第33話 帰還
「…きて、起きて。」
俺は飛び起きた。
せっかく気持ちよく寝ていたのだが寝返りを打とうとして少し目を開けたら目の前に目白さんがいたからである。
「やっと起きたわね。」
目白さんは、普段より少し怒ったような声で俺に向かって言ってきた。
「あなたに一つ質問があるのだけれどいいかしら?」
「まあ、別にいいですけど変なことは聞かないで下さいよ。」
目白さんは俺の言葉にため息をつき呆れた顔で質問をしてきた。
「分かってるわよ。今まであなた何していたか覚えてる?」
そこで俺は今まで何があったのかを思い出す。
確か、魔法石を集めるために最後のダンジョンに行ってそこで……あれ?思い出せない。
記憶がまるですっぽり抜け落ちているかのように何も思い出せない。
「いえ、僕も起きた時何があったのか思い出そうとしたのですが思い出せず…」
すると目白さんは奥の方を指さして言った。
「やっぱりあなたもそうだったのね。まあいいわ。それもあの扉の奥に行けば分かりそうだし。」
俺に立って来いというように手で指示されたのですぐに地面から立ち目白さんを追いかけた。
扉の奥は小学校のクラス教室一個分ほどの大きさの部屋があり、一番奥に置かれている宝箱のようなものの中には最後の魔法石が入っていた。
「じゃあ、図書館まで移動して。それから魔法陣に魔法石をはめ込んでさっさと現世に帰るわよ。」
目白さんが図書館の魔法陣に最後の魔法石をはめ込んだ。
魔法陣は眩い光を放った。
目白さんは、俺より先に魔法陣に入りその後俺も目白さんに続いて魔法陣に入った。
魔法陣で飛んだ先は真っ白な部屋だった。
「ここに来たってことは最後のあれもクリアしたってことだね。」
前から突如として現れたのは一人の男だった。
「って、記憶を消したんだから僕のことは覚えてないか。まあ、そんな事はどうでもいいか。」
絶対どうでもよくないだろ。そもそも何で記憶なんて消したんだよ。
「まず君たちは神の恐ろしさを知っているかい?多分知っているだろう。セツシートの街をあそこまで壊滅状態にしたのは何を隠そう神なんだ。僕たちのような転生者も前世の知識をフルパワーで使ったけど神には全く及ばなかった。そこで僕たちは後世に伝えることにしたんだ。神が使った魔法を。」
そんな神が使った魔法を本当に俺たちは使えるのか?
「じゃあ、今から君たちの脳内に直接その魔法の術式を送り込むから力を抜いて。」
その瞬間、頭の中にすごい量の文章が頭の中に入ってきた。
「僕たちから君たちに与えることができるのはこれくらいだ。この魔法を使ってどうか神を殺してくれ。もう二度とセツシートのような事は起こしたくないんだ。」
そう言って前にいた男は消えてしまった。
「やっぱり記憶を消されてたのね。それはそうとして今からあの扉を通って帰る?」
「そうですね。僕は早く現世に帰りたいのでそうしましょうか。」
と俺たちは現世に帰ることを決定した。
第三章 未来都市編-完-




