第6話 入学試験
試験会場には、たくさんの人がもうたくさん人が集まっていた。
それもそのはずだ。1日目は、普通科と魔法科が一緒に試験を受けるからだ。
男子は、講堂に集合とあった。
30分ほど待っていると、前に人が現れた。
「みなさま。今日は我が大学の入学試験を受けに来ていただき誠にありがとうございます。試験の時程は事前にお配りした紙の通りです。試験会場ですが、普通科と魔法科一緒に受けてもらいます。ただ試験の教室は年齢別とさせていただきます。8歳の方は、第1教室から第4教室。9歳の方は第5教室から第8教室。10歳の方は第9教室。それ以上の方は、第10教室にお集まりください。教室への移動は、試験官がみなさまをお連れします。」
まあ当然ながら8歳が一番多いな。
「8歳の方は私に着いてきてください。」
紳士的な服に身を包んだ男が言ってその後ろに受験生がついていく。
「では、9歳の方は私に着いてきてください。」
正しく教師みたいな人が歩いて行きそのまま後ろに受験生がついていく。
「10歳の方は私に着いてきてください。」
メガネをかけた男教師に言われるがまま後ろをついていく。
試験まで時間が余ったから俺は、椅子に座り自分を落ち着かせる。
ここからは個人戦だ。
周りにいる人全員が敵。
教室は少なくとも俺が案内された教室は、120人は確実にいる。
教室は200人は座れる座席が用意されていた。
朝8時20分予鈴が鳴るとともに試験官が教室に入ってくる。
先ほどのメガネをかけた人ではないが、すごく若い。
25歳くらいだろうか。
すると試験官が前に立ち喋りはじめた。
「1限目は、社会科です。問題用紙の中に回答用紙は挟んでいます。では前から後ろに回してください。」
筆記試験は、まあ高校入試とほとんど変わらないな。
「試験時間は、120分です。チャイムが鳴ったら初めてください。」
まあ違うとしたら試験時間と問題量と試験が始まったら魔法結界により前 後ろ 隣 の受験者の視界が遮られることぐらいか。
この魔法結界があったら誰もカンニングなんてできないだろうな。
そんなことを考えていたらチャイムが鳴った。
チャイムが鳴ると同時に結界が作動した。
周りの人が見えない。
ある意味これはこれで集中できる。
まずは、名前を書かないとな。
試験は名前からだ。
綺麗な字でグレイ・ジュリエットと書いた。
予想通り社会科は、難易度は年齢的な問題の差は無さそうだ。
そうすると圧倒的に長く生きてきた方が点数も高くなる。
社会科は、地理の問題や、国語の文法問題、ついでにこの世界の歴史などボリュームのあるテストだった。
でもそんなに問題自体は、難しくない。
早めに終わっても何回も見直しをした。
これなら9割は確実かな?と思ったがまた見直しをする。
いかん、こんなあかさまなフラグを建設してどうする。
そうやって時間が過ぎチャイムが鳴った。
鳴ると同時に結界も解けた。周りの人もよく見える。
試験官が回収していて他の人の問題用紙がチラッと見えた。
衝撃的だった。
ほとんどの人がほぼ白色だった。
問題用紙が。
しっかりと表向きだった。
今回の社会はそんなに難しくないはずなのになんでだ?自分の答えが不安になる。
が終わったことを気にしても仕方がない。頭を切り替えろ。
1限目が終わり間に10分間の休憩が挟まれた。たしか、2限目は数学だったか。
先程と同じような流れで数学の試験も始まった。
これも簡単だな。連立方程式や、1次関数とかの簡単すぎる問題だ。
一限目と同じように何回も見直しをした。
数学は、社会のように真っ白と言うわけではなかった。
が、多少は白紙の場所はあった。
やばいな。
でも特待生は、朝見た人たちのうちの3人だけだ。周りがどうだろうと気にすることはない。
さて、2限目と3限目の間に昼休憩が設けられた。
昼食は、食堂を全員一律で使用する。
食堂は、女子と男子で時間が違う。
だから食堂が混雑することはない。
セツシート大学の食堂のメニューは、品数も多く美味しいと評判らしい。
でも今回は、全員一律同じメニューだ。
ハンバーグ定食か。
お盆にはハンバーグ ご飯 サラダ など受験生の体調を考えてのメニューだろう。椅子に座って食べてみるが、非常に美味しい。
昼食を挟んで12時25分に予鈴が鳴った。予鈴が鳴ると共に試験官が入って来た。
「筆記試験最後の科目は、総合問題テストです。制限時間は、10分間。問題数は制限がありません。10分間で解けた問題数と、正答率で点数を算出します。試験は、チャイムがなったら開始です。問題用紙と解答用紙は魔法結界で送られます。名前はこちらで把握しているので書かないでください。」
例年通りセツシート大学の、受験の3限目は絶対に発表されないし口外されない。
しかも、去年の試験内容を知ったとしても毎年問題傾向はガラリと変わるらしい。
困ったものだ。
対策しようがなくどうしようか迷ったがタイムアタックならば、落ち着いて問題を解けば正解できるはずだ。
チャイムが鳴った。結界が作動し、問題用紙と解答用紙が本当に現れた。
「えーっと、」
少し困惑する。47+96だった。
まぁ一問目がこうなると仕方ないか。
でも問題を解くと同時にどんどん問題が難しくなっていく。
最終的には中学1年レベルまでしか行かなかった。
解いた問題数は、10分で200問くらいか。
総合問題だからもちろん文法や地理などいろいろなところから出題された。
だから色々と疲れたな。
3限目が終わったら初めにこの部屋に案内してきた試験官が入ってきた。
「みなさん。試験お疲れ様です。普通科の方はお気をつけてお帰りください。合否の結果は普通科の方は手紙でお知らせします。まず普通科の方は先程の講堂にお集まりください。魔法科の方は少しお待ちください。では、普通科の方は私についてきてください。」
そう言って普通科の人は席を立って試験官について行った。
この教室に3分の1くらいが居なくなった。
しばらくすると、またさっきの試験官が戻って来て
「魔法科の方はこれから個別の部屋に向かってもらいます。部屋は案内板に従ってください。」
そう言って教室から出て行った。
今日は疲れたな。
早く布団に転がりたい。
そんな気持ちでゆっくりと案内板の指示通りに歩いていく。
狭い廊下をぎっしり埋め尽くすほどの人。
これ全員が魔法科かぁ。
魔法科の試験は内容も明かされず受けた人に聞いても試験の内容は3限目と同じで変わる。
だから対策しようがないんだよな。
こんなことを考えていたら、宿舎についた。
と言ってもベッドがあるだけのカプセルホテルなんだけどな。
魔法科を受けると6時まではセツシート大学の中を見学出来る。
ベッドに一旦寝転がる。心を落ち着かせる。
「魔法科のみなさん。ただいまよりセツシート大学の見学を許可します。」
そう言われたので俺はいろいろなところを回った。
図書館 やっぱりこれが一番の目当てだ。
なにしろ地下3階から地上5階まである。
蔵書数は、10,0000冊を超えるとのことだ。
実際に中に入ってみたがかなり大きい。
1日じゃ全部は見れない。
でも出来る限り見て回った。
でも時間が過ぎるのは早い。18時にアナウンスが流れた。
「魔法科のみなさん。食堂にお集まりください。ご夕食のご準備ができました。」
そんなことを言われたので、歩いて食堂へ向かう。
大体の位置はわかってきた。
夕食は、豚生姜焼き丼だった。
妙に日本の味に近かった。
まあ日本から俺みたいにきた人もいるのかな?そう思った。
夕食を食べ終わると自由時間が設けられた。
が俺は、早めにベッドに入り寝た。明日の実技試験に備えて。