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第17話 授業開始


俺は、目を覚ました。そしてまぶたを開けるといつも通り女子が何故か一緒に寝ていた。

またフィオナか。昨日ちゃんと寝てたのにな、と思い露出した肩を手で掴み


「また、俺のベッドで寝てるのか?自分のベッドを用意しただろ。」


と寝ぼけていうと


「私は1回もグレイ様のベッドで寝ていませんよ。」


と言ってきた。ここで俺は初めて違和感に気づく。いつもと声がちがう。フィオナの方がもう少し無邪気な声をしていたはずだ。そう思い顔を近づけると、


「グ、グ、グレイ様!な、な、な、何をするおつもりですか?私はあくまでそのグレイ様の側近でありですねその決してそういう関係ではございませんよ!」


あまりに声を高くして恥ずかしそうに言うので、目を擦りピントを合わせるとそれはまさかのマロンだった。

マロンは顔を真っ赤に染めていた。


「ご、ごめんマロン!フィオナだと思ってしまって、つい顔を近づけてしまった。本当に申し訳なかった。マロンだってそういうことは、自分の認めた人としかやりたくないもんな。変な誤解を招いてすまないが、なんで俺のベッドで寝ていたんだ?」


そうまず、俺のベッドで寝ていなかったらこうはならなかったはずだ。


「その、朝6時50分ごろにこのお部屋に音を立てぬよう瞬間移動で来たつもりだったのですが、誤ってグレイ様のベッドの上に来てしまい。まだ起こす時間まで余裕があるのでグレイ様の近くで寝ていたら……」


なるほど、つまり瞬間移動を失敗して俺の寝顔を見て寝そうになった。

そこで俺が起きて顔を近づけた。

これは、しっかりと確認しなかった俺が悪い。


「マロン!申し訳ないことをした。許してくれ。」


ベッドの上で俺は土下座をした。


「そんな、やめてください。別に嫌ではなかったのですが…」


そこでマロンの言葉が息詰まる。この先に何か言えないことでもあるのだろうか?


「いえ。何もございません!もう朝食はできていらっしゃると思いますので下で待っておきます。」


そう言って早々とこの部屋から去って行った。


「ずいぶんと仲がよろしいようですね。」


俺の部屋とフィオナの部屋を繋ぐドアから今度は本物のフィオナが出てきた。

しかも制服を着た状態で何かに嫉妬をしているように見える。


「やはり、兄さんはあの獣人族のようなお耳の方がお好きですか?それともあのような発育の良いお方がお好きですか?」


いや、確かにフィオナと比べたら発育の面では勝てない。なにせ6年差だ。でも、マロンはそんなに大きくはないと思う。表面上の普段着ている服を見てもEかFくらいだ。


「何を言っているんだい、フィオナさん。俺はフィオナが1番好きに決まってるじゃないか。マロンは、あくまで側近だよ。別に見惚れていたとかそういうわけではないよ。」


そう言ったら、


「そうですか。早く着替えたらどうですか?学校間に合いませんよ。」


俺はそう言われて部屋の中にかけられた時計を見る。7時30分だった。どうにかフィオナの機嫌を取れてよかった。俺は急いでベッドから飛び起きて身支度を済ませて足早に朝食を完食する。




結果的に学校ついたのが、8時19分だった。あと1分遅かったら遅れがつくからな。

俺が急いで席に座る様みて前の席のアルバートは苦笑いをしながら


「特待生なのに2日目からもう遅刻寸前じゃないか。大丈夫か?」


と聞いてきた。確かにヤバかった。今回は皆勤賞をガチで狙いに行くからな。


「アハハハハ。もう少し遅かったら遅れがついていたよ。明日はもう少し早く起きようかな。」


笑いながらアルバートに言った。フィオナは、ローズとジェイミーと話している。やっぱり女子は男子から見て何を考えているかわからないものだからな。無理に会話に入らない方がいいだろう。

セツシート大学の1年生は、午前が勉強午後が魔法とかを学ぶらしい。

まず1時間目は社会だそうだ。

社会は前世でも全く解けなかった教科の1つだ。

まず国名とかカタカナの羅列を覚えること自体が苦手だったからな。


「はい。ではまずこの世界で起きた大きな出来事について今日大まかに話して明日から細かく説明します。」


この学校にも教科担任制はあって社会は、ヴィオラ先生だった。


先生は前のボードに魔法で文字を書いていく。

それを俺たち生徒は聞きながらノートにボードの内容をメモしていく。

この社会に関しては問題集しか配られてないから身軽でいい授業だ。


「——最後は、1574年。神の襲来。一夜にして神々の怒りに触れてしまった私たち人間は、ホッ・カイドウ州を住民もろとも消されてしまった。『次は、お前のいる場所だ』と、言って天界に帰って行ったこの出来事。誰もが聞いたことがあるでしょう。この3つの出来事を世界三大事件と言います。」


また物騒な話だ。

俺が相手にしようとしてる相手がそんなに強いんなら俺一瞬で消し飛ばされそうだ。

どう考えても日本の人が考えたような都市名なんだよな。


社会、国語、算数と午前の授業が終わり食堂にフィオナとローズとジェイミーあとアルバートと一緒に食事へ向かった。


「ねえねえ、グレイくんは期末試験自信あるの?」


ローズは何に対しても積極的に近寄ってくる。実際今もぐいっと顔を近づけて俺に言ってきた。


「そんなかしこまらずにグレイでいいよ。期末試験は、まあ社会以外は大丈夫だと思うよ。」


社会以外は前世に教わった内容ばかりだった。


「グレイさん。あの、先にどうぞ。」


ジェイミーが、食券の順番を譲ってくれた。ここの食堂は、受験中はメニューは選べなかったが今はなんとメニューが30品をこえていた。ここは、飲食店よりもメニューが多いかもな。

ローズやジェイミー、アルバートたちは、食券はその場で買えるが年度末の総決算で利用した額が請求される仕組みである。

ここの食堂は安すぎると言ってもいいほど安い。




さて、昼からは魔法の勉強や実技になるのだがまさかの先生が校長で俺とフィオナの実力を知っている校長は、


「君たちは授業なんて受けなくても十分強いから、参加してもしなくてもいいよ。」


と言われた。そんなこと言われてもなあ。


「具体的には今学期何をするおつもりですか?」


その返答によっては俺が授業を受けるか受けないかが決まってくる。


「今学期では、全員がレベル5までの魔法を使えるようになり、魔法という原理とかそういうことを勉強するつもりでいますよ。」


別に受けなくてもいい。

その言葉の意味がやっとわかった。

それは俺たちからしたら簡単すぎる範囲だからだ。

この学校の魔法科に入るのにある程度の魔法は使えるんだろうが原理まで知っているものは少ないだろう。

でもその原理をわかってないと高いレベルの魔法は操れない。


「そうですか。その範囲ならばもうわかっていますので、この授業は見学したり…」


「では、授業には参加せず私たちは図書館や教室で魔法について詳しく調べていますね。」


おれが言ってる途中だったのに無理やり言葉を遮り勝手にこれからの方針を決めてしまうフィオナ。

そんなフィオナの言葉を聞いて校長が俺たちに向かって話しかけて来た。


「そうですか。まあ、答えはわかっていたんですがね。1つお願いしたいことがあるのですが、いいですかね。」


お願いか。ミカエルさんみたいに神殺しじゃなかったらいいんだけどな。


「別にいいですけど生活に支障が出ない程度によろしくお願いします。」


生活に支障が出たら困るのは俺たちだからな。


「今学期の期末試験は模擬戦形式で行おうと思いまして、流石に私1人だと1日で終わらないのでグレイさんとフィオナさんの実力を見込んで1対1の戦いにおいてその相手側をお願いしたいのですがいいですか?」


別に構わないけどさ。ついに俺も飛び級しまくって教師側に立ってしまったか。やばいな。


「それだけですか。」


「はい。それだけです。」


「フィオナ。それくらいならいいよな。」


「はい。別に他の生徒は私たちに勝てるわけがありませんのでね。」


それは失礼じゃないのかと思いながら俺たちは、校長のお願いを受けた。

それからは特にすることもないので図書館に行って魔法に関する資料を読み漁った。

ちなみにヴィオラ先生のお薦めしていたフェイトフル・ホーナーはなかった。

やがてチャイムが鳴りみんな教室に帰るのが見えたので俺たちも図書館から出て教室に向かった。

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