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第13話 セツシート大学入学準備

ここが学校であろうと朝するとこは変わらない。

顔を洗い目を覚ますことだ。

こうしないと体が落ち着かない。

それから俺は、食堂にて朝ご飯を食べた。

この日は健康的に良いものを厳選し、卵のだし巻き、味噌汁、ご飯、納豆、キャベツの千切りとドレッシング、小魚の煮付けだった。

健康的な食事すぎて体に何か異常が起きないかどうか不安になる。


さて、俺は30分ほどで朝食を食べ終わり講堂についた。

講堂にはパイプ椅子がずらりと並べられており、前から3列目くらいのところに座っていたら右隣に少女が座って来た。

それが、フィオナだ。

やがて、壇上に校長が上がって来た。


「みなさん、おはようございます。昨日までの実技試験お疲れ様です。早速ですが、みなさまの合否結果をお知らせしたいと思います。」


校長のそのひと声で講堂がざわつき始める。

すると、校長が立っている場所の少し後ろから、スクリーンのようなものが上からゆっくり下がってきた。


「ここに映し出された番号の人が合格です。」


そう言ってスクリーン一面に数字の羅列が並んだ。もちろんのことだが、俺とフィオナの番号はしっかりと書いてあった。当たり前だ。


「残念ながらご自分の番号がなかった方は、この集会が終わったら外に馬車が待っておりますのでその馬車にお乗りください。ぜひ来年もお待ちしております。では、この集会を終わります。合格者の方はこれから書類の手続きがあります。保護者のサインも必要になるので外でお待ちしている馬車に乗って一回家にお戻りください。特待生の方は、この後制服の採寸がございますので、本棟2階の大フロアにお集まりください。」


そういってこの集会が終わった。

帰る人たちを見てみると嬉しさで泣くもの、悲しさで泣くもの、おそらく友人同士で合格をたたえあうものもいた。

でも、俺とフィオナはもう合格していることを知らされているので特に何も思わず、大フロアに向かった。

そこで学生服を作るだろうと思われる業者の人が立っていた。

この学校の制服は、男子は黒い学生服ズボンに白いシャツ。

その上から赤いネクタイ。

その上にスーツのような黒い上着が冬服。

夏は、白いシャツを半袖にしただけ。

女子は、スラックスかスカートを選べる。

どちらも黒色をしている。

上は、男子と同じ白いシャツに赤いリボン、男子と同じようなスーツだ。

夏服は、男子と同じ半袖の白いシャツ。いかにも簡易的だ。

俺は、腹回りと腰回りと肩幅。

あとは、上のスーツのようなものを上から着て終わりだった。

5分くらいで終わった。

一方フィオナはというと、ぶつぶつ業者に文句を言っていた。


「なんでですか!私はスカートを短くしたいんです!お願いです。スカートを膝上15センチいや、10センチにしてください!」


男である俺には意味がわからなかったが、女子はなぜかどうしてもスカートを短くしたがるんだよなぁ。

それでフィオナはぶつぶつ言って業者を困らせていると、これは迷惑客だな。


「すみません。私たちも学生様のお声に耳を傾けたいのですが、学校側は絶対にスカートを膝上以上にするのは禁止と言われており、私たちも何度か抗議したのですが全く聞き入れられず…」


それなら諦めなきゃいけないだろ。


「なら、少し待っててください。私が学校側に話をつけに行きます。」


それはもっとだめだろおおおお。そう思っていた大フロアの扉が開いて校長が入ってきた。


「パドリウス校長!なんでスカートが膝上以上にするのは禁止なのですか!」


少し強い口調で聞きに行った。校長は笑いかけて、優しい口調で


「フィオナさんは、スカートを短くしたいんですか?それなら今年からスカートを短くすることが許可が出ましてね。生徒会が教師会のことを頑張って5年間の時を経て論破したようで、今年から10センチまでなら許可されたんですよ。業者の方々に言うのを忘れて来たのですが、言うのが遅く迷惑をかけてしまいました。すみませんでした。」


そう言って校長は、業者に謝った。


「いえいえ。そんな。私たちが直接聞きに行かなかったこちらに落ち度があります。こちらこそ、生徒様も申し訳ございませんでした。」


そう言って制服の一件は幕を閉じた。


「すみません。グレイさんとフィオナさん。このリストに書いてあるものが入学までにお買いしていてもらいたいのですが、よろしくお願いします。」


そう言って校長は大フロアから出ていった。もう俺はお金がないので両親の元に久しぶりに帰ろうかな。


「フィオナ。今から家に帰ってお金を貰ってこようか。」


そう言って家にあらかじめ特定の魔力を出す魔石を探して瞬間移動する。家に帰ってまずヘレナさんが俺たちに気づいた。


「グレイ様にフィオナ様!どうやって帰ってきたのですか?」


ヘレナさんがドタバタしているとアーシャが階段から降りてきて、


「きゃあああぁぁぁぁ!」


と叫んだ。まあ急に連絡なしに家に帰ってきたらびっくりするだろう。すると、ナックルが家のドアを勢いよく開けて


「大丈夫かぁぁぁぁ!」


と飛び込んできた。このあと俺とフィオナで両親とヘレナさんを説得し、


「そうかぁ、ついにやったんだな。おめでとう。」


と言ってナックルは俺たちを抱きしめた。

アーシャは、顔を手で隠して泣いている。それをヘレナさんが背中を撫でて慰めている。


「それですぐに行っちゃうのか?」


と聞いてきたので、


「リストにあるものを買ってきたらしばらくはここにいるつもりです。」


と言い、一回両親と別れてセツシートに戻った。

セツシートの市街地両親にもらったお金でフィオナと一緒に入学に必要なものを買って行った。

必要なものは、ノートにペンなど学校生活に必要なものから、パスケースとかあんまり必要なさそうなものまで30品目くらいあった。

俺なら多分顔パスで行けるんだけどな。

フィオナと共に両手を荷物を抱えながら瞬間移動を使って家に帰る。

家に帰ったらナックルもアーシャもヘレナさんも、待っており、


「グレイ、フィオナ、セツシート大学特待生おめでとう!」


と言われた。両手に持った荷物を一瞬で自分の部屋に転送させてテーブルにある豪華な料理を見てテーブルにつく。やっぱり、ヘレナさんが作るご飯が一番美味しいなぁ。

そう思ってこの日は終わった。

次の日からは、フィオナに俺と同じくらい強くなれるように訓練をしたり、瞬間移動をもっと遠くでも使えるようにした。





時が立ち2月の下旬くらいに学生服が届いた。業者もセツシートから1週間のとこまで来るなんて大変だねぇ。

でも、業者側が


「特待生様の制服は自分たちが責任をとってお届けいたします。」


っていたからな。かなり疲れた顔でどうぞ楽しい学校生活をと言って学生服が入った箱を渡してきた。

中にはこんな紙が入っていた。


4月10日セツシート大学の講堂に制服の冬服を着て8時20分までに集合してください。


と言う紙ともう一枚。


この箱の中に入っている金色のピンバッジは、特待生の証です。

それぞれ夏服2枚冬服のシャツ2枚には、右上のポケットの上につけてください。

冬服にも同じようにつけてください。

このピンバッジは、他の受験生は銀色になります。大変貴重で名誉なことなので絶対につけてくること。


って書いてあったから、10分間試行錯誤してピンバッジをつけた。

昔からこう言う細かいことをするのは苦手すぎて時間がかかった。

フィオナは、7分前に終わっていた。

俺もそれくらい手先が器用になりたいな。

でも、そんなことを今更おしんでも仕方がない。

最近俺は、別空間を作ろうとしている。

用途は、物置倉庫みたいな感じだ。

高校の時を思い出してみると教室の移動とかがやっぱり一番面倒だった。

理由は、教科ごとにものを持たないといけなかったからだ。

あの荷物を持って学校内を歩き回るのは流石に疲れてしまうからな。それが昨日やっとできた。

原理は、まず俺の魔力の周波でのみ開く鍵があることを応用してまず扉を作り、その扉の中に魔法で作った空間、魔法空間マジックスペースを縮小魔法を使い常に俺の腕に貼り付けておく。

最後に、透明にするだけで完成した。

使う時は腕から離して扉を開けるだけ。

でも、これだけで普通なら立っているのが精一杯、歩けたらいい方になる。

俺は常に魔力を身体に入れて回復させているので、関係ない。

これを作るのに1ヶ月かかったと思うと自分の集中力にびっくりする。


次の日にこれをフィオナに教えて10日で習得できた。

技術とかいろいろとフィオナの方が上だな。夜に行われる行為以外はな。


そんなことをしているうちに4月10日になった。

俺はいつも通りフィオナを起こす。今日は、7時に起きた。

いつもより少し早いけど、入学式だぞ。遅れないようにしないとな。

そして、朝食を食べて制服を着る。

俺は、前世に中学高校と1年200回以上来ていたからスッと着れたが、フィオナは苦戦しているようだった。

なんでもスカートが短すぎて座ったらパンツが見えそうとか言って俺に文句を言ってきた。

俺に言われてもな。自分からその長さを指定したんだから知らんがな。

仕方ないから、制服の中にスカートの中がめくらない限り見えないようにしたら?

と言ったら、どうやれいいんですか!と怒られた。

そんな態度で言われてもな、と思ったが一応前世女子がやっていたことを教えてやった。

中に黒い短いタイツ?みたいなのを履いてた。と言った。

そしたらフィオナは、そんなのを履くくらいなら何もいらないです!とか言ってきた。どっちなんだか女子は全くわからんな。



「父様、母様、ヘレナさん、では行ってきます。」


そう言って俺とフィオナは、魔法空間にリストのものを全部入れて瞬間移動で、セツシート大学の近くの人通りが少ない道に出た。

校門の前に行ったら驚かれるからな。

この魔法はまだ校長にも言ってない。両親とヘレナさんだけだ。

俺とフィオナは、一緒に歩いて8時ごろにセツシート大学に着いた。

行きは気づかなかったが、セツシート大学は街の少し高いところに位置する。

その周りにも小さな集落が存在している。

俺とフィオナは、校門の前についた。

整備された道、その先にある美しい芝生、周りには桜?のような花が咲いており、その奥に大きな時計台がある。

今から俺とフィオナは、この学校で12年間それ以上になるかもしれないけど、それくらい過ごすんだ。

もう前世とは違う。

俺は、勇気を出して校門の前を歩き学校に入っていった。もちろん、フィオナもいっしょに。

第一章 幼少期編-完-

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