13話
今回は文字数少ない……。
ーーーなんで、私を選んでくれないの?
そう問いかけるアイリはいつもと違った。
確かに憎しみや理不尽を感じでいる表情なのに何処か諦めた様に僕を責めた。
「君を、心から愛せない……ごめん。」
そう言った彼女は泣き出してしまった。
「何で今なの!?ーーーもっと早く、その言葉を聞いていれば、私だって……っ!」
ロイドを傷つけてしまった彼女はきっと罰を受けるだろう。俺はじっと彼女を見つめていた。
泣き叫ぶ彼女の罪は決して軽いものではないけど、俺は彼女を責めることが何故か出来なかった。
きっとこれからもこの気持ちと向き合いながら生きていくのだろう。
兵士に連れて行かれる彼女に背を向け改めてロイドの傷を確認した。
ーーー走っていたら思い出してしまって思わず足を止めてしまった。
アレンとアイリとの離別シーンであり、ここで昼ドラルートは終わりを告げる。
漫画を読んでいた時は『いや……そこまで、発狂しなくて良くない?』と思っていたが、正直今の私だったらどうなるか分からない。だって、アイリの気持ちが分かってしまったから。
「愛せないなら……最初から振り払って欲しかったんだよね。」
彼女はきっと『区切り』が欲しかったのだろう。
報われない思いならせめてアレン自身に昇華して欲しかったのかもしれない。
それなのにいつまで経っても突き放さなくて、取り返しのつかない所まできてしまっただけ。
確かに、アイリが全面的に悪いけどどっちも大切にしたいというアレンの気持ちがアイリを破滅へと追いやってしまったのではないかと今になって思う。
「絶対に破滅なんかしない。アレンや皆を傷つけたくない。」
その為にはやっぱり、私自身の感情をもっと律しないといけない。この気持ちのままだと破滅へスキップしながら行っているのと変わらないわ。ーーーでも。
「アレンと会うの気まずいなぁ〜。」
最近、なんか話が噛み合わないし感情持て余した状態で会っても拗れる気がする。
「少し距離を置くしかない……かな?」
うんうんと考えながら歩いていると空き教室から物音がした。
いつもなら、通り過ぎてしまうのに何故か胸騒ぎがして教室を少し覗いてからーーー思い切りドアを開けた。
そこには、暴れるのを押さえつけている男と服がはだけて押し倒されているレネの姿があった。