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第111話 全員集合


「何だよあれ……」

「今は全員の避難を優先して。」

「グレイは?」

「どうにかしてアレを止めて見せます。だから、早く理事長を連れて上へ!」


アルバートたちにそう言って俺は黒い怪物ライオンの方へ走っていった。


「グレイ!あれは何?」

「僕も分からないんです。でも、さっき海底都市にいた人たちの声が聞こえたんです。」

「てことは魔封石に記憶が残っているの?」


そんなことがあり得るはずがない。

魔封石は魔力を封印しそれを外部に出すだけなのだ。

そこに記憶が入っているなんてあり得ないはずだ。


「あいつッ、アルバートたちの逃げてる方に!」


そんなことを話していると黒い怪物は俺たちとは逆方向へと向かった。


「お前の相手はこっちだよッ!氷柱球アイシクルボール!!」

「グルルルルル…………」


体に魔法を当ててターゲットを変えるのには成功した。

だが、魔法を撃った場所には傷一つついてなかった。


「なっ……」

「あなたバカなの?相手の身体を構成してるのは魔封石よ。」


そうか。

魔封石は魔力を噴出する役割があると共に魔力を吸い取る役割もある。

だから俺の撃った魔法を吸収されて、傷一つついていなかったのだ。


「じゃあ、どうすればいいっ……!」

「見ておきなさい。」


俺に見えるか見えないのスピードで飛んでいった目白さんは腰に携える剣を抜いた。

トンっと軽く地面を蹴り身体を宙に浮かせ捻った。

そのまま、身体を捻りながら上から下に剣を体に突き刺した。


「グギャアアアアァァァァァァ!!!!」


黒い怪物は大きく叫びその場で大量の黒い液体を漏らしていた。


「魔法よりもこっちの方が効くのよ。」

「物理攻撃か。」


魔法空間マジックスペースから俺は闘技大会に使っていた剣を取り出した。


「やっぱりこれが一番使いやすいな。」

「うそっ、再生!?」


俺が剣を取り出していたら目白さんがそう言った。

身長が十メートルほどある黒い怪物の背中は先ほど目白さんに肉が見えるほど抉られたはずだ。

それなのに今では黒い怪物は何も無かったかのように佇んでいる。


「あいつを倒すんだったらあの魔封石を壊すしかないのか。」

「そうね。魔力の源を断つ必要があるわね。」

「ならやることは決まりましたね。」


息を合わせて俺と目白さんは二手に分かれて黒い怪物に回り込んだ。


「ハアッ!」


目白さんが先に黒い怪物に向けて剣を振り下ろした。


「ガアァッッ!」


そう短く叫ぶが黒い怪物は一秒も満たないうちに傷跡は無くなった。

黒い怪物は地面に降り立った目白さんの方を向いた。


「今よ!」

「わかってます。」


「相乗魔剣・純!」


目白さんから闘技大会前に習った剣技。

剣に魔力を乗せて耐久性能、威力を高めてそのまま斬る。

目白さんは魔力など不要だったが俺が剣で勝るには魔力を乗せるしか無かった。

そうしてできたのがこの相乗魔剣。

魔力を乗せて耐久性能が上がっているため魔法を剣に付与することも出来る。


「んなっ、!」


そんな純粋な魔力を乗せた渾身の一撃だったが。

魔封石に当たる寸前で俺の剣は止まった。


「危ない!」


地面に降り立った瞬間、目白さんにそう言われ横に走った。

ダダダダダダ!と地面に氷が刺さり出した。

魔法を撃っているのは黒い怪物だった。


「あいつってもしかして……」

「ええ。今ので予想が確信に変わったわ。海底都市にいる人の記憶、能力が合わさって出てきた物質ね。」


傷の再生はゲルメールを。

氷はメランダを。

魔力の吸い込みはマヨルダを。

そして、能力の大幅向上はウィリアムとクリストファーの研究を。

六人の能力が合わさってできたのがあの黒い怪物だった。


「だからって、何も思うことはないです。今日、今ここで海底都市にある因縁を終わらせる。」


俺はそう言って黒い怪物の正面に立った。

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