第5話~伊達に誰も知らない職業じゃない
なるだけ毎日1話は最低投稿するように頑張ります!
戦況は五分・・・まぁ俺の攻撃は相手が回避しなくても当たらないから五分と言っていいのかわからないけどな!ゴブリンの攻撃は全力で避けなければならない!
避ける、撃つ、外す、避ける、撃つ外す・・・さっきからこれの繰り返しである。
「くっそ!全然当たらねぇ!この武器腐ってんじゃねぇの!?」
腐ってるのはシンの腕である。
だが剣とか槍のような振ればいいものと違い、弓は素人が簡単に扱えるものではない。
弓は相手に狙いをつけ、矢を構えて撃つ。しかも時には動きながらだ。そんなことぬくぬくと育ってきた高校生にできるわけがない、その結果この泥試合という訳だ。
それでも体力と矢の残数は着々と減っていく・・・
「はぁ・・はぁ・・・もう矢も数本しか残ってない、あの2人も一向に戻ってこないし・・・」
2人が戻ってこないのはシンの闘いを見てるからというのをシンは知らない。
そしてその2人もただ見ているのではなく、一応近づいてきた魔物は狩っており、それのおかげでいまだゴブリンとのタイマンを続けていられるということも。2人ともこの泥試合をただ見て笑ってるだけじゃなかったのだ・・・
「いい加減飽きてきたなぁ・・もう出ていって始末しねぇ?」
「はぁ、危なくなるまで手は出さないって言ったのアーシェ。飽きたのは分かるけどもう少し待とう」
はぁ、っとため息をつきながら戦ってる方向へ目を向けるのだった。
その後も数回同じやり取りを繰り返し、ついにキレた。
「もう弓なんかいらん!次突っ込んできたとき矢じりで突き刺してやるわ!」
とうとう残り1本となり、全く当たらないことにイライラが爆発したのかついに弓を捨てだした!
「おい見ろよ、当たらないのに嫌気がさしたのか弓捨てたぞアイツ」
「ん~だけどゴブリンの攻撃も当たってないからいい判断かもだよ・・・だけどもし外した時は出るよ」
「おう!」
2人もここが勝負の決め所だと思ったのだろう、シンの攻撃が当たらなかった時のためにすぐ飛び出れるように構えたのであった。
そしてその時は直ぐにやってきた・・・
「ッく!?・・・なんの!」
飛び込んできたゴブリンの攻撃を、反撃するために最小限でかわそうとするも避けきれずにカスった!
「くらえぇぇーーー!」
だがここでよろけるとやられると思ったシンはすぐさま矢を持った手に力を込め、頭部にズブリとゴブリンの頭部に矢じりが突き刺さる。ゴブリンはその場に崩れ落ち動かなくなった。
泥試合はシンの勝利だ!
「はぁはぁ・・・ふぅ疲れたぁ~~」
「お疲れさん!何とか倒せたな」
まさにタイミングを計っていたかのようにアーシェがでてきた。
「討伐おめでとう」
その後ろからイヴもきた。
「今頃かよ・・・まさか俺が倒すまで見てた?」
ニヤニヤとニコニコとしている顔を見て確信した。この2人は俺の弓矢のノーコンとかをみて笑ってたに違いないと!
「いやぁ笑わせてもらったよ。けどあたしらが周りの魔物倒してなかったら、今頃あんた魔物に殺されてたからな」
「え?・・あぁ俺がもたもたしてる間、周りの魔物を近寄らせないように倒してくれてたんですね」
この人たちがいないと今頃俺は死んでたのだ。それほどに俺は弱い・・・
「それにしても・・職業ガンナーだっけ?役に立たないね」
「そう!それだ、弓が全く扱えてないじゃないか。というか職業による恩恵がないにしても普通もう少し使えると思うんだけどなぁ」
「う・・・それは・・・」
今回全くと言っていいほど職業が意味をなさなかった。これで俺は弓を使えないという事がわかり、残りは銃なんだが・・・この世界にそんなものがあるとは思えなかった。
「どこか色んな武器とかが売ってる所ってないですか?」
それでも最後の望みである銃の存在を諦めるわけにいかなかった。
「んーじゅうって武器を探すの?」
「そういや弓以外にじゅうと言ってたなぁ。けど聞いたことないんだよな・・・」
「けど掘り出し物や魔道具が売ってる場所に行けばあるかもしれないよ。だからあそこだね」
イヴがどこか知ってるみたいだ。望みがあるならどこにでも行ってやるさ!
「それはどこですか?」
「少し遠いけどこの国にある」
「あ~あそこなぁ、確かにあるかもしれないな。よし!じゃぁ次はそこに行ってみるか!」
意気揚々と答えるアーシェに、一緒に行くってとこに頷きを返すイヴ。
「その場所にも一緒にくるんですか?」
「お前1人だとよわっちくて死にそうだからな!ついていってやるよ!」
「僕たちはこの街を拠点にしてるわけじゃないから、いろんなところに行く。一緒に旅するわけだから敬語もいらないよ」
「そうだな!これから敬語とか堅苦しいもんはいらねぇぞ!」
これは一緒に行くのは決定事項のようだ。
確かに1人だとすぐに魔物に殺されそうだし、なにより可愛くて美人というのがうれしかった。
「わかった、3人でいこう。」
このまま行動を共にすることが続けば、近いうちに自分が異世界から召喚されたという事を教えようと思うのであった