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第122話 何でそうなるんですか?


「まずいな……」


街の人々は起きたら急に何かに覆われていたことで混乱していた。


「皆さん!現在状況を確認中ですのでセツシート大学へお集まりください!」


そんな中で案内の声が響いた。

声を出しているのはセツシート大学校長だった。

理事長が不在の今、最高責任者は校長となっている。

その校長が街で人々を案内していた。


「グレイ。とりあえず校長の元へ行くわよ」


目白さんに言われて後をついて行った。


「あぁ、グレイさんにメジロさんにマロンさんとノアさんじゃないですか。どうしたんですか?あなた達も早く逃げてください」


やはり校長に海斗と愛莉の姿は見えていないのだろうか。

校長は俺たち四人の名前しか呼ばなかったから恐らくそう言うことなのだろう。


「校長。塔の中への侵入許可を下さい」

「何を……あの塔に入るのは……」

「この騒動を抑えるには塔の中への行かないと行けないんです」

「例えこの騒動を抑えるためだとしてもそれは許可できません」


校長はそうキッパリ言い切った。


「校長。このままでは神がまた降りてきます。もうあんな被害は出させたくありません。だからお願いします」


目白さんが頭を下げると全員が頭を下げて校長に頼んだ。

流石の校長もこれには無理とは言えなかったのだろう。


「分かり、ました……でも、必ず全員で戻ってきてください」


校長は決断を迷っているかのように見えたがそう言ってくれた。


「ありがとうございます」


そう短く俺は礼をして大学に向かって行く人々とは逆方向に走った。


「親切なことだな」

「何がだ?」

「あれだよ」


天空の聖堂(ドン・ルナティック)はセツシートのちょうど真ん中あたりに位置していた。

だが、ここはもうその聖堂の中にいる。

そんな中で大学とは反対側に上へと続く階段がたった一つ伸びていた。

それを指差しながら海斗は言った。


「さっきの校長で気になったんだけど、海斗と愛莉ってマロンたちに見えてるのか?」

「私たちの姿は記憶を共有した人だけが見ることができるの。だから、今は君と目白さんしか見えていないんだよ」

「ようやく着いたわ」

「じゃあ、行きましょうか」


その上へと続いていた階段に登ろうと足を踏み入れた瞬間のことだった。

バギバキバキッ!と嫌な音を立てながら階段が崩れ落ちたのだ。


「まずい!!!みんな急いで」


俺はマロンやノア達を先に行かせた。

それに続いて急いで崩れ落ちて行く階段を登って行った。

そして、俺以外の人は上の空間にたどり着いていた。

俺も上に行けると思った瞬間、階段は何故か上からも崩れ出した。


「クソ!届けッッッ!!!」


俺は上と下から崩れ落ちて宙に浮いた階段を蹴り手を伸ばした。

しかし、後一歩のところで届かなかった。


「グッ……」


落ちると思った瞬間、俺の伸ばした手を三人が引っ張ってくれた。


「ありがとう、ございます……」

「いいのよ、あなたがいないと神は倒せないし」


目白さんにそう言われながら俺は辺りを見回した。

そこは決して大きくはないが小さいとも言えない空間であった。

奥には大きな扉があり入ってくれと言わんばかりな扉だった。


「あの扉は……?」

「大丈夫だ。中からは反応はない」

「なら行きましょう」


海斗にそう言われて俺が先頭で扉を開けた。


「マジかよ………」

「うそ……」


その場にいた人全員が扉を開けた先にあるものを見て驚愕した。

そこには血の気のない人の死体が無造作に転がっていた。


「これって、以前間違えて入って行った人っことなの……?」


倒れている人を調べていた目白さんが言った。


「どう言うこと?」

「どうかしたんですか?」


愛莉が辺りを見回しながら考えていた。


「ここにはそこの人の記憶があるの……」


記憶があるという事はここで何かがあったと言うことなのだろうか。

何か無いかどうか探そうと歩いた瞬間、急に目の前が暗転した。


「っ!?みんな!聞こえたら返事をしてくれ!」


そう叫ぶが誰からも返事はなかった。

少し歩いて見回してみるがどこまでも平坦で真っ暗なだけ。

だが、前に歩いているとそこに白い光が現れた。


「ここは……学校なのか………?」


気づいた時には服装も制服に戻っていた。

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