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第61話 フィオナの本気


「ゴアァァァァァ!!!!」


テントを破壊した氷竜は再び翼を羽ばたかせ上空に飛んだ。


「あの鱗はどうすればいいかわかるか?」

「……相手の鱗も無限に再生するわけじゃ無いと思う。だって、あの鱗も氷竜が作り出した魔法だから。」


フィオナが苦しい中、か細い答えた。


「じゃあ、今からは氷竜の鱗を破壊すればいいんだな。」

「うん……」


だが、まだ吹っ切れないのだろう。

いまにも目からは涙がこぼれ落ちそうだった。


「フィオナ。今はアイツをどうにかしよう。その後、泣いて叫んで悔やもう。俺だって苦しい。」


こういう状況に陥ったことがないから、これくらいの言葉しか掛けてやれない。

そんなぶっきらぼうな言葉でも、フィオナは理解し返事をしてくれた。


「そう…だよね。まだ、決断は出来ないけどアイツだけは許さない。」


初めてフィオナが本気を出した。

俺は今までフィオナの全力はここだと決めつけていた。

でも、今理解した。

フィオナは今まで手加減をしていた。

全ての行動において自分で自分を押さえつけていた。

今ある魔力の量ではおそらく俺と同等であらう。

しかし、決定的に違うのは魔力の質だ。

魔力が綺麗に束になり集まり、密度が高い状態。

これが本来の魔力だという。


「兄さん。アイツは私にやらせてください。」

「あぁ。氷竜の知識も力もフィオナの方がきっと上だ。」


フィオナが前に出だのを確認した、氷竜は自分の周りに大量の氷柱を作り出した。

フィオナは何も動じずただ氷竜の方へと歩いて行った。

それを見た氷竜は自分の作り出した氷柱を一斉にフィオナの方へと飛ばした。


「弱いのよ。」


冷淡で冷め切った言葉だった。


「お前が氷を使うのならば、私も使ってあげるわ。氷爪アイシクルブレイク。」


一秒も経たないうちに氷竜の作り出した氷柱の数を超え無数の爪のような鋭さの氷は、発射された。

フィオナの魔力は切れる事はなくずっと同じ速度で氷竜に撃ち続けられた。

対する氷竜もじっとしているわけもなく、氷柱を作り出して対抗するもフィオナの圧倒的な戦力差にどんどんと追い詰められていった。


「キャァァ!!!」


そして遂に、フィオナが氷竜の鱗を剥がしそこに氷爪を集中攻撃した。

氷竜は、息苦しそうに叫び逃げようとするも、フィオナの魔法で力尽きていた。


「さよなら。」


最後にそれだけ言ってフィオナは氷竜を仕留めた。

直後、フィオナがその場に倒れた。


「大丈夫か!」

「ええ。少し魔法を使い過ぎたようです。」


そう言ってフィオナは、目を閉じて休んだ。






「あ!起きましたよ!」


どこかで聞いたことのある声がした。


「私たちのために氷竜を一人で倒したのでしょう。もう少し休んでおいてください。」

「フィオナ良かった〜」

「おいっ……やめろローズ。フィオナは、疲れてるんだから。」


ローズ?

一気に飛び起きた。

そこには、ノアにマロン、アルバートとローズ、ジェイミーがいた。


「もしかして、私……死んだ……?」

「そんなわけないだろ。」


フィオナの声を聞き俺が言った。


「でも、どうやって……」


フィオナが驚くのも無理はない。

なぜなら、ここに至るまでの経緯は全てフィオナが休んでいる時に起こったからだ。

すると、兄さんの合図でアルバートとローズ、ジェイミーがマロンに連れられて追い出された。


「実はな、ノアとマロンがテントごと瞬間移動させたんだって。」

「ローズ達には言ったの?」

「いえ、どうにか誤魔化しました。」


ノアが言った。


「まあ、被害は出なかったんだから良かったじゃないか。」


「私、一人で氷竜倒してたの観てたの?」

「ええ。みんな、フィオナ怖いってみんな言ってましたよ。」


そう言うとフィオナは顔を赤くして手で覆った。


「私の乙女的イメージが……」


フィオナがぶつぶつ言い始めた。


「フィオナが強いって証明されたんだから……」


良かっただろ、と言う前にフィオナは俺の頬に渾身のストレートを撃ち込んだ。






「メランダまでやられたか。」


城の地下でマヨルダが言った。


「おい、アイツらはどれくらい強いんだ?」  

「マヨルダ様の今の実力では、到底敵いません。」


そう言うのはメジロさんだ。


「そうか。だが、私にはこれがある。」


服の中から取り出したのは注射器だった。


「ウィリアムが作っていたこれ。適性があれば力をコントロールできる。」

「…………。」


マヨルダの言葉にメジロさんは黙ったままでいる。


「まあいい。行くぞ。この牢獄を破壊しようとしているアイツらの元へ。」


地下で扉を生成し、その中に二人は入っていった。


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