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第105話 誰のこえ?


「こんなに深くまで続いてるんですか?」


俺は階段を降りながら前を行く理事長に聞いた。


「そうですね。海底都市ってかなり海底深くに作られているようで。そう言っていたら見えてきましたよ。」


長く続いていた階段を降りだ場所は懐かしい場所だった。


「ここって……」

「マヨルダ城ですよ。ボロボロに崩れ落ちましたけど。」


どうやら階段はマヨルダ城の近辺に伸びていたようだった。


「階段を開通した場所が偶然こんな場所だったんです。知っておられる場所ですか?」

「ええ、まぁかなり思い出深い場所です。」


改めて周りを見回してみるとつい最近まで海に沈んでいたとは思えないほど海底都市は元のまま保たれていた。


「ではみなさん別れていただいて結構ですよ。ただし、夕方までにはここに帰ってきて下さいね。」

「目白さん、いきましょうか。」


俺がそういうと目白さんはコクリと頷いた。


「私はあなたの捕まった場所は分からないから案内して。」


一昨日、俺と目白さんは事前に海底都市で調べる場所をあらかじめ決めておいた。

それでまず最初は俺がウィリアムたちに捕まって襲われた場所だ。


「俺が間違えてあの場所は破壊してしまったんですけど、そこにまだいるかもしれないんですよ。」

「それがウィリアムね。」

「大体ここら辺ですかね。」


そこは地面が大きく落盤している場所だった。


「お先にどうぞ。」

「どうも。」


目白さんは真っ先にそう言って俺を先に行かせた。

前とは違い魔法も使えるので俺はゆっくりと浮遊しながら下に降りた。


「爆発したはずなのに随分と綺麗ね。」

「かなり大きい場所だったしマヨルダ達からの監視を掻い潜るために丈夫に作ったんじゃないですか?」

「で、丈夫に作りすぎた結果がこれね。」


瓦礫などが大量に地面に崩れ落ちているが退かせば何とかなりそうだった。

そのため俺と目白さんは周りにあった瓦礫を動かして奥への道を探した。


「本当にこっちなの?」

「はい。俺が感電させたのはこっちだったはずです。」


いつ瓦礫が崩れてもおかしくないような道を俺と目白さんは姿勢を落として進んでいた。


「ここです。ここがボイラー室です。」

「そんな風には見えないけど。


——何で。どうしてこんなことになった……

——もうこれしか…

——これは私の傑作なんだ!それを邪魔されてたまるか!


「今のは…ウィリアムか?」

「どうしたの。」

「いえ、目白さん聞こえなかったんですか?」

「何のことよ。」


どういうことかさっぱり分からない。


「何でもありません。とにかく今は違う場所を探しましょう。」

「それならいいのだけれど。」


そうして俺たちは俺が捕まった施設から抜け出した。

その後、俺たちはこの海底都市で暮らしていたテントの張っていた場所へ向かった。


「グレイだ。どうだったー?」


その場所へ向かう途中に前からローズ達と出会った。


「いや、今のところは何も。そっちは?」

「実はねあのテントまだ残ってたんだよ。」

「本当か?」

「うん。」


それはすごい。

海に沈んでも壊れないテント。

またすごいものを作ってしまったのかもしれない。


「とりあえず俺たちは先に行くから。また後で。」

「ああ。」


アルバート達を見送って俺と目白さんはテントのあった場所に向かった。


「本当に残ってっ……!」


——本当に、本当に私を受け入れてくれるのか……?

——あいつら、絶対に…絶対に!許さない……


「グレイ。また何かあったの?」

「はい。マヨルダの声が聞こえて……」

「どういう事なの?死者の声が聞こえるとでも言うの?」

「そう言うわけじゃないんですけど。」

「グレイ様。」


そう話していると後ろからノアの声が聞こえてきた。


「まもなく昼食の時間ですので、こちらを。」


ノアの手からはそう言って二人分と昼食が渡された。


「それと随分と苦しんでいるご様子でしたが……」

「いや、大丈夫だよ。昨日、あんまり寝れていなくて。」

「そうですか。なら安心しました。」


そう言ってノアが瞬間移動で移動したのを確認すると目白さんが話しかけてきた。


「どうして嘘をついたのよ。」

「心配かけたくなくて。昔からの癖で。」

「次に声が聞こえたら上に連れて行くわよ。」


そう言って先ほどノアからもらった昼食を食べ始めた。

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