第57話 支配
「メジロさんだけが帰って来ていないないのか。」
「でも、もう城は壊れてしまっているのでもしかしたら私たちを探しているのかも。」
城は俺が押したボタンで爆発し、そのまま崩れてしまった。
「では少しだけ外を見て来ます。」
「私もついて行きます。」
先ほど目を覚ましたフィオナが言った。
「大丈夫なのか?」
「はい。もうすっかり元気です。」
それならいいのだが、先ほどまで気を失っているとなるとそう簡単に連れていく事はできない。
「空気を吸わせてあげてください。」
フィオナのことを見ていたノアが言った。
「分かった。すぐ帰ってくるから待っていてくれ。」
そう言いながらテントを出た。
「それにしてもすごいな。」
城の方を見て言った。
城は思った以上に爆発が強く城があった場所は瓦礫で埋め尽くされていた。
「これだと城の中にいた人たちも死んだんじゃないですか?」
「そうだといいんだけどな。」
崩れた城を見てからそう答えた。
「報告はそれだけか。」
「はい。女を一人中庭で捕らえました。」
「分かった。引き続き城の警備を。」
メランダは自身の三人の部下の内の一人、サリアンの報告を聞いていた。
すでにメランダは、部下を一人殺されている。
サリアンのようにサーシャもある程度は外の空気にあたってもいいローブを渡しておけば、と非常に後悔している。
「マヨルダ様……何っ!?」
城が大きく揺れ出した。
そして、自分が立っている地面が落ちた。
「う……」
間一髪の所で城から抜け出した私はマヨルダやサリアン達の心配をした。
マヨルダはともかく部下の二人は城から抜け出す事はできない。
抜け出そうものなら外の空気に触れて体が崩れ落ちてしまうからだ。
「サリアン!サリアン答えろ……クソッ!」
通信が届かないと言う事はつまり気絶しているか死んでいるかのどちらか。
「マヨルダ様。」
辺りを見回していると不意に現れた。
「マヨルダ様。サリアン達はどこにいるのでしょうか。」
「残念ながら瓦礫の下敷きになってしまった。あの量の瓦礫の中から探し出すのは私では力が足らず申し訳ない。」
サリアン達城の中に居たものは全員死んだと考えていいだろう。
過ぎ去った事は考えても仕方がないと頭を切り替えてマヨルダを見た。
「いえ。いいのです。それとその手に抱えている女は?」
「サリアンが中庭で捕まえたと言う女だ。」
「それをどうするとつもりで?」
メランダは必死に考えたがマヨルダが何をしようとしているのかは分からなかった。
「それはもちろん城を壊した連中に復讐をするに決まっているじゃないか。」
「まさか、支配が?」
マヨルダが密かに行いメランダにのみ伝えていたこと。
相手を支配する事の出来る魔法だ。
以前までは、相手を監視することができても支配まではできなかった。
「ここまでかなり長かったがな。」
崩れ落ちた城の跡を見ながらマヨルダは答えた。
「私の城、そして私たちの部下を殺した罪は重い。」
すると、マヨルダは手に抱えていた女を地面に置いた。
女は黙って立ち上がりマヨルダの方を見た。
「では今からお前の仲間を殺しにいく。ついてこい。」
目白は仲間が殺されると言われたが何も応じずマヨルダの後ろを付いて行った。




