って。その後ろは横を等間隔に守って。」


ローズが避難民を誘導して歩き出した時、ジェイミーが指示を出した。

隣町までは整備された道を通るわけだがそれでも魔物は出る。

それを守り隣町まで避難民を送るのがアルバートたちが受けたことだった。








「ここで良いのか?」


隣町まで魔物は出たもののクロムたちによって殲滅されたため被害は出なかった。


「みなさん!ここまでくればもう大丈夫です。」


ローズが逃げて来た避難民に向けて言った。

その言葉を聞いた避難民は各々、安堵の気持ちを共有しあっていた。


「グレイたち大丈夫かな。」


ローズがアルバートたちの方へ来て言った。


「そういえばフィオナはどこに行ったんだ?」


アルバートが辺りを見回していった。


「私は知らないわよ。」

「私もです。」


ローズとジェイミーはそう言った。


「もしかして…………」


アルバートは何か思ったのか後ろを向いた。


「セツシートにいるっていうの!?」


ローズがアルバートの見た方向を見て言った。


「なら早く見つけに行きましょう。」


ジェイミーの言葉に賛成してアルバートたちはセツシートの方へ向かおうとした。

が、その時セツシートに向けて一つの光る弾が落ちた。

その瞬間、弾の落ちたところは大爆発を引き起こした。


「なんだよあれ!」


風が吹き荒れこの街の建物も崩壊し始めた。


「マズい!」


アルバートが気づいた頃には建物は避難民の目と鼻の先にあった。

間に合わない、アルバートはそう思った。

しかし、建物はそのまま挙動を曲げて横に押しのけられた。


「何が……」


ローズがおかしいと思い避難民の方を見た。


「もしかして、マロンさんとノアさん?」


ジェイミーが土埃の中に見える人影を見て言った。


「ええ、そうね。」


ノアがジェイミーの言葉に対して反応した。


「やっぱり!」

「でも何でここに?」


ローズがマロンたちに聞いた。


「グレイ様より直接、避難民の方々をお守りするようにと。」

「まさか、セツシートがあんなことになるとは思いませんでしたけど。」


マロンのノアがセツシートの方を見て言った。


「おいおい、嘘だろ……」


アルバートは崩れ落ちたセツシートを見て絶句した。

とすぐに地面が揺れ出した。


「今度は何っ!?」


揺れる地面に体を落としてローズが言った。

セツシートからは長い塔が伸びていた。


「塔?」


やがて揺れが収まり前を見れるようになりジェイミーが言った。

セツシートが上空に向かって聳え立つ長い塔。

誰もがそれを見てあれは何だろうと思った。


「我が天空の聖堂、ドン・ルナティックへ招待しよう。天高き聖堂に辿り着いた者には天空の巫女との戦闘を許可しよう。」

「誰の声だ?」


突然、そんな声が聞こえて来た。


「あれが……聖堂……?」


ジェイミーが聖堂を指差して言った。


「でも今は、避難民の安全の確保と怪我の確認を。」


ノアが聖堂に気を取られていたアルバートたちに言った。







「セツシートからの復興要請が来ました。参加したい人は私たちについて来てください。」


聖堂が出て来て三時間。

セツシートにいる理事長たちから連絡が来た。


「では、行きましょうか。」


ローズが先頭を歩き避難民、二百四十人ほどが復興に参加した。

こうして、アルバートたちは避難誘導の仕事を終えた。

第八章 天使降臨編-完-

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ