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ベランダの植木

作者: 素羅直大
掲載日:2019/12/01


 「ねぇ、あのずっと端の下にいるのは?」

艶やかな、小さな緑色のが話した。


「あれはね、お前のひぃおじいちゃんだよ。ひぃおじいちゃんはね、冬が来るまで元気いっぱいだったんだよ」

乾いた、大きな茶色いのが話した。


「じゃあ、あの根元の下にもたれかかっている、茶色のは?」


「あれはね、お前のお兄ちゃんだよ。数ヶ月前の強い風で亡くなったんだよ。」


「あの下にいるみんなは僕の友達?」


「そうだよ。みんなお前の家族だよ。」


「ねぇ、なんで向かいの葉っぱは穴が開いているの?」


「それはね、虫さんが食べたからさ」


「どうして虫さんは葉っぱを食べるの?全て食べられたら死んじゃうよ」


「彼らもまた、葉っぱを食べないと死んじゃうからだよ」


「ねぇ、どうして僕達は生まれたの?」


その瞬間、強い風が吹いた。


「坊や。そろそろ私も行かなければ」


「いやだ!離れたくない!いかないで!」


「あぁ、坊や。命は繋がれるのよ。今度は私があなたの栄養になる。ただそれだけのことよ」


乾いた、大きな茶色いのはそのまま下に落下して、根本に寄りかかった。そして、家族のところに帰っていった。


 暖かくなった。そしてまた寒くなった。


 「ねぇ、あの根元に寄りかかっているのは?」

艶やかな、とても小さな緑色のが話した。


「あれはね、お前のおばあちゃんだよ」


乾きかけの、大きな茶色いのが話した。



ふと見たベランダの植木。

若い葉が元気よく光を浴びる。

植木の根本には枯れた葉っぱたち。

彼らも昔は元気よく光を浴びていたのだろう。

葉はやがて朽ちて、その葉は次の葉の栄養となる。

死しても尚、美しい。

そうふと、ベランダの植木を見て思いました。

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