第32話 最終局面
「まぁ、こんなものね。」
目白さんがそう言って銃を片手に言って来た。
目白さんが前を行き、その後ろで俺が目白さんの背中を守るという形で俺たちは行動していた。そうして俺たちは順調に施設内を進んでいた。
やがて、俺たちは倉庫のような部屋についた。辺りを見回していると何かが両サイドの壁を壊してきた。
「目白さん!避けて!」
俺がすぐに気づき目白さんに言ったので目白さんもすぐに気づくことができて横に避けた。触手は止まることなく真っ直ぐ進み床に突っ込んで動きを止めた。
直後、触手はうねるような動きをして出てきた壁の穴へと戻っていった。
「いったい何だったのでしょうか?」
俺はそう言いながら地面を見た。先ほどの触手が埋まっていた場所は大きくへこんでおり、その周りはひびが入っていた。次にあんなふうな攻撃が来たら死ぬ気がする。
そう考えながら目白さんの方に行くと入り口の扉が開かれて1人の女が入ってきた。
「二人とも仲良く揃っていてよかったわ。」
黒髪のロングヘアで長く純白のワンピースを着ていた。
「誰だ!」
銃を相手に向けて俺は前にいる女に向けて問いかけた。
「あら怖いわね。私は野田ほのか。あなたたちは私の大切なこの施設をめちゃくちゃにしてくれたのよ。だからその代償を払ってもらうためにここで死んでもらうわ。」
あれが野田ほのかなのか。
一歩一歩、歩くたびに身体からどんどん触手が出てきて俺たちの方に向かってきた。
俺は横に避けて転がった。
その隙に野田ほのかに向かって銃を撃ったがそのまま避けられてこちらに瞬きする間もなく迫ってきた。
「まあ、所詮人間はそんなものよね。」
耳元で囁かれた時には腹を思い切り殴られて壁にぶつかった。
腹に残る痛みと背中の痛みに思わず声をあげてしまった。
こちら側に野田ほのかが寄ってきたが後ろから目白さんが銃で野田ほのかの心臓部を狙ったように見えたが実際は少しずれてしまっていた。だがそれでも銃弾は身体を貫いた。
「っ!そんなもので私を倒せると思ったか!」
そう言って無数にある触手を目白さんへ向けた。
直後、触手がすごい勢いで目白さんの方へ行ったが目白さんに当たる直前横に避けたので当たっていなかった。
だが、その触手は勢いを止めずにそのまま壁にぶつかり砂埃が舞った。
「大丈夫?私があいつを引きつけるからあなたはここから出て。」
そう言って目白さんは俺の前にたった。
一方、砂埃の奥で触手が動き周りを取り囲んでいた砂埃を薙ぎ払った。
その瞬間を目白さんを逃さずに持ち前の銃で野田ほのかの心臓部を今度は外さずに撃った。
「うぁっ、まだ身体に馴染んでなかったのか…こんな所で私は…」
そう言って貫かれた二箇所から大量の血を流して地面に倒れた。
「もう二度と目を覚まして欲しくないわね。」
そう言って目白さんは俺の方を向いて俺の体を起こしてくれた。そのまま俺は目白さんの肩を借りてこの部屋を後にした。
あれから何分経っただろうか。幸い体自体に負傷はなく今はほとんど痛みもなく一人でも歩ける程度になった。
「これからどこに行くんですか?」
俺は先ほど一人で歩けるようになったもののやはり痛みは伴う。痛いのは嫌いだけどここから出るためにも我慢するしかない。
「私がここに連れてこられた時エレベーターみたいなものがあったの。だからそのエレベーターの方に向かっているの。あっ、ここの扉の奥にエレベーターがあるはずよ。」
そう言って目白さんは銀色の両開きの扉を開いた。
その先は下に深い穴があり見下げても下が全く見えなかった。
一本の通路の奥にエレベーターのような上に繋がるもにがあり、通路の中心には大きな柱があった。
俺と目白さんはそのまま通路を歩いていると横の壁が破壊された。
「よくもさっきはやってくれたわね。これで終わりにしてあげるわ。」
そう言って壁から入って来たのは先ほど殺したはずの野田ほのかだった。
「こっちもこれで最後にしてあげるわ。」
野田ほのかは先ほどとは全く違う姿になっていた。先ほどまではしっかりと人型だったのにも関わらず今は女王蜂のようになってエレベーターへ行くための通路を塞いでいた。
目白さんが銃で先ほどと同じように野田ほのかに銃を撃ち込んだが先ほどのようにはいかず、全くダメージはないように見えた。
それどころか手が六本に増えたせいで避けるのが難しくなって腹の部分から蜂のようなものを飛ばして来たのでこれではらちが明かない。
「なんでこんなに硬いの?ねえ、ちょっと近くに何かないか探して来て!」
そう言われたので急いで後ろを向くと真ん中にある大きな柱の一部が開くようになっていた。
俺は今持てる力を全て出し尽くして柱を開くと中には大きな充電式の中にようなものが入っていた。
柱には『電力砲 使用方法』と書かれた紙があった。
電力砲使用についての注意
この電磁砲は一発で鉄の壁、五メートルは貫通できる兵器である代わりに一発撃てば次を撃つために、冷却期間や機械自体の電力回復などがあり二時間のクールタイムを必要とする。
使い方は目標物に標準を合わしトリガーを引く。連射をしようとするとこの機械に電力を注ぐ施設自体が爆発する可能性があるため絶対に連射しないこと。
なるほどな。これを使えばもしかしたらあそこにいる奴を倒せる気がする。
「目白さん!しばらくそいつがこっちに来ないようにしておいて下さい!」
目白さんには聞こえたのだろうか。大丈夫だろう。俺はそう考えて電力砲を柱から取り出した。すぐ目の前にいる野田ほのかに目掛けて標準を合わせた。
「目白さん!退いて下さい!」
そういうと何かを察したかのように通路の横に避けたのですかさず電力砲のトリガーを引いた。
その瞬間すごい振動と共に目の前にいた野田ほのかを焼き尽くした。
やがて電力砲を元いた柱に戻して目白さんの方へ駆け寄った。
「大丈夫ですか。」
「ええ。それよりも早くここから出ましょう。さっきあなたが放った電力砲で施設が崩れ始めているわ。」
俺と目白さんは急いで奥のエレベーターへ行き上へ上がった。
「G6の蔓延を確認しました。今から10分後に島を爆発します。急いで逃げて下さい。」
そうアナウンスが流れた。そのG6の蔓延を確認するのが遅いんだよな。一時間前には確実にG6は蔓延していたはずなのにな。
「どうしましょうか。」
「そんなものすぐにここから脱出するに決まっているじゃない。」
そんなことがありエレベーターが地上に着いた時そこは空港の中だった。
「お前たちだけは、ここで!」
そう言って地面を突き破って出て来たのは触手だった。一番上には野田ほのかがいた。先ほど電力砲を撃ち込んだにも関わらずまだ生きていたのか。
「しつこいわね。一緒に来て。逃げるための飛行機を探すわよ。」
そう言われたので俺は先を行く目白さんを追って走った。
しばらく野田ほのかから逃げ回りながら空港内を走り回っていると動きそうな飛行機を発見したので、俺と目白さんは走って飛行機に乗り込んだ。
「急いで準備をして!多分行きに乗った飛行機と同じ手順でいいわ。私はあそこにいる野田ほのかを足止めするわ。」
俺は行きに乗った時と同じように操縦席したの電源を入れた。すぐに飛行機を発車できるようになったので、すぐに目白さんを呼び戻し飛行機を走らせた。
飛行機がゆっくりと地面を飛び去った瞬間飛行機が大きく揺れた。後ろを見てみると黒い触手が飛行機を掴んでいた。
「どこまでもどこまでも、しつこいわね。」
横に座っていた目白さんが席を立って後部に行きコンテナを入れるための搬送口を開いた。
一体何をするつもりなんだろうか。
すると側面にあったボタンを押すと飛行機に積まれていたコンテナが一気に落ちていった。
そのコンテナが触手に当たるたびにどんどんと触手は細くなりついに最後のコンテナが流れると同時に触手が引きちぎられた。
後ろを見ると眩い光が放たれると共に身体に響き渡る音で野田ほのかもろともあの島は爆発した。
「終わったのでしょうか…」
「さあね。でもひと段落は着いたんじゃないかしら。」
すると、急な眠気が襲って来た。どうやら目白さんも同じようで俺と共に操縦席に倒れ込んだ。
「面白かった!」
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