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第62話 戦いの火蓋


「結局、目白さんは助けれなかった。」

「グレイさんは悪くありません。」


フィオナが体調が治ったのでマヨルダについて俺は全員に話していた。


「でも、なんで目白さんが急にマヨルダの言いなりになったのでしょうか?」


ジェイミーが言った。


「とりあえず、マヨルダが現れたら目白さんを優先的にしよう。この際、目白さんを結界に閉じ込めてもいい。」


今、俺が考えつく事はそれだけしかない。


「でも、マヨルダは?」


横で話を聞いていたフィオナが聞いてきた。


「俺が出来るだけ目白さんから離して戦う。」

「でも、それは危険なんじゃないか?」


アルバートが俺の発言を聞いて心配してくれた。

勝つ事は出来ないかもしれないが時間を稼ぐことはできる。


「俺がメランダと戦っているうちに出来るだけ目白さんを結界に閉じ込めてくれ。出来れば俺もメランダを倒す。」

「分かったけど、危険と感じたらすぐに逃げてくるんだぞ。」


逃げるのは瞬間移動を使えば一瞬なんだが、相手のメランダも同じような技を使っていた。

そこが少し気になる。

瞬間移動で逃げても恐らくすぐに追いつかれるだろう。


「大丈夫だ。それと、目白さんは思っているよりも強い。」


戦ってみて分かったが剣の腕はこの世界でも類を見ないほど上手いだろう。

しかも、体の動かし方に無駄がなく故に素早く俺も目で追うのが精一杯だった。

そんな目白さんを相手してもらうのは危険かもしれないがやってもらうしかない。


「知ってますよ。グレイやフィオナと同じ特待生なんだから。」


ローズが言った。

今、考えてみたら学校までどうやって帰ればいいんだろうか。

この海底都市の中から外に向けて瞬間移動が何故か使えない。

メランダを倒したら元に戻れるとかそういう系なのだろうか。


「そういえば転移魔法陣に乗って俺たちがいなくなった後、どうなったんだ?」

「私が校長先生に言ってすぐさま試験は中止、何日か経って授業が再開しましたが何人かの教員は捜索のために各地を歩き回っていました。」


じゃあ、かなりの大事になったんだな。


「それから、何ヶ月経っても見つからないので私たちで探しに来た次第です。」

「道中色々あったけどな。」


フィオナが言ったことを元にして考えると捜索にはかなり手間取ったのか。

アルバートの言った色々というのは魔力のことだろう。


「じゃあ、古代の先人って知ってるか。」


俺が最初に飛ばされた場所。

つまり、神によって滅ぼされたセツシートの街。

神によって滅ぼされた世界というのが正しいだろう。


「そりゃもう、現代の人なら知らない人はいませんよ!」


ローズが反応した。

この世界ではそんなにメジャーな人だったのか。


「その古代の先人が作ったダンジョンを攻略したらここに飛ばされたんだ。」


全員の体の動きが止まった。


「それで俺が飛ばされた世界っていうのが神によって滅ぼされた世界だったんだ。」


頭の中を整理するのに時間がかかっているのか、誰も話さない。


「ここからは、推測になるんだけど多分近い将来セツシートは神に滅ぼされる。」

「じゃあ、早くみんなに知らせないと。」


ジェイミーが全員の沈黙を解いた。


「でも、これはあくまで推測だ。実際どうなるかはわからない。」

「その推測もここから出ない限りは分からないってわけか。」


アルバートは冷静に受け止めて言った。


「そうだ。だから、誰一人欠けずにセツシートに戻ろうな。もちろん目白さんも。」






「ここの近くで間違いない。」


グレイ達が話している間、メランダとメジロさんはテントの場所を探していた。


「結界崩し《ロストマジック》」


そう唱えるとともにメジロさんは床に剣を突き刺した。

直後、地面が大きく揺らぎ直線状に大きな穴が空いた。


「やはり、外から来た人間は素晴らしい。」


地面が割れる様子を見てメランダは感動していた。


「これでよろしいかと。」


そうメジロさんはポツリと言った。






同時刻、グレイ達のいるテントでは地震が起こった。


「地震?とりあえず外に出るんだ。」


俺の言葉に全員が反応しテントの外へ出た。


「っ!!」


テントの外には剣を持った目白さんとメランダがいた。


「じゃあ、さっき話した通りで行くぞ。」


そうして戦いの火蓋が切られた。


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