第9話~いざダンジョンへ
ダンジョンは地下へと向かっていくタイプらしい。
「荷物運びいりませんかー、2割でいいっすよー」
「罠発見とかに便利なシーフ、パーティにどうだい!」
等々、ダンジョンの周りにはソロの人や運び屋が他のパーティへ売り込みをしている。
ソロで入る人は少ないのだろう、ここで最後の戦力補充という訳だ。
「俺たちはどうすんだ?」
他に人を雇うか聞いてみると、2人とも首を振る。
「今回はそこまで長く潜り続けるわけじゃないから大丈夫だろ」
「それに、報酬でもめることも少なくないから僕たちは基本雇わないよ。あるとすれば知り合いがいたりした場合だね」
ダンジョンから帰ってきた時に揉めたり、魔物に襲われたときに荷物を捨てる捨てないでもめたりもするらしい。
そんなことが起こるなら確かに信頼できる人以外は雇わない方がいいな。
「それじゃ中に入るぞ!」
俺たちはダンジョンの中に足を踏み入れた。
薄暗い・・・いや洞窟みたいな感じだから暗いのは仕方ないのか・・・
「気を付けないとダメだよ。中だと魔物はどこにでもいるからね」
「あと、弱い者を狙い殺す悪党もいてるからな」
!?人が人を殺す・・・?そんなことが、いやここは命が軽い世界。そういう人間もいるんだろう、元の世界の考えは早く捨てないとな。
「・・・この中で殺しても、他に誰かその現場を見ていなければその殺しはバレないってわけか」
話してるとコボルトが3匹正面の角から歩いてきた。
見つけた瞬間イヴとアーシェが突っ込んだ!
「コボルト程度なら余裕だね」
イヴは切り刻み、アーシェは斧で真っ二つに切り捨てていた。強い・・・
俺?俺は見てただけだ!文句あるか!?
倒した死骸はダンジョンが吸収し、そこには素材と魔石と呼ばれる石が残る。解体しないだけ大分マシだろう。
「やっぱり強いなぁ、とりあえず素材は俺が持ち運んでおくか」
落ちていた素材を持っていた袋に集めていく。
「シンも職業に合った武器さえ手に入れば今よりは強くなれるよ」
「そうだな、ガンナーていう聞いたことない職業なんだ。きっと強いはずだぜ!」
2人とも俺を励ましてくれてるのが分かる。
2人の期待に応えるためにも頑張らないとな!
いくらか歩いていたが、基本ここにはコボルトとかゴブリンしかでないみたいだった。ちなみにこの2匹の素材は二束三文ってことで、途中から魔石しか拾っていない。
「まぁまだ1階だしなぁ、ここより下に下がっていったらもっと強い奴がジャンジャン出てくるぜ!」
その後も進んで行くと、奥に部屋とその横に小部屋があった。
「小部屋から探索しよう」
イヴの言葉に賛成し警戒しながら小部屋へと足を運ぶ。3人が中に入り周りをうかがうが・・・
「?」
「何もねぇぞ?」
「ないな」
その瞬間後ろの扉が閉まった!
「「!?罠か!」」
「・・・面倒な事になった」
閉じ込められた!ここで一体何が起こるんだ!?ここで一番やばいのは毒ガスだな。その時点で全滅は必死・・・