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第110話 赤い石?


「やっと開通しましたね。」

「まさかこんなに埋まってるとは思わなかったわ。」


瓦礫が思っているよりも重く全く動かず手間取っていたらもう日没寸前だった。


「早く帰りましょうか。」

「そうね。上に帰ってから明日全員で魔封石の元に行って調査をしましょうか。」


陽が落ちる前に俺たちはマヨルダ城の近くにある階段まで行き上へ上がった。


「遅かったな。」

「何かありましたか?」


上へ戻るとアルバートたちが俺に聞いてきた。


「実は魔封石って言うとても貴重な石がマヨルダ城の地下で見つかって。」

「簡単に言うと魔力を封印した石で永久に魔力を流し続けるのよ。」


目白さんがそう言う。

単純に考えてあの硬さの結界を作るには相当な魔力もいる。

海底都市はやはり思っているよりも文明が他よりも随分と進んでいる気がする。


「そんなものが何故地下に?」


今度は理事長が聞いてきた。

それに対して俺は答えた。


「海底都市の結界を維持しているんですよ。」

「ほう、あの硬さの結果を。となると世界最大級の魔封石になるやもしれませんね。」

「っ!?」


世界最大級!?

そんな大きなものがこんな所に埋まっていたのか?

しかも、何百年も前に作られた物だと言うのに。


「明日とりあえずその魔封石というのを見に行ってみましょう。」

「そうですね。」






「ではその魔封石のある場所に案内をしていただけますか?」

「こっちです。」


昨日、俺と目白さんが掘った穴の方へと理事長たちを案内した。


「こんな場所に…なんて美しい…」

「綺麗な石。」


地下について魔封石を見るなりみんな感銘を受けていた。


「これは歴史的遺産ですよ。やはり、海底都市は文明が我々より何倍も先を行っている。」

「魔封石って赤色にも光るの?」


ジェイミーが言った言葉にその場にいた全員が魔封石を見た。

魔封石は元々白く光っていたはずだ。

それなのに今は、真っ赤に光り輝いている。


「なんでこんな色に?」


目白さんがそう言った刹那、俺は後ろに吹き飛ばされた。

否、全員が吹き飛ばされたのだ。


「グッ……アッ………なんだっ……!?」


赤く光った魔封石からは黒い何かが出てきた。


「アァッッ、アァァァァ!」


——許さんぞ、俺はもうすぐマヨルダ様のものになるのに……

——俺を邪魔して何が楽しいんだ……

——あいつらさえいなければ、ウィリアムは……

——この姿にして下さったのにあいつらは絶対に許さん……

——私たちの悲願はもう直ぐ叶えられたと言うのに……


俺の頭に、ゲルメール、ウィリアム、クリストファー、メランダ、マヨルダの声が一気に流れた。

ハッと前を向くと魔封石から出た黒いものはライオンのようなものに変化していた。


「ガアアアアァァアァァ!!!」


四本足の先は鋭く尖り頭の先には赤く光る魔封石があった。

たてがみは燃え盛り尻尾は何本にも分かれている。

まさに百獣の王の名に相応しい姿をしていた。

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