第116話 研究施設
「おい、あんた大丈夫か?」
肩を揺らされ私は目を覚ました。
目を覚ました時、ジュリアンが目の前に立っていた。
「私…落ちたのに無傷なの?」
「運良くふかふかの土の上に落ちたみたいだぜ。見てみろよ」
ジュリアンにそう言われ私は起き上がり辺りを見回してみた。
オレンジ色の花が咲き誇るとは庭園のような場所になっていた。
「ここは…どこなの……?」
「さあな。でもあそこに行けば何か分かるはずだ」
庭園の奥には扉がありそこに向かってジュリアンは歩き出していた。
私も置いていかれぬようにジュリアンについて行った。
「何かの研究施設なのか?」
扉を開けて中に入ってみると何かの研究施設のようになっていた。
「さっきの花もある」
オレンジ色の花はカプセルのようなものの中に入れられていた。
あの花も何かの研究に使われていたのだろうか。
「ていうか、何でこんな地下に研究所があるんだ?」
ジュリアンが次の部屋に向かおうと扉に手をかけ、扉を開けた瞬間前に化け物が立っていた。
「ジュリアン、伏せて!」
ジュリアンはすぐにしゃがんだ。
化け物の頭に銃を向けて発砲し化け物は血を流し地面に倒れた。
「助かった。ありがとな。エマ」
「礼儀はあるのね」
先に歩いていったジュリアンの後を追いながら私はそう呟いた。
そうこうして歩いている内に私たちはある部屋に辿り着いた。
「何だよ、これ……」
手を振るわせながらジュリアンは指差した。
先ほどもあったカプセルの中には人が入っていた。
否、人というよりかは化け物と言った方が正しいのだろうか。
そのカプセルが何十個も何百個も置いてあった。
「ここで作っているっていうの?化け物たちの元凶はここなの……?」
「そうか。ならここで別れよう。俺はあっち、エマはそっちから見よう」
「何で別れる必要があるの」
「この施設は化け物を作ってるんだろ?だったら俺たちの手でここを終わらせようぜ」
その案は非常に画期的でいい案だと思ったがそれには危険すぎる。
先ほどのようにジュリアンは調子に乗るところが多々ある。
この世界は弱い人ほど生き残り、強い人ほど死んでいく。
ジュリアンは確かに強い。
だからこそジュリアンを一人にしておくのは非常に危ない。
「分かったわ。でも自分ではどうしようもなくなったら叫んで。私が行くわ」
「おう、分かった」
「それと帰る時は必ず一緒よ」
私がそう言うとジュリアンは小さく頷いて走っていった。
「じゃあ、私も負けないように頑張らないと」
ジュリアンが行った方向とは逆の扉を開けて奥に進んだ。
入って瞬間、聞こえてきたのは威嚇の声だった。
「グルルル……」
「ガウッガウッ……」
そう言った声が聞こえてきた。
全員檻の中に入れられているのに殺されると思い身構えた自分がいた。
「あんた達も実験に参加させられてたの?」
そう判断したのは檻がところどころ空いていたからだ。
それにこんな施設で猛獣を飼うなんてそれくらいしか理由が見つからない。
「助けてくれっ!アアアアァァ!!」
「ジュリアン!?」
「あれ?また止まったのか?」
「ここは普通に分けてるんだ。記憶の保存には限界があるからね」
横に座っていた愛莉は席を立ち水晶玉を交換していた。
「そろそろ何か分かったんじゃないかい?」
「そうだな。あのダンジョンとほとんど同じようなストーリーになってるな」
あのダンジョンもいうのは未来のセツシートに飛ばされた時の話である。
「そう。あのダンジョンはこの話まあ事実を元にして作ったんだ」
「どうしてだ?」
「それを聞くかのか。この話ももう終わるしその時に説明するよ」
「じゃあ、最後の流すよー」
愛莉がそういうと再び映像が流れ出した。