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第11話 実技試験⑤


朝はいつも早く目覚めてもいつもまだ寝たいと思うが、今日は目が覚めたらもう寝たいと思うことはない。

なにしろ今日はセイクバロンテンとついに戦うのだから。

昨日は、普通に肉を焼いて食べて今日の戦いが長引くかもしれないので干し肉を用意した。

それを自分のリュックの中に入れていつも通りいつまでも寝ているフィオナを起こす。


「おい、フィオナ。今日はセイクバロンテンと戦うんだから早く起きて調子を整えるぞ。」


昨日家に帰ったら家のリビングに、魔法陣と机の上に手紙が置いてあった。その内容はこうだ。



リストのもの各18個お集まりになりました。

受験生(グレイ・ジュリエット、フィオナ・ジュリエット)は、セイクバロンテンに挑む権利が与えられます。

この手紙の置いてある場所の近くにある魔法陣に入ると戦場に移動いたします。負けた場合、いままで集めたリストの各18個のものも返却されませんので、ご注意ください。

セイクバロンテンを倒した場合、実技試験は満点となり学校に戻るという形になります。その前に学校側から素晴らしい特典が授与されます。

ただし、セイクバロンテンは今まで戦った魔物の何より強いのでご注意ください。負けというのは、


・意識がなくなること


・出血量が多すぎること


・リタイアと表明した場合


となります。怪我した場合、負ければ完治した状態で元いた試験会場に戻ります。勝てばその場で怪我が治る魔法陣が発動します。

この魔法陣は、学校側しか発動できませんのでくれぐれも自分たちで発動させようなんてことを考えないでください。この場合も負け、と判断する場合があります。

挑むかはあなたたち次第です。頑張ってください。




セツシート大学




という感じだった。見るからにこっちが負けることを想定しているな。

満点とかそういうことを伝えるなんてな。

流石にこの文面を見たときはフィオナも、こちらをどれだけ弱く捉えているのでしょうかね?

と怒りながら言ってた。

今日に備えて昨日俺は、フィオナに瞬間移動を教えた。

まだ遠いところは無理だが半径500メートル以内は行けるようになった。

だから、もしもの場合は攻撃は避けれるぐらいはできるから少なくとも怪我などをして、出血しないし意識も失わないだろう。


「兄さん!今日は、何に対しても勝てる気がします!」


どこからそのやる気が出てくるのか教えて欲しいものだ。俺は今すごく緊張しているっていうのになあ。


「そういうことはあまり言わない方がいいと思うぞ。これから戦うセイクバロンテンは、俺も見たことがない。大きさも強さも未だかつて見たことない大きさかもしれない。だから、そういうことを言って自分を甘やかしたら負けるかもしれない。これは試験だ。いくら強いと思っても絶対はない。」


そう。これは試験だ。絶対に勝てるとも限らないし、負けるとも限らない。

だからこそみんな試験に備えていろいろなことをして来た。俺だってフィオナだってみんな。


「そうですね。兄さん。今すぐ朝ごはんを食べてあの魔法陣に入りましょう。」


「そうだな。フィオナの言う通りだ。」


俺は、そう言って学校から渡されたパンとマーガリンで朝食を済ませた。




朝ご飯を食べ終わり、服も下は黒のスーツのような姿。

上は、学生服のようなボタンで止めるシャツにした。

フィオナは、下がスカート。

短いのと長いのがあった。

ついでに俺と同じようなズボンも。

でも、フィオナはなぜか短いスカートを履いている。

戦闘に絶対向いてないのにな。

上は、俺と同じシャツだ。

なぜ俺たちがこんな服なのかと言うと、先ほどの手紙に次のページがあって、そのページに机付近に置いてある服に着替えてからセイクバロンテンと戦うように、と書いてあった。

なにしろ、入試の伝統らしい。

意味がわからんことがやはりのこの世界は多いな、と思いながら魔法陣に足を踏み入れる。


視界が白くなりやがて前が見えるようになって来た。

前には、大きな分厚い扉がある。

辺りは、石で掘られた通路に松明が置いてある。

扉の前には大きな石像がある。

フードを被り大きな剣をまっすぐに持っている。

あんなんと戦うわけないよなと思いながら、フィオナと一緒に扉を開ける。


「準備はいいな?ここからが本番だぞ。」


「はい。兄さん。わかっています。絶対勝ちましょうね。」


扉を開けた先は、青い空が広がっていた。その先に大きな円形の場が設けられている。

大きさは、半径300メートルくらいかな。


「どこにセイクバロンテンなんているんでしょうか?」


フィオナが俺に向かって聞いてくる。そんなこと言われてもわからないな。

ここにくるのが初めてなんだから。

そう思いながら、俺はその円形の場まで繋がる道を歩く。

やがて円形の場までたどり着く。すると真ん中にある魔法陣が作動した。

それと同時に周りに壁ができた。魔法障壁だろう。

おそらく下に降りて逃げられないようにするためだろう。

魔法陣が作動すると、そこから体長2.5メートルほどの全身が白い毛で覆われた魔物が出て来た。


「フィオナ!あれがセイクバロンテンだ。まずは、一緒にありったけの魔力を使って火魔法を撃つぞ。」


「わかりました。兄さん!容赦なく撃ち込みますよ。」


フィオナと俺が円形の場のそれぞれ反対側に移動して魔法を撃つ。


死炎球デスファイアーボール!」


セイクバロンテンを中心に青白い炎が一気に広がる。だが、思っていた通りそれだけでは、倒れない。少し肌が焦げているが全然大丈夫な様子だ。


「くっ!あれだけじゃダメか!が


そう思っていたらセイクバロンテンが、高速で俺に突進して来た。


「おわっ!」


思わず声が出てしまう。瞬間移動でフィオナの元にいく。

突進した場所の地面が割れて今にも崩れ落ちた。


「フィオナ。これは、あまり戦いを引き延ばしたらこの場が先に崩れ落ちて、ゲームオーバーになる。それはつまり負け、になる。」


でも死炎球が通じなかった。

どうする?あれより強力なのは流石にフィオナに負荷が大きすぎる。

どうすればいい?


「フィオナ。俺が今から作る防御壁の中に居るんだ。俺が使える現環境で一番強い魔法を撃つ!でも、この場が壊れる可能性が高いから、浮遊魔法をいつでも使えるようにしておいてくれ。」


この試験は、倒したら学校に移動すると言っていた。

つまり学校に移動するまでの間、ここで耐えればいいだけの話。

でも、この魔法は他の魔法が弱いけどレベル10はまだ使えないって言うか呪文がわからないから開発したものなんだよなぁ。

まあものは試しだ撃ってみるしかない。

こちらを向いてセイクバロンテンが俺を視認する。

俺は、指先に自分の魔力をありったけ集中させる。

その中に二つの壁を作る。

水を入れて一つの壁の方には−極をもう一つにも水を入れ+極を電気魔法で流す。

これで水素と酸素が、1体2で完成する。

あとは、あいつに当たると同時に壁が壊れるようにする。

これで水素爆発の完成だ。

こんなの家で撃ったら家じゃ収まらずそのあたり一帯が消えるからな。

今までできなかったけど、この場を壊すなとは手紙に書いていなかったはずだ。

セイクバロンテンがこっちに突っ込んで来ると同時に俺は、水素爆発球ハイドロジェンボールを撃った。

セイクバロンテンとに当たると同時に、あたり一面が赤くオレンジっぽく染まり高音で満ちた。

たちまち大きな煙が晴れてくる。

俺とフィオナは、撃った瞬間浮遊魔法を発動させていたから宙に浮いている。

当たり前だが地面は消えていてセイクバロンテンも消滅した。

するとまた辺りが白くなり気づいた時には、神殿のような場所にいた。

流石に、瞬時にあんなにたくさんのこと(魔力を溜めてその中に壁を作り、水を入れて電気魔法を発生させる。そのあとセイクバロンテンにぶつかるとともに、壁を破壊。酸素と水素の融合と共に防御壁を展開。それと同時に浮遊魔法を使う)をしたら疲れた。

俺とフィオナの前には、何かよくわからない箱があった。

何かなと思い箱を開けると2枚の紙が入っていた。

俺はその紙をフィオナにも渡し、紙を見た。


「兄さん!やりましたよ。あなたたちを今年のセツシート大学の特待生と認めます、ですって!」


そう言ってフィオナは、喜びながら俺を抱きしめる。

まあ正直あのセイクバロンテンは、あっけなかったな。

受験生用にしていたとはいえ、流石に俺の水素爆発には耐えれなかったようだし攻撃喰らってないしな、と思いながらフィオナと喜ぶ。


「ところで兄さん。最後のあの魔法私にも教えてください!」


あんなの練習しょうがないけどなと思いながら、


「セツシート大学の入学式が終わって時間が余ったらな。」


と言った。その紙を受け取った先に魔法陣があった。恐らくこれで学校に帰れるのだろう。


「じゃあ俺たちは、みんなより一足早く学校に戻ろうか。」


そう言って一緒に兄妹らしく魔法陣に飛び乗った。


ようやく長い3日という時間が終わり、実技試験は終わったのだ。

「面白かった!」


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