第70話 セツシート大学病院
「ん……」
目を開けた場所は、あの海の中の海底都市ではなく設備の整った場所だった。
「あっ!校長先生!起きられました!」
体を起こそうとするが全身が痛く全く言う事を聞かない。
「無理して起きないでも大丈夫。とりあえず戻って来て良かったよ。」
「他のみんなは?」
体の痛みに耐えて聞こえるか聞こえないかぐらいの言葉で聞いた。
「ああ。君のお手伝いさんのマロンさんと、ノアさんがセツシート大学病院まで運んで来てくれたんだ。」
そうか。
全員無事だ。
「それと君たちには怪我が治ったら事情を聞かねばならないから。では、後はよろしく。」
「はい。」
「君たちの怪我が一刻も早く治る事を祈るよ。」
と言って早々と出て行った。
代わりに美少女顔の看護師が来た。
そして、この絶妙なバランスの体型。
大きすぎず小さすぎない胸と身長。
あぁ、最高だ。
「この度は、あなた達五人の看病をさせていただきますローラ・ジャスミンと申します。」
俺の横のカーテンを開けながら言った。
横にはフィオナがいて、バッチリ目が空いていた。
「まず全員の状況を調べさせていただきます。」
そう言ってカーテンを全て開け全員の体を順に触っていった。
「では、失礼します。」
とローラさんは体をペタペタと触られた。
恐らく微弱の魔力を流しているのだろう。
そこから先は分からない。
「アルバートさん、ジェイミーさん、ローズさんは明日には退院しても構いませんね。ただ、そちらの三人はかなり難しいですね。」
もしかして俺のことなのか。
「フィオナさんと、グレイさんは魔力が体に溜まっているので後日処置しますね。」
魔力が溜まったままだとどうなるのか、と聞きたいがそんな力は今はない。
「メジロさんの方は、魔力が枯渇していますね。自然治癒でもいいのですが時間がかかるのでそれも含めて後日処置しますね。」
魔力が枯渇している。
メジロさんは魔力がない状態でマヨルダと戦っていたのか。
もしかすると、メジロさんは俺よりも何倍もいろんな意味で強いんだろうな。
「では、私はこれで。もし何かあれば皆さんのベットの右上にあるボタンを押してくださいね。」
そう言ってローラさんは出て行った。
翌日、昨日ローラさんに言われた三人は学校へと引き渡された。
何でも海底都市のことを聞きたいらしい。
多分校長の暇つぶしになる気がするが。
「兄さん。結局、海底都市はどうなったんでしょうか?」
不意に横に寝ているフィオナが聞いてきた。
「さあ。わからない。でも、ここから出たらまた確かめに行こうな。」
そう言って会話を終わらせようとしたが、フィオナは終わらせてくれなかった。
「ところで兄さんは何で目白さんをお姫様抱っこしていたんですか?」
「え?」
逃げ出したい。
とてもまずい。
興味本位でやってみたかった、というのもある。
だが、一番大きかったのはお姫様抱っこをして恥ずかしそうな顔をする目白さんが可愛かったからだ。
だれしも、あんな顔を見せられたら辞めようにもやめられない。
こんな事言ったら、また吹き飛ばされそうだ。
絶対に言えない。
「そ、それは……」
「何ですか?」
フィオナがニコニコしながら言った。
「お姫様抱っこをして見たかっただけだよ。」
「それなら、私でいいんじゃないですか?」
まずい。
これは未来が見える。
「分かった。退院したらお姫様抱っこしてあげるから。」
「私は……私は最初が良かったんです!!」
あ、終わった。
フィオナの右手に魔力が宿り、俺の方へ飛んで来た時点で分かった。
「病院内では暴れないで下さいね。」
入り口でそんな声が聞こえた。
そう。
ローラさんだ。
「フィオナさん、魔力が昨日は溜まっていたのにもう無いですね。」
天使が舞い降りた。
フィオナの怒りを一時的に免れた。
「まあ、経過観察です。グレイさんの処置が終わればまた見ますね。」
そして、俺の方へと来た。
「グレイさんの方は魔力はまだ溜まっているようですね。」
仰向けになっていた俺の上に靴を脱いだローラさんが突然乗ってきた。
「うぇ!?」
突然の出来事に変な声が出た。
「あら、元気な子ですね。でもそちらは後ですね。」
フィオナがじっと見てくる視線が最も怖い。
ローラさんは俺の腰あたりを弄り出した。
「大丈夫ですよ。変な事はしませんから。」
顔を最大限まで近づけてローラさんは言った。
更に横から見てくるフィオナの視線が強くなった。
「これですね。」
右足太ももの股関節ギリギリの場所をローラさんは触った。
「えーと、何がですか?」
「魔力が溜まっている場所ですよ。」
「じゃあ、その場所を手で触りまくるのやめてもらえませんかね。」
さっきからずっとこの場所を触られ続け非常にくすぐったい。
「じゃあ、今からこの部分の魔力を吸い取りますね。痛くないから大丈夫です。」
ローラさんはポンと手を患部に置いた。
するとそこから奇妙な感覚が襲った。
右足だけが何も感じない。
そんな感覚が続いた。
「ふー。まあ、こんなものでしょうね。」
そう言うとローラさんはベッドから降りて目白さんの方へ言った。
「とりあえずこちらの魔法石から魔力を入れますね。」
「よろしくお願いします。」
目白さんの下腹部をめくりその部分魔法石を当てた。
すると、魔法石は鈍く光った。
「多分大丈夫ですが、当分はこれで様子を見ますね。」
目白さんの診察が終わるとフィオナの方へと行った。
フィオナの体ををペタペタと触った。
「フィオナさんは大丈夫のようですね。明日退院でよろしいかと。あと、グレイさんもメジロさんも明日調子が戻れば退院という形で。メジロさんは念の為何回かここへ通うという形になりますが。」
ローラさんはテキパキと物事を決めていった。
「面白かった!」
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