第41話 ダンジョン捜索
「ローズ!今のうちに撃ち込んで!」
ジェイミーが前にいるゴブリンの群れに隙を作り後ろにいるローズに指示を出した。
「分かったわ!火炎球!」
ダンジョン内に爆発音が響き渡った。
「「フィオナ。今のは何点?」」
二人して私の方へ向かって聞いてきた。
ダンジョン内で何をやっているのかというとこういう場所での処理の方法である。
今回は私からは指示を出さず危険と判断した時のみ動くと伝えた。
そして、戦闘後にその戦いの点数を私なりにつける。
そうやって自分たちなりの答えを見つけ出させようとしている。
ダンジョン視察に来た目的の一つはそれである。
もう一つは明日にこのダンジョン攻略でより早く攻略するためである。
正直なところ、このダンジョンくらいの深さならば最下層まで瞬間移動で行けるから問題はないのだが、今は前にいる三人に合わせて行動しなければいけない。
徒歩でできるだけ早くダンジョンの最下層に行く方法は事前に道を知っておくことというのが昨夜、ノアとマロンと話し合った結果だった。
そのようなこともあり今日、ダンジョンの視察にに来ていた。
「そうね。炎魔法を使うのなら酸素を使うわよね。」
「「うん。」」
話を聞いていた二人は大きく頷いた。
「これくらい入り口と近いところならまだしも、もっと深いダンジョンの最下層にもなると酸素というのはそうそう手に入るものではなってそれを炎魔法で消費するとどうなるかわかるわよね?」
「「その場の酸素が無くなる。」」
なぜか二人の言ったことはシンクロして統一感ある声で言ってきた。
「そう。だから今回の戦闘で炎魔法を使ったのは入り口に近いから、ということを考慮して10点満点中…」
「「……」」
二人とも私の方を見た。
「八点!」
その声がダンジョンの中に響くとともにローズの声も響いた。
「なんでよ〜。結構いいと思ったのに〜。」
八点とはいえゴブリンの群れはしっかりと炎魔法で焼ききっている。
ダンジョン内でモンスターの死体をそのまま置いていくのはモンスターが湧く原因となる。
そういう面でモンスターを焼き切るという選択は正解だろう。
「あと少しだけ下に行ったら帰りましょう。あんまり待たせるのも街で待っているノアとマロンにも迷惑だしね。」
そう言うと三人とも頷き先を歩いていった。
—次の日—
「よし。じゃあ行きましょうか。」
先頭に立つノアが言った。
今日は昨日とは違いアルバート、ジェイミー、ローズの三人はしっかりと時間に間に合っていた。
「ちゃんと昨日言った持ち物は持った?」
昨日ダンジョンから帰る時今日に必要なものをあらかじめ言っておいた。
三人はそれぞれが持っているカバンをもう一度確認していた。
「ええ。」
「ああ。」
「ちゃんと持ってます。」
と三人とも返事をした。
「よし。じゃあ出発しましょうか。」
そう言って前にいるノア、後ろにいるマロンに指示を出した。
その瞬間私たちの周りは白く光った。
「大丈夫よ。何も心配しなくていいわ。」
事情を知らない三人は慌てふためいていたのでそう言った。
これは、昨夜ダンジョンの距離や潜ってみた時の深さ的に時間が掛かり過ぎると判断したた。
それで私とノア、マロンの三人でダンジョン近くの海岸沿いに瞬間移動で移動し転移魔法陣を設置した。
その後街の集合場所にも使い捨ての転移魔法陣を設置して今起動したというわけだ。
「ここって昨日の…」
光が収まり視界を取り戻したローズが言った。
「はい。昨日のうちに転移魔法陣を設置されたのです。」
そうローズの方を向いてマロンが言った。
「今日もあの距離を走ると思ってたけど、これならだいぶ楽だな。」
アルバートが嬉しそうにニコニコして言った。
「じゃあ、ダンジョン攻略頑張りましょうか。」
昨日の場所を2時間ほどで通り越してかなり深いところまで潜ってきた。
順調に進んで行くと少し大きな開けた場所に出た。
そこではおおきな恐竜のような二足歩行のモンスターが同じようなモンスターをクチャクチャと音を立てながら食べていた。
「三人とも下がってて。あれは私がやるから。」
「でも…」
ジェイミーが私の言葉に反論してきた。
あの外見を見れば誰でも怖気付くだろうし、強さも見て取れる。
「私があんな奴より弱いって言いたいの?」
「そういうわけでは…」
だが、私はこんな所で立ち止まるわけにはいかない。
そう思いモンスターのいる空間の方へ歩いていった。
すると、モンスターもこちらの存在に気づいたのか体の向きを変えた。
「ゴアァァァァ!!!」
モンスターが大きな声で吠えた。
その声は空間内に響き渡った。
「いいわよ。やってあげるわ。獄岩球!」
私の手から無数の大きな岩石が作り出された。
その岩石を目にも見えないスピードで発射した。
目の前にいたモンスターはあっけなく何もせずに胴体を貫かれてその場に倒れた。
「すげぇ。」
後ろの方からアルバートの声が聞こえた。
「まさかそんな一瞬で倒すなんて…」
ジェイミーもそう感嘆の声を出した。
「流石はフィオナ様ですね。」
「ええ。」
ノアとマロンもそう言いながら私の方へ近づいてきた。
「それじゃあ先を急ぎましょうか。」
そこからしばらくはローズ、ジェイミー、そしてアルバートの三人が主軸となりそのサポートにノア、マロンという形でダンジョンを攻略していった。
「結構下まで来たな。流石にここまで来るとモンスターが全員強いな。」
「ええ。これだけモンスターが強いということはそろそろ最下層に来てもおかしくないのですが…」
アルバートとジェイミーが先ほど倒したトカゲ型のモンスターをいじくりながら会話していた。
トカゲ型のモンスターの腹から綺麗な宝石(大部分が魔法石)が出てきたからだ。
モンスターが持っている宝石は非常に耐久性が高く、高値で取引されることも多いので拾っている。
「あれもしかしてボス部屋の前じゃない。」
前を見回していたローズが指差す方向には辺りとは明らかに違う床があった。
このダンジョンは地面は不安定ででこぼこしている床だがローズの指差す方向は学校の野外の床のように整形された綺麗な床だった。
「そうね。じゃあ、あそこで少し休んでからボスに挑みましょう。」
「おう。」
「はい。」
「オッケー。」
「「分かりました。」」
と五人全員了承した。
ボス部屋の中にはどんなモンスターがいるのかという疑問とともに入り口にあった石板のことを不安に思いつつ私はみんなが休んでいる場所へ行った。




