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第10話 実技試験④



獅子オオカミとかを順調に倒していたら、10個くらい各素材を集めてフィオナに、


「そろそろ昼ごはんにしようかと言った。」


実際の時間も12時30分と、お昼時だった。

昼ごはんは、途中の川で釣った魚を塩焼きにしたものにしようと昨日から決めていた。

だから俺は、川に向かいフィオナと一緒に釣りをした。フィオナにこのことを伝えたときは、


「この川魚たちに昨日の恨みを返して見せます!」


と、すごくワクワクしている様子だった。

もう一度釣りができて嬉しいんだろうな、と俺は思いながら30分ほど釣りをしてフィオナと俺共に二匹ずつ魚を釣った。

そのあとは、釣った魚を昨日余った塩を揉み込み、アルミホイルみたいな金属に似たやつに包んで、俺が用意して形を組んでおいた焚き火の中に入れて待つ。

その間にフィオナにこれからの予定を話す。


「あと全部大体8個かなぁ。」


そう言ってみたが、実際は、集まるかどうかわからない。

最初は、上手いこといったのだが、この2時間ほど何も出会えていない。受験生にもだ。

おそらくだが、他の受験生も俺たちと同じように獅子オオカミとかのリストに載っているものを取っているのだろう。

そのおかげで、俺たちが探しても、もうみんなほぼ狩り尽くされてしまってもういないと言うわけだ。

まあでも流石にいないと言うわけではないだろう。

あと8個だ。いや、だが油断は禁物だ。


「ん!兄さん!」


まだ幼い小さい手でフィオナが俺の服の裾を引っ張って俺に語りかけていた。


「兄さん!聞いたますか?塩焼きできましたよ!」


そう言って家から持って来た小さい小皿に川魚の塩焼きが2尾載っていた。

ずっと俺に言っていたのだろうか?だとすれば、非常に申し訳ない。


「どれくらい読んでたか?気づかなくてすまない。」


俺は、フィオナに対して謝った。

けどフィオナは、怒りもせず俺に対して優しく微笑み


「いえ。兄さんは、また1人で考え事をしていたんでしょう。1人で悩まず私にも相談してください。私たち兄妹ですよ。」


相変わらず8歳と言う若さで素晴らしく頼りになるな。

そこまで言うのならば思い切ってフィオナに相談するのも一つの手かもな。

何せ俺たちは、兄妹だからな。


「じゃあ、遠慮なく聞きたいんだが、セイクバロンテンに挑むための権利っていうのは、リストの1ポイントから10ポイントのもの各18個だろ?でも、多くの受験者が獅子オオカミを狙っているんだ。だから、どうしても獅子オオカミの数が減ってしまった。実際ここ2時間獅子オオカミとかの魔物自体に出会ってないだろ。

あとリストのものは、獅子オオカミの各部位8個で少ないように見えて簡単に見えるが、実際にはその思っている難易度の10倍近くあると考えた方がいいんだ。それでずっと悩んでいてな。いい案なんかないか?」


そう言ったらフィオナも考え込んだが、何か案が思い浮かんだのか俺の目の前によってきた。


「兄さんが、ここに来るまでの馬車で教えてくれた薄くした魔力を周囲に出して周りに何かわかるようにできる、って兄さん言ってませんでしたか?」


あぁ、そんなことを言ったか。

でも、あれはまだ未完成でどうしても不備が出てしまう。

それに繊細な魔力の操作が必要になるから大変なんだよな。でもやって見ないとまだわからない。


「まだ未完成で時間がかかるかもしれないけどいいか?」


弱々しい言葉で自信なさげにフィオナに聞く。


「はい。その間私はもし周りに何か現れた場合に備えて、兄さんを何が何でも守って見せます!」


頼もしい言葉が聞こえたので問題ないだろう。

だから俺は、近くの石の上に立って両手を水平に広げ、魔力を薄く伸ばし周囲に魔力を広げる。

すると見えなかった森の中に獅子オオカミにような生物がたくさんいた。

だが俺はここで疑問を覚える。こんなにいるのになんで一回も出会わなかったのか。

その近くを見たら他の受験生もいた。だが獅子オオカミはそれを避けるように歩いている。

これは、相手の位置を知っていないとできない動きだ。

圧倒的におかしな動き方だ。

でも、この獅子オオカミの群れは何か変だ。直接行くしかない。


「フィオナとりあえずここで待っててくれ。」


そう言って俺はさっきの獅子オオカミを見逃さないように常に微細な魔力調整を行いながらオオカミの元へ向かう。

予想通り俺の方向を避けて逃げているように見える。

だが、関係ない。

圧倒的な魔力でこの一帯を焼き切ればいい。

この近くに他の受験生がいないことも確認済み。

だから俺は獅子オオカミの走る方向に思い切り雷光線ライジングレイズ を撃つ。

あたり一面が見えなくなるほど光あたりの木々が燃えていて黒く炭になったものもある。

その先に黒焦げになった獅子オオカミがいた。

その近くに寄っていくとその体の中に魔石が埋め込まれていた。黄色い手のひらに収まるサイズだ。

その魔石には、セツシート大学の校章が刻まれている。

でもなんで、魔物にセツシート大学の魔石が埋め込まれているのだろうか。

もしかするとこれで獅子オオカミの思考を大学側が操り、リスト18個という目標を達成させないようにしているのだろうか?

だとするとだいぶ学校側は腹黒いかもな。

でももしそれが本当ならば操っている人自体がこの近くにいるのか?

でもこの森を全域を調べてもそれらしい人はいなかった。

だとすると、外部から操っているのか?

でも、外部から操るとしたら50匹近くの魔物はそんなに遠くから操るなんてことは考え深い。


ということを考えるとこの試験会場の森自体がセツシート大学近くにある、ということが最も考えやすいことだ。

でもセツシート大学近くにそれらしいところはなかったな、と思い馬車の会話を思い出す。

確か縮小魔法を使ってあの馬車はあの大きさになると言っていてその先は言えないと言った。

もしかしたらその対象は人にもできるのか?

だとしたら、あの講堂の魔法陣自体が縮小魔法を出しかつ転移魔法になっていたということになる。

なら今までの全ての行動に見当がつく。

獅子オオカミというものには魔石が元から埋め込まれていた。

そしてこの学校の近くに縮小魔法をかけた森を作る。

それが最も考えやすい。今はこれで検討を固めよう。

試験が終わったら聞けばいい話だ。


それから俺は、フィオナのもとに戻り俺の考えを伝えると


「まぁ兄さんの言っていることなら今までの状況が説明がつきます。じゃあどうしましょうか。この一帯に雷を落としますか?」


「いや、それだと他の受験生に当たる可能性があるから面倒くさいけど追い込んで雷で麻痺させるしかないな。フィオナはここで待っててくれ。俺が必ずここに追い込むから。」


そう言って俺は4匹ほどいた獅子オオカミの群れの方へ走っていく。

先程と同じように俺から逃げて走っているがそっちはフィオナがいる。


「フィオナ!そっちに行ったぞ。」


そう言って俺はフィオナに獅子オオカミが言ったことを教えた。


「兄さん。私に任せてください。電気球サンダーボール !」


あたりが少し光り獅子オオカミがその場に倒れる。


「よし。じゃあフィオナ。この獅子オオカミの角と肉と皮と爪を取ろう。この調子でどんどん行こうか。」




ー16時ー




そう言ってフィオナと俺はリストのもの全てを18個集めることに成功した。

でも俺にはまだやるべきことがある。

それは、今日の夜ご飯だ。

明日はいよいよセイクバロンテンと戦うわけだ。

かの有名な将軍だって戦前には兵士全員に豪華な食事を食べさせ戦に見事に勝利していた。

だから今日の夜ご飯は、豪華な料理にしようと思っている。

そこでフィオナに意見を聞こうとする。


「なあフィオナ。明日はいよいよ試験最終日でセイクバロンテンと戦うわけだが、何か食べたいものはあるか?」


俺は笑いかけて後ろを歩くフィオナに聞く。フィオナは考え込まずすぐさま言った。


「昨日は魚料理を食べたので、今日は肉料理が食べたいです。」


うーん。肉料理か…いいんだけど材料がないんだよな。

野菜とかはあるけど、肉がないな。近くを魔力で美味しい肉を持つ魔物を探す。

近くにすごくいい奴がいた。

獅子オオカミの上位に君臨するエンスティアだ。体長は、2メートルくらいかな?


「フィオナ。この近くに良い獲物がいたからちょっと狩ってから家に帰らないか?」


エンスティアは、火魔法とか雷魔法とかで倒しても良いが品質を保持して良い状態で家に持って帰りたい。

なら、結界魔法を使うべきだ。

そのエンスティア自体を傷つけずその生命自体を奪いとる結界魔法だ。

聞いただけでは物騒だけど、本当に苦しむことない殺し方だ。

今までいた動物にも使いたかったがちょっと時間がかかるからな。仕方がない。


「今から前に近くにいるエンスティアをそのまま転送させてくるから、一緒に天召結界魔術エンジェルアリップ を使おう。今日の夜ご飯の肉だ。」


そうエンスティアは、かつて王族にも愛された高級食材だ。

でもその分確保がめちゃくちゃ難しい。

天召結界魔術が生まれるまでは。

エンスティアの前にそのまま瞬間移動しフィオナの前に転送させる。

そしてまたフィオナのもとに戻る。

この動作以外と使って見て分かったけど疲れたてきた。

結界魔法だけはは唱えないと発動しない。

事前にフィオナには結界を描いてもらったからある程度魔力の減りは抑えられる。

もし、結界を描かなかったら魔力の減りがすごいことになるからだ。

俺とフィオナは魔法陣に手を乗せて、


「天におります我が父よ。この目の前にいるものの魂を我が魔力と引き換えに天の御国に送らせたまえ。」


こういう結界魔法の呪文だけは、意味が全くわからない。

まあ古代魔術だから仕方ない。

すると結界が白く光り、エンスティアは叫ぶ暇もなく俺たちの前に倒れた。


「やったなフィオナ。これで夜ご飯も確保できたな。」


そう言って俺はエンスティアの近くにより家の中に転送させた。

そして俺とフィオナも、手を繋いで瞬間移動を発動させる。

さて今から夜ご飯を作っていかないとな。そう思って俺は、魔力を入れて瞬間移動した。


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