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第82話 エキシビジョン

エキシビジョンマッチ。

闘技大会七日目にして会場は今までで最高の盛り上がりを見せていた。

早朝から長蛇の列が並び観客たちは闘技場の席を取ろうとしていたらしい。

なにしろ、魔法部門と剣技部門そして総合部門の優勝者が戦う。

それに、優勝者全員がセツシート大学特待生になっているのも原因の一つだ。


「魔法と剣か。優勝者が戦ったらどうなるんだろうな。」


ナックルが言った。

とりあえず俺はまだ戦わないので観覧席で見ていた。


「エキシビジョンマッチは、魔法部門優勝者フィオナ・ジュリエット!」


名前が呼ばれ、フィオナが出て来た。

会場に歓声が響き渡った。


「対するは、剣技部門優勝者メジロ・ユイ!」


フィオナと同じように目白さんも出て来た。


「注目のエキシビジョンマッチ!では、始め!」


審判の声と共にフィオナが獄水球ヘルウォーターボールを放った。

普通ならばこれで決着がつくが、目白さんは獄水球を正面から受けた。

獄水球を剣でそのまま受け流し、フィオナの方へ攻撃を仕掛けた。

その一瞬の流れで会場は盛り上がりを見せた。


「速っ!」


そう言いながらもフィオナは目白さんの攻撃を避けていた。

避けながらも獄水球を撃っていた。

それも目白さんは切りさばいていた。


「それだけなの?」

「出来るだけ使いたくなかったけど。」


フィオナは目白さんから距離を取った。

そして水弾ウォーターライフル火弾ファイアーライフルを大量に作り出した。

目白さんに向かってフィオナは作り出した魔法を撃ち出した。


「私も使いたくはなかったけど。」


目白さんも僅かに動いたかと思えば気づけば全ての魔法を返した。

カウンターだ。

本来なら剣の攻撃に対して一回使うものだが魔法に対して全てに使っている。

カウンターの元であるアルベルトでさえ剣の攻撃にしか使っていなかった。


「互いにすごいな。」


戦いを見ていたナックルが言った。

そして、しばらくして攻撃が止んだ。

煙が無くなるのを待って、会場の様子が徐々に見えるようになって来た。


「まじか。」


そこには剣を向けて立っているメジロさんがいた。


「どうする?」

「降参するわよ。」


流石のフィオナも剣を首に向けられてしまえばもう動けなかった。


「勝者!メジロ・ユイ!」


魔法と剣ならば魔法の方が上だと考えていたが速さの剣の方が上だったようだ。

というか、目白さんが強すぎただけの気がするが。








「午後になりまして、早くもエキシビジョンマッチ最終試合です。まずは、初戦に勝った剣技部門優勝者メジロ・ユイ!」


そう言って目白さんが出て来た。


「続いては、総合部門優勝者グレイ・ジュリエット!」


どうせ戦うならば勝利をしたいところだが、目白さんは強いから勝てるかどうか分からない。


「では、闘技大会最終試合始め!」


その声と共に俺と目白さんは動いた。

ガンッと激しい音がして剣と剣がぶつかった。


「僕が勝たせてもらいますよ。」

「残念だけどそれは無理ね。」


剣を弾き俺は獄火球ヘルファイアーボールを目白さんに撃ち込むがそのまま魔法を剣で切られた。


「相変わらずですね。」


獄火球を大量に作り目白さんに撃ち込んだ。

目白さんは恐らくカウンターで返してくるだろう。

目白さんがカウンターで返しているうちに俺は後ろに回った。


「取ったっ!」


そのまま剣を振り下ろすも途中で止まった。


「私だって魔力くらい使えるようになったのよ。」


幼少期から魔力に触れ合っていた俺は目白さんが何をしたかどうか分かった。

海底都市でもやっていたように、魔力で剣を作ったのだ。


「剣を作られたら対策しようがないじゃないですか。」

「これが私の戦い方よ。」


恐らくフィオナの攻撃もこれでカウンターしたのだろう。


「なら、カウンターで跳ね返せないほどの力で押すのみ!」


俺は海底都市以来の魔力を最大に使って水素爆発球ハイドロジェンボールを作り出した。


「目白さん、限度が分からないのですみません。」


一応謝って俺は水素爆発球を目白さんに向けて撃ち込んだ。

目白さんは、剣を何十本にも増やし体の前につけた。

目白さんは大量の剣を使ってカウンターを使った。

水素爆発球はそのまま上へとカウンターで返された。

その瞬間、激しい光が散って会場を守る大結界が割れた。


「おいおい、マジかよ。」


会場からは混乱の声が聞こえた。


「あれは……なんなの?」


そんな中会場で女性の声が轟いた。

女性の指している方向を見てみると空が割れていた。


「目白さん!あれって……」

「まずい事になったわね。」


割れている空からはビリビリと白い光が飛んだ。

その中からは何か白い人のようなものが降りて来た。

その姿はなんとも美しく、かつ強さを暗示させるものがあった。


「どこかで見たような気がするんだけどな……」


しばらく見ているとその人のようなものは完全に割れ目から出て来た。

よく見ていると全てを思い出した。

19年前のあの日。

俺をこの世界に送り出した天使。


「天使ミカエル、ね。」


目白さんがそう言った。

目白さんも天使ミカエルにあっていたようでその顔を覚えていたらしい。


「でも、ちょっと様子が変じゃありませんか。」

「そうね。前会った時よりも黒いわね。」


そう。

天使ミカエルは前よりも黒くなっていた。

羽が黒く染まっていたのだ。

そんな会話をしていたら天使ミカエルが動いた。

俺たちの方へ手を振り下ろした。

その瞬間、考えられないほどの重みが体を襲った。

闘技場の地面が割れて全身の重みも消えた。


「とりあえず全員の退避を優先させましょう。」


天使ミカエルが何故ここに来たのかは分からない。

だが、このままでは絶対天使ミカエルの攻撃でこの街の人間はほとんど死んでしまうだろう。

もちろん俺たちも例外ではない。


「そうね。あいつと戦えば間違いなく死ぬものね。」


そう言って突如現れた、天使ミカエルから俺たちは逃げるという選択肢を選んだ。

第七章 闘技大会編-完-

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