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第8話 実技試験②

まばゆい白い光が収まると共に俺とフィオナは、森の中に飛ばされた。

ここが試験会場か…森の中だがあっちの方に崖が見える。

あそこの下の部分をくり抜いて周りに見えないようにしたら、まず最初の目標だった住む場所の確保は、完了か…


「おい。フィオナ!あそこの崖の下に簡易的だが家を作るぞ!」


うぇっ!と言う表情を浮かべていた。

まあどうせフィオナのことだ。

遠いからだろう。見えてるとは言え少し遠いからな。


「こんなに遠いんだからなんかの魔法とかを使ってください!」


フィオナが、何故か少し怒り口調で俺に言ってくる。何でだよぉ。

そんなことを言われてもなあ…

こう言う時は、俺が8歳の頃一階から2階に行く時めんどくさいなと思った時思いついた自分の見えている場所まで、移動する魔法を使うか。これは、俺が考えついて秘密にしておこうと思ったが仕方ない。


「フィオナ!俺の体に捕まれ!今からあの崖の近くまでいく。」


「やったあ!やっぱり兄さんは何でもできますね!」


いやぁこんなことを言われると兄としては気恥ずかしいな。

あそこの崖の下に、反発性の魔力を飛ばして距離を確認。

イメージとしては、ホームセンターで売っている超音波で物体の距離を測るやつだな。

で帰ってきた時間で距離を割り出す。

それから、その距離をもとに俺たちを魔力の結界であの崖の下まで魔力で後ろから押し出す。

この動作は、最初は5秒はかかった。でも毎日毎日練習し続けた結果、0.01秒まで縮められた。

移動の時間は、距離によって異なるが大体0.05秒以内で行けるようになった。

毎日の努力って大切だな。


「ふうここをくり抜くか。フィオナいっしょにここの崖をくり抜くぞ」


「兄さん!さっきの私にも教えてください!」


「まあまあ。この崖くり抜いたらな。できる限り住める大きさだ。大きすぎずにないでも、小さすぎないサイズだ。」



ー10分後ー



「まあ、こんなもんかな?」


割と綺麗にできた。まず大きな石で入り口を塞ぎ中は、玄関、奥にリビング兼寝室を作った。

フィオナ用の部屋を作ろうか?と聞いたが、頑なに

私は、兄さんと同じ部屋がいい!と言ってきたので、リビングだけだな。


「まあ家も完成したし、リストに載っているゴブリンとかを討伐するついでに、夜ご飯の材料を取りに行こうか。」


「わかりました!兄さん。私は、何をすればいいですか?」


「まあ俺の手伝いかなぁ?ゴブリンは群れて戦うからいっしょに手伝ってほしいのと、夜ご飯の手伝いくらいかな?」


にこにこしてフィオナは、早く行きましょう!と言った。



あれから何分かな?30分くらい歩いたな。

ゴブリンが生息している村を見つけた。

そんなに多くはないが、リストに載っている量の材料は手に入るだろう。

俺は、ゴブリンがいる村の前まで行ったが、もうゴブリンが100人くらい出てきていた。

フィオナは、崖の上で待たせた。俺が助けてほしいときに呼ぶためだ。意外と多いな。


「フィオナ。手伝ってくれないか?あの量は2人でやった方が効率がいい。」


やったという顔で俺の方に来た。まずは、俺とフィオナで火の魔法を撃とう。

そうやって俺は、フィオナに合図を送る。

魔法は、フィオナも詠唱なんてものしないでもいいように幼少期のときに俺が訓練しておいてよかった。


俺とフィオナの指先から大きな火の玉が飛び出した。

そして俺は、レベル9の獄炎玉ヘルファイアーボール を撃った。

意外と大きくなってしまったな。

気にせずゴブリン村の方へと撃つとバーン、という大きな爆発音と共にゴブリンの一つの集落がそのまま消えた。地面に黒い墨を残して焼けた。


「あちゃー。全部消しちゃったよ。次は、1体ずつ面倒くさがらず丁寧にやらないとな。フィオナ!次は丁寧に1体ずつやろう。」




それから10分間森の中を回っていたら、狩りをしているのかよくわからないゴブリンの集団に出会った。

だから、今度は力加減を考えて、力を押さえて火炎球(ファイアーボール)を撃った。今度は、成功だな。

リストには、ゴブリンの、肉 布 それと内臓?何でだよと思いながら、小さい集団の中からリストに載っているものをゴブリンから取る。

この調子で俺たちは順調にリストに載っているものを集めて行った。




ー3時間後ー


「よし。これで、6ポイントまでのものは、集まったから今日はこれでいいだろう。じゃあ夜ご飯の材料を集めにに行こうか。フィオナ。何か食べたいものは、あるか?」


まぁこの3日くらい、出来る限りいいものを食べさせてやりたいからな。


「何でもいいです。兄さん!」


一番困る答えだな。何でもいいというのは、人類において自分に決定権を渡して相手のことを考えておかなければいけない。

期待外れだった場合、相手が怒る可能性がある。こんなに難しいことは、これまでになかったな。


「わかった。何でもいいんだな。」


やっぱりこういう森の中に来たら魚を焚き火の周りに置いて焼いて食べたいな。そう思い、近くの川まで行った。


「フィオナ!魚を取るぞ。今日の夜は魚料理だ!」


「やった!兄さん。私が今日魚を食べたかったのを察して。何か私がすることはありますか?」


今日魚を食べたかったのは知らなかったな。それってつまり魚じゃなかったらダメって言われたのかなぁ?とか思ってたら、フィオナが少し怒りながら俺の服の裾を引っ張った。


「兄さん!聞いていますか?何か手伝わしてください!」


そうだな。何かと言われてもなあ。

魚を取るのを手伝ってもらうくらいかな。

焚き火の周りに置いて焼くのもいいけど、何か他の料理はないかなぁ、と思っていたら、ヘレナさんがよく作ってくれていた、アクアパッツァが思い浮かんだ。

アサリのような貝も魚を取る川を少し下ったら、取れるだろう。

俺は、野菜を探しに行くか。

その間にフィオナは、魚を取っておいてもらおう。

どうせ釣り竿を、作らないとダメなんだろうなと思った。

フィオナは、服を汚したくなさそうだからな。


「フィオナは、魚を取っておいてくれないか?その間に、俺は食べられる野菜を探しに行く。」


「兄さん。もちろん手づかみじゃあありませんよね。何かありますよね。」


何だろう。すごい威圧感を感じるな。


「うん。もちろん考えているよ。」


慌てて俺は、言った。

歩きながら丈夫そうな落ちていた長いが、しなる枝を見つけて魔法を組み合わせ強化する。

糸は、どうしようかな。

まぁ、魔法で作れるからいいんだけどね。

針は、木を加工して先を鋭くしてと。

それをうまいこと組み合わせて釣り竿のようなものの完成だな。

釣り竿を、フィオナに渡した。


「フィオナ。これで魚を釣るんだ。」


「これが、兄さんの言っていた釣りというやつですね。」


そんなことも言ったな。釣りも無心で出来ることだし、フィオナにも経験させておきたかった。そんなことを話していたら、川についた。


「じゃあ釣れたらこの中に入れるんだぞ。」


それは、岩を切り抜いて作った少し重いバケツのようなものだ。それをおいて俺は野菜を探しに行く。

でも、こんな森の中に野菜なんてあるのか?思い出した。ゴブリンがいる村の中に畑があったっけ。燃え尽きたけど。まぁ新しく探せばいいだろう。



30分は歩き回った。俺はついに出会った。

他の受験生に。

まあ他の魔物と戦っていたとこだけどね。

2人とも素晴らしい連携が取れている。

1人は、赤い髪をしている男だな。

剣を使っている。

うまいな。もう1人は後ろで援護をしている女子がいる。

黒い美しい髪だな。

なんだかたたずまいが、日本人に見えた。

俺の目がおかしくなったかな。

しっかり昨日は睡眠をとったぞ。

あれ、もしかして獅子オオカミかな?

もうそんなのに手を出すのか。

まぁ、基本受験は個人戦だ。他人のことは気にしないことが一番だな。



そのすぐ近くにゴブリンの村があった。

こんな近くにあるとは思いもよらなかった。

小さいが、色とりどりの野菜がある畑がある。

ちょっと貰うだけだけど、どうせ話しても通じないだろ。

だから、考えた俺は、畑に結界をかけた。

俺の魔法に耐えられる強いのやつを。

いつも通り獄炎玉ヘルファイアーボール を高台から撃つ。

そのまま高台から華麗に飛び降りる。

歩いて結界の元に行く。

それにしても毎回威力がすごいな。

周りが真っ黒焦げだ。

結界内以外は。

中には、色とりどりの野菜がある。

玉ねぎとか、にんじんとかブロッコリーもある。

流石にパプリカは、ないけど仕方ないな。

必要な分を取ってフィオナのいる場所まで帰る。

フィオナは、予想通り3匹くらいの魚があった。でも何故か落ち込んで見える。


「おい、フィオナさっき作った家まで帰るぞ!」


「兄さん。すみません。私としたことが思ってたより魚が釣れず……」


そんなことで落ち込んでいたのか。まぁ過ぎたことは気にしないことだ。アクアパッツァだけになったが問題ないだろう。


「いいよ。3匹もいたら大丈夫だぞ。十分だ。もう5時だ。早く家に帰って明日に備えるぞ!」


これくらいしか励ましの言葉が浮かばない。


「俺に捕まれ。移動するから」


「兄さん。すみません無駄な心配をかけてしまいました」


そんなに心配することではなかった。もう立ち直って、俺に抱きついてきた。これはこれで困るんだけどなぁ。

そんなことを思っているうちに家の前についた。あたりはまだ明るい。俺とフィオナは、中に入り家の明かりをつけて夜ご飯の準備をしだした。




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