表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/41

2


 乙女ゲーム内でのエレノア・フィツェーレとは王子と婚約を結んでいたものも破棄されてしまい、その後姿を消すという役どころであった。


 あまり特徴的なことはせずに、ただ文句を垂れているだけのパッとしない役であったことを思い出す。


 わたしは改めて鏡の前で落胆した。鏡には頭を抱えているエレノア・フィツェーレの幼少期姿が映り込んでいる。


 憧れのヒロインになれなかった挙句、乙女ゲームすら始まっていない7歳児スタートだなんて……。早く17歳になって、イベントを迎えてそのままフェードアウトしてしまいたいわ。


 エレノア・フィツェーレは処刑されたり、辛い目に遭うことはない。だからわたしの身には破滅フラグもなく、生ぬるいものであった。もうこのまま気楽に生きていけばいいのだ。


――そう考えれば、前世よりはずっといいかも。


 前世の辛い過去は一切忘れることにしよう。その代わり、わたしは悪役令嬢の役割を捨て、影の薄い普通の女の子として、伸び伸びと生きていくんだわ!


 そう考えると気分は幾らか上を向いた。


 「まずはこのまま眠ってしまいましょ!わたしはもう普通の女の子なのだから」


 そうベッドにダイブしようとした瞬間、メイドがドアをノックする音が聞こえた。


「カイン様がお待ちです。お嬢様」


 げ。どうやら今のエレノアには待ち合わせの予定があったのらしい。面倒ったらありゃしないわ。


 とりあえず、着替えよう。わたしはクローゼットを開けた。さすがは貴族。そこには幼少期にも関わらず大量のドレスが収納されていた。わたしは赤色のものを選んだ。何故ならエレノア・フィツェーレの瞳は燃えるようなルビーの色であるからだ。きっとこのドレスが1番似合う。


 わたしは早速それを身に纏い、(途中メイドに助けてもらったが)外へと出かけていった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ