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第七話

スキル:レアハンターの心得

    :アイテム消費なし

    :秘められし力

「攻撃スキルはなし。習得したのは常時発動型(パッシブ)スキルだけか。」

俺は目の前に現れた自分のステータスを見て落胆する。

「そんなに落ち込まないで下さいよ。これから習得するかもしれないですから。」

俺の前に立つレミィが言った。

彼女は回復や補助の魔法が得意だった。アナライズという魔法を使うと相手の強さや所持スキルを見ることができるらしい。今俺の前に現れてる諸々のステータスは彼女の魔法の成せる技である。あの女王も同じような魔法を使っていたのだろう。

「そうだな。悲観するのは早いな。」

バフッと俺はベットに寝そべり、ボロい木でできた天井を眺める。

 あれからギルドから貰った300ラピスを山分けし、外の露天で売ってた安い飯を二人で食べた。そしてギルドから紹介された低ランクの冒険者用の宿屋に泊まった。2階建てで1階は酒場になっていて、他の冒険者達が飲めんだり騒いだりする賑やかな声が2階まで聞こえてくる。

俺も加わりたいがそんな金は無い。そもそも酒が飲める年齢でもないのだが。

2階の部屋は非常に質素で、室内には一人用のベットの他には明かり用のランプなど必要最低限のものしかない。そしてハッキリいってボロい。木でできた部屋は床も天井も所々穴が開いており、埃もかなりたまっている。

それでも泊まるところがないよりはマシだ。

 この世界に来て1日近くが経過し、俺は非常な現実を思い知ることになる。それは俺には帰る場所もなければ住む場所もないということだ。

正確にはレミィもだが。

まずはこの問題をどうにかしなければレアアイテム収集どころではない。

後は金も。

今日得た300ラピスでは安い飯を食ってボロい宿に泊まるのが精一杯だ。しかも宿代が足りなくて二人では泊まれないところをなんとか頼み込み、それで一人部屋に二人とも押し込まれるところを土下座してどうにか部屋を分けて貰っている状態である。

 レミィは折角手に入れた凝血石を売ればいいと言う。確かに売れば5000ラピスで売れ、金の問題は一先ず片がつく。だがもちろんこれを売るわけにはいかない。金ならギルドで依頼をこなせば幾らでも手に入るがこいつはそう簡単には手に入る代物ではない。金には変えられない価値があるのだ。

俺が熱心にそのことを説き伏せると彼女は渋々納得してくれた。

「まずはコツコツ働くしかねーな。」

「そうですね。まずはお金ですよね。」

レミィも頷く。

「明日は早く起きよう。そして朝から依頼をバリバリこなすんだ。」

「そうしましょう。ではおやすみなさい。」

レミィは何故か嬉しそうに言って部屋を後にした。

 さて、寝るか。今日は流石に疲れた。ゲームの主人公のように宿屋で寝るだけで全快できればいいんだがなぁ。残念ながらそうはいきそうもない。食べたばかりの腹が鳴る。育ち盛りの高校生には少なすぎる食事だった。

くー、この世界で生きていくのも楽じゃないぜ。

 高ランクの冒険者になれば様々な特権が与えられ、報酬もかなり良くなるらしいからまずはそこを目指すべきだな。その方が効率よくレアアイテム収集ができるだろうな。

まあ、稼ぎながら並行してやってもいいか。そんなことを考えてるうちに、俺は深い眠りについた。

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