第114話 協力して下さい!
「じゃあ、また明日」
そうみんなに言って俺と目白さんは家に帰る途中に聞かれた。
「グレイは海斗?に何か言われたの」
「何ですか、いきなり」
「神のことで昨日、話しを聞いたの」
「僕も聞きましたよ。神がまた暴走するかも知れないからすぐに塔に行かないといけないっていう内容でしたよ」
「私も同じような内容だったわ。それで……グレイはどうするの?」
どうするとはどう言うことだろうか。
行くか行かないかという質問なら絶対に俺は行くと答えるだろう。
「少し考えるとは言いましたけど、行くつもりですよ」
「正気なの?生きては帰れないわよ」
目白さんの意見は最もだ。
あの塔に行くのは自殺行為に極めて近い。
「それでもフィオナやセツシートを守るためだったら俺は行きますよ」
「なるほどね。あなたの意見で私も意見が固まったわ。私も行くわ」
塔に入って神と戦いに行ってくれるのか。
それはかなり心強い。
「ありがとうございます」
「そんなの言わないで。フィオナやセツシートを救うためなのよ」
「そうですね」
塔には目白さんと二人で入ると言うのは流石に無理があるだろう。
帰ったらマロンとノアも誘おうか。
アルバート達は危険すぎるから誘う事はできないな。
後の人員は探せばすぐに見つかるだろう。
そうこうしている内に俺と目白さんは家に着いた。
「グレイ様、メジロ様。お帰りなさい」
ドアを開けると家で働いている人、十人ほどの人が出迎えた。
「マロンとノア。後で話があるから俺の部屋に来てくれないか?」
マロンとノアはぽかんとしていたがすぐに大きく頷きながら返事をした。
夕食を食べて風呂に入った後、俺と部屋の扉を叩く音がした。
俺が扉を開けると扉の前にはマロンとノアが立っていた。
「中へ入って」
そう言うと二人は中へと入った。
近くにあった椅子に座るように指示して俺は二人に話した。
「神はもう直ぐまた暴走をし始めるかも知れない」
「そんなっ……」
「またあんな事が……」
あの時の景色がフラッシュバックしたのかマロンとノアは口元を手で隠した。
「だから、神が暴走し出す前に塔へ行く。それで二人にも来て欲しいんだ。もちろん、二人には断る権利もあるから嫌なら断ればいい」
「私たちは常にお二方の傍でお守りします」
「はい。私たちが断ることなんてありません」
「ありがとう」
しばらく、二人と話した所で区切りがついたタイミングでノアが言った。
「もう遅いので私たちはこれで」
「また明日」
「はい。おやすみなさい」
扉を閉めて完全に気配が消えたのを確認すると目白さんが出てきた。
「やっぱりあの二人なら参加したわね」
「これで四人か。順調じゃないんですね」
「もう遅いし話は明日にしない?」
目白さんにそう言われてふと時計を見ると短針は二を刺していた。
「気づかない内にこんな時間に。そうですね。じゃあ、おやすみなさい」
「そうね。おやすみ」
そう言ってベッドに入り眠りに落ちた。
「面白かった!」
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