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第96話 今と未来


「それじゃあ、行きましょうか。」


次の日俺は目白さん、マロン、ノアの三人と共に西へ向かった。


「西に向かうと言ってもどこまで行くんですか?」


街を出て数分経って後ろを歩くマロンが聞いて来た。


「それがよくわからないんだよ。目白さんは何か知ってたりしますか?」

「何で私に聞くのよ。そんなの私も知りたいわよ。」

「そう言うわけで西にひたすら向かいます。」


ダンジョンが西にあるとはいえ瞬間移動を使うには情報が足りない。

そのため、徒歩で歩いていくしかない。


「長くなりそうですか?」

「遠くにあれば長くはなる。」


今はそれしか確証を持っていえる言葉がなかった。


「結構遠くに来たのに塔はよく見えるのね。」


後ろを向いてセツシートを見た目白さんは言った。

俺も後ろを向いてセツシートを見た。

街の真ん中から真っ直ぐ伸びる塔。


「あそこの一番上に……」

「そうね。きっと居るわよ。今の私たちでは力不足だけど。」


神が現れたその日。

俺は完全に油断していた。

目の前で倒れている神に油断してフィオナと喜びを分かち合おうとした時。

あの時の顔が今でも離れない。


「きっと、登ってみせる。」


セツシートから伸びる塔に向かって俺はそう誓った。


「そろそろ行きましょうか。」

「はい。」


目白さんにそう言われて俺はセツシートに背を向けて歩き出した。







西に向かって街を転々としながら歩くこと実に七日。

これまでダンジョンを探しながら歩きながら次の街を目指し宿屋で休む。

そしてまた次の日に歩いて次の街を目指すという過酷な旅をしていた。

既に体は限界を迎えて足も動かなくなりつつあった。

そんな日の昼頃、森の中に入って少しした場所に小さな窪みを見つけた。


「何でしょうか?」

「行ってみたらいいんじゃないか?」


そう言って俺たちはその窪みの奥は進んだ。

入り口から五百メートルほど歩いた時、その窪みは行き止まりになった。


「奥に来てみたものの何もないみたいですね。」


辺りを捜索していた俺の手が左の壁に吸い付き石を押した。

すると、重々しい音を立てながら俺の押した岩は動き奥へ繋がる道を現した。


「やっぱり……」

「どうかしたの?」


俺はそう呟きその言葉を聞き取った目白さんが聞いて来た。


「こんな道前にもみたんです。」

「どこで見たんです?」


今度はノアが聞いて来た。


「この前、禁忌魔法陣で飛ばされた場所。未来のセツシートのダンジョンの一つにこんな扉があったんです。」

「その時のダンジョンは何個も今いる世界にもあるって言いたいの?」


俺の言葉を理解した目白さんが真っ先に聞いて来た。


「分かりませんが多分……」


まだこれは推測であって事実と決まったわけではない。


「そう。でも、調べてみる価値はありそうね。」

「じゃあ、そのダンジョンのある場所は地図で書くからマロンとノアで行って来てくれないか?ここは俺と目白さんで調べるから。」


連れて来た仲間と別れるのは少し危険ではある。

だが今回と同じように古代の先人が指示をして来た場合あらかじめ当てがあると楽になる可能性がある。


「本当にいいの?」

「はい。マロンたちもそれでいいか?」

「ええ。地図の通りに行きます。」


ノアがそう返事をした。

その返事を聞いて俺は地図にダンジョンがあった場所に丸をつけた。

その後、目白さんが攻略したダンジョンの場所も丸をしてもらいマロンたちに渡した。


「今回はあくまであるかの調査だ。中に入るのはやめておくんだ。調査が終われば昨日まで止まっていたあの宿屋で部屋を取っておいてくれ。」

「「はい。」」


マロンとノアは俺たちが丸をした地図を受け取って確認をしに行った。


「さて、じゃあ私たちもいきましょうか。」

「そうですね。」


俺は目白さんの前を行き石の奥にある道を進んだ。

もしもあの時のセツシートにあったダンジョンがこの時代で既に作られていたとしたら大変な事になる。

もう一度あの魔法の使えない場所に行かなければ行けないかもしれないのだ。

そう作られていないことを願いつつ奥へと進んだ。

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