第二話
「レアハンターじゃと?そんな職業見たことも聞いたこともないぞ?」
女王は問うように俺を見る。
「いやー、多分アレじゃないですかね。俺、レアアイテム集めるの好きなんで、レアアイテム専門の収集家みたいなもんじゃないすかね?」
俺は適当に答える。まあ名前からしてそんなものだと思うのだが。
「レアアイテムとはなんじゃ?」
そこからかよと思いつつ俺は答える。
「まあ、簡単に言えば手に入れるのが凄く難しい物のことかな。」
「ほう、ではレアハンターというのはつまり、希少価値の高い品ばかりを集めるコレクターのようなものか。」
「ま、そんなものでしょうね。」
するとさっきまでの騒ぎようはどこへやら、女王は溜息をつく。
「ハァ、どう考えてもこの国を救う勇者には向いてないの。まあ、一応スキルも見ておくか。」
投げやりに彼女はステッキを向ける。別にいいのだが一度に全ての情報を開示できないのだろうか?
俺の前に再び表示が現れる。
スキル:レアハンターの心得
効果:レアアイテムの入手確率が1%上がる
「やはり戦闘向きではないのう。しかも効果もしょぼい。これは期待はずれじゃのう。」
さっきから言いたい放題だな。
「ところでさっきから気になっていたんだが、俺を呼び出したのはアンタなのか?」
「ああそうじゃ。妾が汝をここへ呼び出したのじゃ。異世界召喚の儀によってな。」
「俺を呼び出して、こんなことをして何がしたいんだ?勇者の適正とか言ってたけど、俺にこの国を救って貰いたいのか?」
「察しがいいのう、その通りじゃ。しかし、見たところ汝には勇者としての適正はないようじゃ。能力は平均的だしスキルもろくなものが無い。ただ職業が珍しいだけで期待ハズレじゃったの。折角来て貰って悪いが汝はもう用済みじゃ。」
散々な言われようだ。
「じゃあせめて俺を元の世界に返してくれないか。俺はゲームがしたいんだよ。」
「それは無理じゃ。」
女王は即答した。
「どうしてだよ。」
「異界の者を呼び出す方法はあっても返す方法は無いのじゃ。」
「は?なんだよそれ。じゃあ俺は帰れないのかよ。人を勝手に呼び出しといてそれはないだろふざけんな!!」
俺は思わず声を荒げた。
「まあ落ち着け。まだ方法が無いと決まったわけではない。この世界のどこかに汝がいた世界に戻る方法があるかもしれん。だから気長に旅でもして回ればよい。」
「見つかったとしてもすぐに帰れなきゃ意味ねーよ。なんなんだアンタ。もういいこんなとこ出ていってやる。顔も見たくないね。じゃあな。」
俺は身勝手な女に背を向けて歩き出した。
「止めはせんぞ。好きにするがよい。」
淡々とした声が聞こえる。あの女にとって勇者になれない俺には微塵も価値を感じてないのだろう。
去りゆく背中を見つめる女王の元に側近と思われる家臣の一人が耳打ちする。
「今回もハズレでしたね。」
「そうじゃの。次こそはアタリが出て欲しいものじゃ。」
さて、勢いで城を出たはいいもののこれからどうしたものか。俺は頭を抱えた。