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4話

続きを更新しました!

思ってたより中々話が進みませんねぇ…。

「お前は見ていて気持ちいいくらい美味そうに食べるな。」


「いや、実際めっちゃ美味しいですよこれ。入手困難なのによく手に入りましたね。」

二人で食べているとあっという間になくなって残っているのはもう私が今手にしているものだけだ。


「あぁ、実は俺の兄みたいな人に今日の事言ったら手配してくれたんだ。」



「へぇ、お兄さんにーーーって、は?!振られた話したんですか?!お兄さんに!?」


えっ、兄さんって次期国王様よね?そんな人に恋バナ(男同士)の話をしたの?えっ?馬鹿なの?



「何を考えてるか大体予想つくが違うぞ。ーーーお前をお茶に誘うのに相応しいのはないか聞いたんだ。」


うん。その相談で王子様が誤解していることだけは確かだ。私の特徴を事細かく言ってないことだけを願うばかりである。

さて、お昼休み後のチャイムが鳴るのも時間の問題なので本題に入らないと。



「あの、疑問に思っていたことを聞いてもいいですか?」


「何だ?紅茶の銘柄が気になるのか?それだったら部屋にあるから取ってきてやる。」


「いや、違う…。気持ちは大変ありがたいですけど大丈夫です。ってそうじゃなくて!私は会長にここまでもてなして貰う理由がありません!」


「だから、俺の話を聞いて貰う為だって言ってるだろう。何がおかしいんだ?」


「おかしいですよ。こんな事言ってはあれですが、正直まともに話し合いだってできなかったかもしれないんですよ。」

寧ろ、話題が話題なだけあってまともに取り合ってくれる人の方が少ないだろう。アレンへの恋情を話すことはいつか起こることであったとしても早すぎないか?私にとってこれは



「会長の首を自分で締めてる自滅行為にしか見えないですよ。……本当に何があったんですか。」



正直、振られたってここまで弱ってしまうキャラじゃなかったはずだ。実際、物語では何回も思いを拒絶されてるシーンがあったし。いや、結構打たれ弱かったっけ?この人。

「ーーークロードに言われたんだ。先輩は本当に自分の事ばかりが大切なんですねって、俺が告白した返事がそれだったんだ。」



えっ、アレンめっちゃ辛辣じゃん。てか、告白の返事がそれってどんな告白をしたらそうなるの?




「あの、えっと…なんて言えば良いのか…。言い方もあれですしどうかと思いますけど、アレンは皮肉は言っても非難したりはないと思うんです。えと、彼を庇うわけではないですが。」



アレンは悪口を言わない代わりに凄い毒を吐く事がある。そして大体が正論で何も言えなくてこっちが萎縮してしまうのだ。ーーーそっか、だから彼はここまで弱っているのか。



「アレンに言われた事が貴方の本心だったのですか?私から見ても会長は本当にアレンを好きだって伝わってきましたよ。」


「やっぱり、お前は俺の感情に気がついていたんだな。」



やってしまった。このままいけば自分の性癖暴露をしないといけなくなるかもしれない。流石に、自分の彼氏を違う人とエッチな事をさせる妄想が好きってバレるのはダメだ。どうにか最悪の着地点にいかないように軌道修正かけなきゃ…っ!



「そりゃあ、アレンの側にずっといますからね。アレンを見てる人の視線からどう思ってるかは何となく分かりますよ。女の勘ってヤツですかね?」



あっ、それっぽく言えた。ロイドも納得してくれてるし、最悪の事態は防げそうだ。



「俺は確かにクロードを愛している。この気持ちに嘘はないし非難されるのは覚悟の上だ。」



えっ!?ここでまさかの推しカプの攻め様の受けの子への独白が始まるの!? どうしよう、滾ってきた!顔、にやけてないよね?


「あいつの笑った顔が好きだ。あいつの顔を見ると頑張らないとって思えるし、あいつの為にもこの学園を良くしようって思いが強くなるんだ。」

それ、旦那さんが奥さんや子供の為に頑張ってる時の言葉にしか聞こえないよ〜!!えっ、何なの?二人は結婚するの?してたの?



「あいつの為ならどんな事だって出来るって思ってる。ーーー今でもだ。だが、それはあいつからしたらエゴでしかなかった。」



「クロードは言ったんだ。俺の幸せは先輩と一緒にいる事じゃないって。俺の幸せを考えながら、頭では自分の幸せしか考えてないだろうって。」


「その通りだよ。俺は俺とクロードの二人の幸せになる事ばかり考えて肝心のあいつがどうしたいかなんて最初から頭になかったんだ……それを指摘された。」




どうしよう。思ってた以上にズバズバ言ってる…。

けど、確かにロイドの言い方にはきゅんとくるところと、うーん。って思うところがある。

相手を幸せにしたい気持ちは大変伝わってくるけど正直、それってだれでも良くない?って思えてしまう。

恐らく、ロイドは俺と一緒になって幸せになろう的な事を言ったのかもしれないけどそれってその人の幸せを制限してるとも言えなくもない。


だってそのほかの幸せは自分といるよりも取るに足らないって言われているようなものではないのか?

そう考えるとアレンが毒を吐いた理由もわかる。

この学園に来て半年も経ってないという事はつまりロイドともそこまで信頼関係も結べてない。そんな相手にそんな言葉を言われれば私だって良い気はしないだろう。




正直、かける言葉が見つからずどうしようと思ってロイドを見るとすっきりとした顔になっていた。えっ?何で?



「お前と話してやっぱり良かった。悪いが、俺はクロードを諦める事が出来そうにない。焚きつけたのはお前だからな。」


「自分で解決なさってるところ悪いんですけどこっちはモヤモヤが取れてないんですよ。つまりはどういう事なんですか?」




そう言うとロイドはフフンと笑って紅茶を飲み干した。


「今日から俺とお前はライバルだ!せいぜい俺にクロードを奪われないように努力するんだな!!」



ビシィっと私を指差して宣戦布告をする彼に開いた口が塞がらない。な、何言ってるんだこの人はーーーでも、




「振られてマイナス地点にいる人が何言ってるんですか。せめて私と同じプラマイゼロの地点に来てからにしてくださいよ。」


「望むところだ!直ぐにクロードを俺に惚れさせてやるから吠え面をかくなよ!!」




絶対に相容れないはずだった相手のライバルって言葉に嬉しくなったのは自分だけの秘密だ。










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