ベランダの植木
「ねぇ、あのずっと端の下にいるのは?」
艶やかな、小さな緑色のが話した。
「あれはね、お前のひぃおじいちゃんだよ。ひぃおじいちゃんはね、冬が来るまで元気いっぱいだったんだよ」
乾いた、大きな茶色いのが話した。
「じゃあ、あの根元の下にもたれかかっている、茶色のは?」
「あれはね、お前のお兄ちゃんだよ。数ヶ月前の強い風で亡くなったんだよ。」
「あの下にいるみんなは僕の友達?」
「そうだよ。みんなお前の家族だよ。」
「ねぇ、なんで向かいの葉っぱは穴が開いているの?」
「それはね、虫さんが食べたからさ」
「どうして虫さんは葉っぱを食べるの?全て食べられたら死んじゃうよ」
「彼らもまた、葉っぱを食べないと死んじゃうからだよ」
「ねぇ、どうして僕達は生まれたの?」
その瞬間、強い風が吹いた。
「坊や。そろそろ私も行かなければ」
「いやだ!離れたくない!いかないで!」
「あぁ、坊や。命は繋がれるのよ。今度は私があなたの栄養になる。ただそれだけのことよ」
乾いた、大きな茶色いのはそのまま下に落下して、根本に寄りかかった。そして、家族のところに帰っていった。
暖かくなった。そしてまた寒くなった。
「ねぇ、あの根元に寄りかかっているのは?」
艶やかな、とても小さな緑色のが話した。
「あれはね、お前のおばあちゃんだよ」
乾きかけの、大きな茶色いのが話した。
ふと見たベランダの植木。
若い葉が元気よく光を浴びる。
植木の根本には枯れた葉っぱたち。
彼らも昔は元気よく光を浴びていたのだろう。
葉はやがて朽ちて、その葉は次の葉の栄養となる。
死しても尚、美しい。
そうふと、ベランダの植木を見て思いました。




