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第124話 何でそれを?


「グレイは!?」

「まだ起きません。今起きました!」


俺は目を覚ますなりそんな声が聞こえてきた。

起き上がるとそこには大きな何かと戦っている目白さんとノアの姿があった。


「グレイ!私が攻撃したら指示する場所に攻撃して」


事情も何も分からないまま目白さんそうに言われた。

目白さんは溜めを作って真っ二つに殻を切った。


「その斬った場所に思い切り魔法を撃って。最大火力よ。容赦はいらないわ!」


言い方からするにかなり切羽詰まった状況なのだろう。


「分かりました。水素爆発球ハイドロジェンボール!」


少し威力は衰えているかのように思えたが目の前にいる昆虫のようなものは倒れた。


「これはどういう事なんです?」

「過去の記憶よ。記憶を見せられてその内にさっきのやつが殺すの。あそこの人も同じだと思う」

「どうやってあの記憶から抜けたんです?」

「海斗と愛莉に教えてもらったのよ」

「それなら俺も教えてもらったけど?」


俺も確かに海斗と愛莉に話しかけられたが特に何も起きなかったぞ。


「グレイはちょっと遅くなったんだよ」

「でも、結果的に良かったからいいんじゃないの?」

「そうですね」


そう話してくる海斗と愛莉の言葉にマロンが反応した。


「あれ、マロン見えてるのか?」

「そうよ。私が記憶の干渉をしたから見えるのよ」


そうか。

ならこれで神と戦う時に知識や指示はしっかりと通るわけだ。


「まあ、時間もないし歩きながら話すわ」


そう言うと先ほどまでにはなかった上へ続く階段を登り出した。


「あそこは記憶がどんどん侵食されて自分の理想に書き換えられていっていたの」


愛莉は階段を歩きながら話し始めた。


「それで記憶に干渉するのが一番遅かったグレイはここでの記憶が全部侵食されてたの」

「じゃああれは?」

「グレイの記憶をコピーを入れ直していたのよ。失敗すると大変なことになるけど」


大変なこととはどういう事なんだろうか


「だから目白さんを呼んだの。記憶と密接な関係にあるから」

「愛莉ってすごいんだな」

「そうでしょー!」


愛莉は可愛くて何がとは言わないが大きい。

以前の俺ならばすぐに惚れてたかもしれない。

しかも、人の記憶に干渉出来るというのが一番の強みだろう。

まずこの世界で記憶に干渉出来る人なんていないのだから。


「それで何でキ……」

「グレイ。その先を言ったら刺すわよ」


何でキスしたのか聞こうとしただけなのに何故怒られるのかわからない。

しかも、そう言われている後ろで海斗と愛莉がクスクス笑っているのも気になる。

海斗と愛莉は何故か知っているのだろうか。


「そう言えば目白さんトラックが爆発して死んだって言ってましたけどあのトラック僕を殺してたんですね」

「それは申し訳なかったと思ってるわ」


まさかあの時のトラックが目白さんだったなんて偶然あるとは思っても見なかった。


「あれがなかったらこの世界に来れなかったわけですし感謝してますよ」

「そう……ならよかった……?」


よかったかどうか分からないんだろうが少なくとも俺は良かったと思う。

以前のような生活は俺にとっては地獄そのものだったからそれから解放してくれるだけでとても感謝している。


「この螺旋階段、どこまで続いてるんだよ……」


色々と話しながら歩いているがかれこれ十分くらいずっと登り続けている。


「やっと着いた」


そんな時にやっとこさ上に着いた。


「ここってどこらへん何だ?」

「多分最上階だ」

「っ!?最上階!?もうそんな所に来たのか?」


最上階というと神がいる所だろう。

そんな簡単に辿り着いてしまっていいのだろうか。


「この先には大きな反応があるから多分そうだろう」

「やっと、ミカエルに会えるなー。何百年ぶりだろう?」

「愛莉、ミカエルは僕たちが知っているあれよりももっと強く複雑な魔法を使ってくる」

「準備は出来た?全員で生きて帰るわよ」


目白さんにそう聞かれて俺は大きく返事をした。

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