第131話 量、多すぎません?
「ご主人様、お呼びでしょうか?」
ミカエルの後ろにいた女神の一人はそう言った。
ご主人様というのはミカエルを慕っているということなのだろうか?
「私は少々時間が欲しいからその間相手をしておいてくれ」
「かしこまりました」
そう言うとミカエルは奥の方へと消えていってしまった。
「あの量の天使を相手するとなるとかなり時間がかかるな」
「でも、今戦えるのは私たちだけよ」
天使はミカエルほどではないが大量の魔法を作り出した。
「数が集まれば強いってことかよ」
様々な属性で様々な魔法が俺たち目掛けて撃ち込まれた。
俺はすぐに魔力障壁を作り出して少しの間目白さんと相談する。
「どうしましょうか?」
「とりあえず、一体ずつ魔法を掻い潜って倒す以外なさそうね」
目白さんはそう言うと魔力障壁から出て天使たちの方へと飛んだ。
上手い事魔法を避けて天使の前までたどり着いた。
「ハアァ!」
剣で五連撃を空中で繰り出した目白さんは周りにいた天使三人ほどを地面に落とした。
天使は地面に落ちると動かなくなってしまいやがて光って散った。
「なるほどな」
俺も目白さんに続いて魔力障壁で体を守りつつ天使たちの近くまで行き魔法を撃った。
一気に五人ほどの天使を倒したがそれ以外はほとんど無傷だった。
「ならもう一発だっ!」
ドンっ!と音がして俺の目の前にいた天使はほとんど消えた。
が、魔法を撃っているときは魔法障壁が発動できないので背中はがら空きであった。
そこを天使は狙って一斉に魔法を撃って来た。
「まっ……」
「やっぱり個人で戦うよりもこっちの方が良いのかしらね」
俺の背中に目白さんはピッタリとくっついた。
天使はいくら魔法を撃っても効かない事を悟ったのか一斉に突っ込んできた。
「獄氷球」
パキンと俺の方へ突っ込んできた天使はほとんど全員が固まった。
目白さんの方もほとんど天使を片付けていた。
「これで大体終わりかしらね」
「いや、まだです」
ドンとすごいスピードで魔法が撃ち込まれた。
「また天使?」
確かにそこに現れたのは先ほどと同じくらいの数の天使だった。
だが、特筆すべきは天使の量ではなく魔法だ。
先ほどの天使は魔法障壁で守れるほどの魔法を撃っていたが今回の天使はおそらく無理だろう。
目白さんが天使たちの方へ剣を振り下ろすが途中でその剣は止まった。
「っな!?」
防御結界で目白さんの剣を防いでいるのだ。
目白さんは結界に弾かれて空中に放り出された時、天使たちは一斉に魔法を撃ち込んだ。
「あれはまずいわね」
「一人一人倒して行きますか?」
目白さんはコクリと頷いて再び天使の方へと飛んだ。
俺もそれに続いて目白さんの方へと飛んだ。
天使は目白さんの剣を防いでいる時は魔法を撃っていなかった。
おそらく結界に魔力を全て注いでいるのだろう。
「獄火球」
目白さんの剣を防いでいた天使はドサっと地面に倒れたがそれ以外は結界で身を守っていた。
するとすぐに俺たちへ向かって大量の魔法を撃って来た。
魔力障壁を作るがすぐに音を立てて割れてしまった。
俺は天使から撃たれた魔法に対して魔力で対抗した。
「どんだけ強いんだよ!」
その攻撃はとても重いもので受けるのが精一杯であった。
とりあえずは俺の方へ撃って来た魔法は防いだ。
目白さんも魔力で剣を作り防いだのだろう。
俺も目白さんも息が切れて来て体は限界が迎えそうになっていた。
「マズっ!」
そう疲れているからか後ろの天使が魔法を撃って来ていることに全く気づかなかった。
目白さんも俺の方へ走ってこようとしているがおそらく間に合わないだろう。
そんな時、声が聞こえて魔法が跳ね返された。
「大丈夫ですか!?」