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第37話 戦闘訓練


「次はジェイミーの番にしましょう。」

「ちょ、俺だってやりたいんだけど!」


私の言葉にアルバートが言ってきた。

今はここにいる人が一人ずつ森の中で出てくるモンスターと戦うという学校ではやらなさそうな実戦をしている。

兄さんが私に魔法を教えている時も言っていたが、魔法は実戦をして初めて使えるようになったり上手くなったりするらしい。


「アルバートもジェイミーの後でやらせてあげるからもう少し待って。」

「まあ、そう言うんなら待っておくよ。」


と言い後ろは引き下がった。

こんな会話をしているうちにローズが、獄炎玉ヘルファイアーボールを撃って獅子オオカミを丸焦げにしていた。


「ふふーん。ま、私の手に掛かればこんなものね。」


とドヤ顔でこちらに向かって言ってきた。

けど私は知っている。

なぜローズがレベル9のような高いレベルの魔法を使えるかを。


「そんなこと言って、毎日兄さんに教えてっ…!」

「フィオナちゃん!もうそれ以上言わないで!今黙ってて!」


と言い私の口を押さえてきた。

ローズは最近学校終わりに兄さんのところへ行き火魔法の使い方を教えてもらっていた。

その結果、今のようなレベル9の魔法が使えるようになった。

とはいえ、レベル8と9にはかなりの違いがある。

ローズが使えなくて兄さんに教えてもらいたいと言う気持ちも分からなくはない。

なぜなら私も兄さんに幼い頃から今も魔法を教えてもらっている。

そのことを考えると早く兄さんを助けなくてはならないと思うが、肝心のダンジョンで死んでしまっては元も子もないので今こうしている。

ダンジョンで自分の身を守れるように訓練している。


「フィオナ、あれなんてどうだ?」


ローズの番が終わり付近を捜索していたアルバートが私に聞いてきた。

一応私の許可なしに戦闘はするな、と言っているので勝てない相手とは戦わせない。

指差している方向には一匹の大きなクマのようなものがいた。

名前までは分からないが大きさから見るにおそらく大丈夫だろう。


「ええ。多分あれなら大丈夫よ。」


と言って許可を出すと同時にモンスターの方へと向かって行った。

いつの間にか手には大きな水の球が出来ていた。


獄水球ヘルウォーターボール!」


撃ち放った球はすごい速度でモンスターが気づく間もなく貫通した。

貫通した場所から血を吹き出しながら、モンスターは地面に倒れ込んだ。


「ローズよりもよっぽど早かったな。」


と威張りながらこちらへ帰ってきた。

アルバートに関しては今年の夏休み、勉強会をする前に兄さんと私に、得意の水魔法のもっと上のレベルを使いたい、と言ってきたので毎日教えていた。

その成果がここで生かされたと言うわけだ。


「そんなことを言っているアルバートも夏休み毎日…!」


アルバートは何か話があるのか私の肩を掴んで少し離れた場所へ誘導した。


「その件に関してなんだが秘密にしておきたいからみんなに話さないでおいてくれないか?」


こいつもなのか…と思いつつアルバートの言ったきたことを了承した。


「フィオナ。私はあれがいいかな。」


アルバートと話している間にいつの間にかジェイミーがモンスターを見つけて駆け寄ってきていた。

指さす方向には先ほどアルバートが倒したモンスターよりも何倍も大きかった。


「あんなの本当に倒せるの?」

「倒せると思ったので聞きました。」


少し心もとない声ではあったが、ジェイミーも倒せない相手に喧嘩を売りに行くわけではないだろう。


獄雷球ヘルサンダーボール!」


少し離れた場所からジェイミーは獄雷球を撃った。

森中に大きな落雷の音がして目の前は白一面になるほど明るく染まった。

だんだんと光が収まっていき視界が戻っていくとジェイミーが狙ったモンスターは、獅子オオカミと同じように黒く焦げてその場に倒れていた。


「どうでしたか?」


黒く焦げたモンスターの方を指さしながら私に聞いてきた。

ジェイミーは、ずっと前から私が魔法を教えてきた。

初めは魔法全般を教えていたが、去年くらいから雷魔法に専念するようになった。

それ以来ずっと教えてきたがまさかここまで強くなっているとは思わなかった。

私が入学してすぐに暇な時に兄さんから聞いた魔法(兄さんがいうには『ヘルシリーズ』らしい。)を何度か見せていたが使い方までは教えていなかったはずだ。

ここまで出来たのはおそらくジェイミーの努力だろう。


「え、獄電球は教えてないのに使えててすごいと思ったよ。」

「ありがとう。」


と嬉しそうに笑いながらローズやアルバートの方へ行った。



ー八時間後ー




「もうすぐ夕食だわ。みんな帰るわよ。」


三人の方を向くとみんなもうへとへとだった。

朝からずっとモンスターを魔法で倒すだけの一日だったが魔力を身体に取り込むことが出来ていないのでみんな歩いただけで倒れそうだった。


「なんでフィオナはそんなに元気なのよー。」


よろよろしながら歩くアルバートが聞いてきた。


「それはまた明日にでも話すわ。」


兄さんからは誰にも話すなと言われていたがこの状況で時間も惜しいので話してしまって大丈夫だろう。

当初の予定では瞬間移動は使わない予定だったがこの際もういっそ教えてしまおうか。

いや、瞬間移動はもう教えない。

時間もかかるし何かのはずみで誰かに見られたらそれこそ問題になるかもしれない。

最もそんな魔法を作る兄さんが一番の問題なのだが。


「フィオナ〜。ちょっと早いから待ってよ〜」


力のない声でローズが前を行く私に言ってきた。


「あとちょっとだけね。」


と後ろを向いて言った。

ここで私は明日はこの場所に留まり魔力を身体に取り込む練習をしようと決めた。

明後日からはまたダンジョンまで歩くことにしよう。


「まだまだ先は長そうね。」 


と小さな声でつぶやいた。


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