第80話 剣技部門決勝
闘技大会もいよいよ大詰め。
決勝戦となった。
「決勝戦は、セツシート大学特待生メジロ・ユイ対同じくセツシート大学クロム・アルベルト!」
両者名前を呼ばれると共に出て来た。
「父さんはこの試合、どう見ていますか?」
「メジロさんは、技巧系で色々な技の柔軟性がある。対するクロム・アルベルトは今までの試合を見てもあまり分からなかった。が、強いことには変わりはない。」
「つまり、予測できないと。」
「そういうことだ。」
クロム・アルベルトは、目白さんが最初から警戒していた相手だ。
そして、決勝で目白さんと戦うことになった。
「決勝戦、どんな試合を見せてくれるのでしょうか!では、初め!」
審判の合図がなったがこれまでの試合とは違い両者共に動かない。
「どうしたんでしょうか。」
「対話だよ。心のな。」
ナックルが言った。
と言った瞬間、目白さんが見えないほどのスピードでアルベルトに突っ込んだ。
「随分と君も遅くなったものだね。」
アルベルトは全てを見切っていたかのように目白さんの斬撃を受け止めた。
そしてその斬撃を綺麗に受け流し、背中を切ろうと動いた。
が、目白さんもそれに負けじと空中でくるりと回りアルベルトの攻撃を受け止めた。
「やっぱり、攻撃の応用は君には敵わないね。」
「そう。私はそう言いながらも攻撃を耐えるあなたが一番嫌いよ。」
高速で剣を振りながら二人は話をしていた。
この常人を離れた剣のうまさと、そこに会話を入れている二人に会場は騒然とし出した。
「やだなぁ。まだあのことを根に持ってるのかい?」
目白さんの剣筋が一瞬乱れた。
そしてそれを、アルバートは見逃さずに突き攻撃を繰り出した。
アルバートの攻撃を受けた目白さんは受け身を取って負傷は防いだ。
負傷を防いだがその分アルバートに隙を与えることになった。
アルバートはすぐに起き上がる目白さんの方へ行き攻撃を仕掛けた。
しかし、目白さんは攻撃を剣で受けて跳ね返した。
「そんな昔のことなんてもう忘れたわよ。」
「そうかい。」
アルベルトが剣を回して目白さんを会場の端まで追い詰めた。
「これで君との試合も終わりだ。」
剣を突き刺そうとアルベルトが動いた。
が、気づいた時にはアルベルトはその場にはいなかった。
奥の壁にアルベルトは激突していた。
「あの時よりかは私も技を覚えたのよ。あなたが見せたカウンターもね。」
「はは、今回は君の方が上手だったようだな。」
そう言ったアルベルトはその場に倒れた。
そして、この瞬間勝敗は決した。
「勝者!メジロ・ユイ!」
会場からは祝いの声が飛び交った。
「最後はあれどうなってるんだ?」
「さあ、僕にも見せてくれた事は無いですから。」
ナックルが俺の方を向いて聞いて来た。
だが俺はそんな技を見た事は無いから何かも知る由もない。
「とりあえず勝ったんだからいいんじゃないですか?」
「それもそうか。」
席を立って俺は家に足早に帰った。
「これは何なの?」
目白さんが帰ってくるなり、一言目の言葉はそれだった。
「見てわかりませんか?お祝いですよ。」
「別にいいわよ。」
「いえいえ、せっかく優勝したんですし。」
俺が目白さんを急かすように椅子の方へと招いた。
家に早く帰って目白さんを祝うために用意した夕食だ。
フィオナはナックル達と共に外食をすると言っていた。
確かに最近はナックル達に会う機会もなかったわけだからそういう日も必要だろう。
「ところで、最後の技は何だったんですか?」
「あぁ、あれ。」
食事の手を止めて目白さんは話し始めた。
「アルベルトは、前私を置いて行ったって言ったけど正確には私が負けたのよ。」
目白さんが高学年進級試験を受けていた時の話だろう。
「洞窟内で、私はアルベルトを追い詰めた。けど最後のとどめを刺そうとした時起こったの。一瞬しか見えなかったけど私は剣の力を何倍にもさせられて返されたの。」
「それが今日のカウンターと言う事ですか?」
「分からないの。考えつく限り似たようなことをしてみたけど本当にあっているかどうかは分からない。」
あの試合でのカウンターは目白さんに取っても、アルベルトに取っても未知数だったわけだ。
「それ、エキシビジョンマッチで使わないでくれませんか?」
「え?何で自分が総合部門で勝ったかのように言ってるの?」
いや。
これは決してフラグなんてものではない。
だから、きっと大丈夫。
「全ては明後日に決まるんですから。見ておいてください。」
「そうね。」
そう言った後俺たちは食事を進めた。




