第20話 夏休み②
瞬間移動した先では水竜が暴れていた。
水竜は水を身にまといその水の中には硬い鱗があって大変攻撃は困難な相手に見えた。
実際その読みは当たった。
海岸に来て水竜がまっすぐこっちに向かって来たのでまず周りの水をどかすようにフィオナに言ったら獄炎球を撃った。
こりゃ出番ないかなと思ったらそうでもなく水竜はピンピンしていた。
周りの水が無くなったので俺が水素爆発球を撃ったのだが、硬い鱗が水竜そのものの身を守り攻撃が全く通じなかった。
困ったものだ。
しかも、水竜怒って口から水をすごい勢いで発射して来た。
魔法障壁が破壊されるくらいだからおそらく相当強い。
確か鱗は昔リン酸カルシウムとタンパク質で出来てるって言われてた気がする。
となると酸が弱いのかな?こういう時に初めて理科をやってて良かったと思う。
でも酸は作ったことないからな。
「フィオナ!ちょっとだけ。5分!5分でいいから時間を稼いでくれ!」
「兄さんの言うことなら了解しました。5分ですね。それまであいつを足止めしておきますね。」
なんかフィオナって安心できるなぁ、いや今はそれどころじゃない。
酸と言えば塩酸だな。
早い話俺の胃液を取ればいいんだがそれは流石に見るにも耐えない苦しみがある。
いつも通りまず魔力で空間を作る。
海の海水を空間の中に入れ電気で分解する。
それで塩化水素ができるからあとは水に混ぜて塩酸が出来上がる。ここまでは高校の内容だからまだ明白に思い出す。
「フィオナ!もう1回水竜の周りにある水をどかしてくれるか?」
水が無くなったらそこにこの塩酸をかけてやるよ。
「わかりました。獄炎球!」
先ほどよりも大きく強い球が撃ち出された。周りにあった水は一気に蒸発し辺りが白くなる。風で煙をはらい水竜の元に塩酸を思いっきりかける。
「キエエエエエェェェェェェ!」
その塩酸が肌にも染みたのか暴れ出した。
「フィオナ!一気にやるぞ!」
そう言ってフィオナと同時に鱗の溶けた部分に今度は2人で水素爆発球を撃ち込む。
激しい爆発音と光と共に水竜は焼けこげて海の上に浮いている。
次の日の朝俺たちが何もなかったかのように泊まっていた部屋を出て、朝食を食べようとしたら従業員の人が入り口を塞いでいた。
「グレイ・ジュリエット様とフィオナ・ジュリエット様ですね。昨晩は水竜の災害から私たちの身を守ってくださってありがとうございました。」
このホテルで働いている人ほぼ全員が集まり一斉に声を合わせて言って来た。別にそんな大きなことをしたつもりはないんだけどな。
「お礼にと言ってはなんですが当ホテルの料理人が水竜の肉を使って作った料理を召し上がってください。」
水竜の肉って美味しいのってノアに聞くと1級品ですよ、と教えてくれた。
「兄さん。せっかくなので美味しく頂きましょう。」
まあフィオナも言っているわけだし今回はホテルの方々に甘えよう。
水竜の肉は油が乗っておりしかも肉肉しく非常に素晴らしい味だった。朝食を終えてホテルをチェックアウトしてホテルから出ようとした時スタッフの人がお見送りに来てくれた。
「またいつでもお待ちしております。」
そう言われたので俺も言い返した。
また今度来ます、と。
それから俺たちはお土産を買って家に帰って来た。
「楽しかったですね。」
フィオナが笑いかけて言って来た。この笑いは大丈夫な笑いと分かったので俺も気安く
「たのしかったね。」
と言っておいた。
夏休みの中盤が過ぎ残すところあと4分の1程度だが俺とフィオナは、宿題もし終わってしまいもう何もすることがなくなりだらだら過ごしていた。
夏休みが終わる2日前に俺たちの屋敷に3人の人が来た。
アルバートにローズ、ジェイミーだ。
3人はどうやら宿題が終わってないらしく勉強会を開こうという事になってどうせならわからないところを聞ける先生が必要じゃない?とローズが言い出して俺たちの屋敷に来たという事だ。
「そういう事で勉強できる部屋貸してくれる?」
ローズがいいよというのを待つような期待の目で見て来る。
「僕からもお願いしたい。宿題終わらなかったら減点されちゃうんだよぉ。」
アルバートも言ってきた。
「わ、私からもお部屋を貸してくださると嬉しいです…。」
珍しくジェイミーも自分の意見を伝えてきた。3人にまとめて言われたら断るわけにはいかない。
だから図書館を貸してやった。
本も読めるし静かで勉強しやすい部屋だなんて最高じゃないか。
「グレイくん。ここの問題わからないから教えてもらえる?」
アルバートが聞いてきたので愛想良くその問題を見る。
「あー、これは複雑な立体だね。」
俺の中学校の友達がよく言ってた点P問題だ。
常に動き続ける訳のわからない点P。
そこの面積を求めろだのなんだのいろいろと頭の中を混乱させて来るあいつの問題についてだった。
点Pが動いた時間と面積のグラフか。
「ここが最も面積が大きいだろう。それで点Pの動く速度がわかるから全部わかるって事だ。」
今の解説は100点だ。こういう質問はすぐに答えを教えるのではなく答えの道を示すのが大事なんだよな。
そんなこんなで質問に答えていたら18時になっていた。
「みんなもう18時だけど帰らなくていいの?寮の門限って確か18時15分だった気がするけど…」
そう言ってみんな時計を見て時間を確認すると同時に荷物を片付け出した。
「グレイくんにフィオナさん!今日は色々と教えてくれてありがとね!」
そう言って3人とも走って学校の量の方向へ行った。俺が時計を見なかったら多分怒られてたな。
最終日も同じように俺の家に来たが今度は10時から来た。
「もう夏休みも終わり。宿題はまだ山積み。だとすれば早くここに来て勉強をするべきだー。」
と言って3人とも走って図書館に向かった。
「昼はうちで食べていいよ。」
わざわざ他のところに行くのも面倒くさいだろうし料理人たちに3人分余分に作っておいてと言っておいて正解だ。
「じゃあありがたく食べさせてもらうよ。」
アルバートが言った。みんな集中していたので18時にはみんな宿題が終わっていた。
「今日はゆっくり帰れそうだね。」
「うん、グレイくんも図書館貸してくれてありがとね!」
そう言って3人は寮へと帰っていった。
「朝なんだから起きてください!」
マロンに言われて俺は目を覚ます。今日は2学期の始業式。1学期のように遅れないためにすぐに起きて朝食を食べ学校に向かう。
「2学期は余裕を持たせてちゃんと来れたな。」
アルバートに褒められるように言われた。
「今学期は遅れないように努力しようと決めましたからね。」
1学期も遅れこそしていないがかなり危なかった。
秒単位の時もあったしやばい時は瞬間移動で学校に来た。
その時はバレたかと思ったけど意外とバレずに済んだから良かったけどな。
何はともあれ2学期は危ないことをしないと心に誓った。
今日はしっかりと課題も提出して今日が終わった。
ー3年後ー
昨日で小学年の進級試験も終わり誰一人特待生にはなることはできず中学年に上がった。
俺は14歳フィオナは12歳になった。
俺は165センチになりこの世界の一般的な身長より少し低いがマロンやノアよりは頭ひとつ分くらい差がある。
フィオナも150センチにまで伸びマロンやノアより少し低いくらいに成長していた。
セツシート大学では特待生は中学年でギルドに入って良いという校則がこの4年間のうちに生徒会が教師会に話し合った結果できた。
だから俺はマロンやノア、あとフィオナを連れてギルドに登録しに行った。
俺の家にはもうギルドに登録している人がいる。
それは食事の調理や生活費などを賄うためだ。
でも今日登録する理由は実戦経験を積むためだ。
俺とフィオナでギルドのドアを開ける。
受付の方へと俺は直行して行った。
「新規登録ですか?それとも依頼でしょうか?」
受付の20代くらいの若いお姉さんに聞かれたので
「僕と後ろの3人でギルド登録したいのですがよろしいでしょうか?」
「はい。ではまずこの用紙にお名前と年齢、住所や得意な攻撃方法などについてお書きください。」
そう言われて4つペンと紙を渡されたのでそのカウンターで用紙に必要なことを書く。
攻撃方法か…魔法でいいのかな?とりあえず魔法と書いて受付の人に紙を提出する。
「えーと攻撃方法が魔法でしたら魔力測定が必要になりますので少しお待ちくださいね。」
そう言って奥の方に消えていった。
「みんなも書けた?」
他の3人も暇そうにしていたから聞いてみた。
「書けたんですけど受付の人がいないので…」
ノアが言った時受付の人が大きな石のようなものを持って来た。石は紫色に輝いていた。
「じゃあまずグレイ様からその石に手を置いてください。」
そう言われ石に手をおく。手の先から魔力を吸い取られているのが分かった。
石がどんどん色が変わっていく。紫から青、緑、黄、橙、赤やがて赤色で色の変色は変わらなくなった。
「赤色ということは…えーと魔力量は一般より上ですね。なのでレベルは9ですね。」
うーん。そのレベル9がどれくらいかわからないんだよな。
「レベル9ってどのくらいなんですか?」
「1番上がレベル10なんですけどみんな最初はレベル9が最高ランクになります。レベル10は大きな功績や未開発ダンジョン攻略などをするとなれます。最後にカードを発行する際にご年齢だけお聞きしてもよろしいでしょうか?」
へえ、現地点では最高ランクか。
でもレベル10になったら強者感が出て強そうだからこれからはレベル10を目標にしよう。
「えーと14歳です。」
「はいわかりました。14歳で…ちょ、ちょっと待ってくださいね、今何歳と言ったかもう一度お聞きしてよろしいですか?」
驚いたような声でもう一度俺に聞いて来た。
「14歳です。」
「一般的に実力は良いですけど年齢は16歳からですよ。」
受付のお姉さんが改まった顔で言ってくる。
「何を言ってるんですか!兄さんと私はセツシート大学の特待生ですよ!」
なぜかフィオナが怒って受付の人に言った。
「セツシート大学…すみませんでした!今まで16歳が平均的だったのでつい…すみませんでした。速やかにカードをお作りします!」
そう言って急いでギルドカードを作って俺たち4人に渡して来た。
ギルドカードはIDカードだった。
ちなみに3人ともレベル9だった。
まあ普通にみんな実践でも十分戦えるくらい強いからな。
今日はそれで家に帰って過ごした。
明日からは学校をギルドで仕事というより実戦経験を積むという理由で休んで依頼を受けに行こうと他の3人に伝えて今日は終わった。
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