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1話

皆さん、こんにちはご機嫌よう。

突然ですが皆さんは「転生」と言う言葉はご存知でしょうか?そう、トラック転生とか異世界転生とか言うアレです。今何でこんな事言っているかと言うとかく言う私も転生しちゃったんですよ。しかも大好きだった漫画の世界に。



前世は古のオタクだった私はイケメンが大好きだった。そして、イケメン同士の絡みはもっと大好きであった。そう、つまりは腐女子なのだ。

ーーーつまり、何が言いたいか分かって頂けただろうか?そう、ここはBL漫画の世界である。



私の好きだった漫画「君への誓い」。

内容は魔法学校を舞台としたBL漫画で、ファンタジー系でストーリーも面白くまた恋愛描写も繊細に描かれていた作品である。

そして何より登場人物のキャラがカッコいい!この一言に尽きる。

主人公のアレンを中心として様々な事件を解決しながらキャラクターが出てくるところがまず好き。そこからは少女漫画も裸足で逃げ出すくらいのラブラブしたりお涙頂戴展開だったりで読者をきゅんとさせてくるところも好き。まだまだ語り足りないが私がこの漫画を愛しているのはお分かり頂けただろうか?



さて、長くなってしまったがつまり何が言いたいかと言うとーーーー


「ねぇ、大丈夫?さっきからずっと上の空だけど」

そう、私は転生した。大好きな漫画のーーーー当て馬の女役に。


この当て馬女。名をアイリスと言って主人公アレンの幼馴染である。そして、ずっとアレンが好きだったアイリスは一緒に田舎から出てきて学校に通う。

アイリスの押しに負け流されるように付き合うことになったのだが、アレンと引っ付くキャラとの相性がまぁ悪い。泥沼のど修羅場である。



いやいや、確かに好きだよ?主人公と恋人になるキャラのイチャコラが見れるってテンション上がったよ?

いや、だからってアイリスは無いわ。そこはモブBあたりだろうが!転生させた奴空気読めや!!


何が楽しくて推しキャラから蔑んだ目を向けられなきゃいけないのだ。いや、ある意味ご褒美かもしれないけど、私はそう言う趣味は無いし嫌われるのは普通に嫌だ。昼ドラ展開なんてもっと嫌だ。



そう考えていると、目の前にいたアレンを見て気付く。これさっさと別れて応援した方がいいのでは?と。


だってそうだよ。好きでも無いのにアレンは大切な幼馴染だからと嫌いになりきる事は出来ないでいた。どんなにアイリスに傷付く言葉を言われても彼は最後まで彼女を突き放す事は出来なかった。まあ、私から見ればそれがアイリスが諦めきれない原因だったと思うが、つまり、いい感じなところで別れを切り出して背中を押すキューピッド役になれば推しを近くで見れ、なおかつ感謝される…!えっ、やば、いい事尽しでは…?


「ううん!ごめん、ちょっと教科書読んでたら眠くなってきて…」


「あははっ、分かる!俺もちょっと眠かったんだ。けど、良かった。体調が良く無いとかじゃ無いんだよね?」


そんな考えを抱いてるって思いもしてないだろうアレンは私を本気で心配してくれている。公式でもそうだったけどアレンはやっぱり天使だわ。見た目は可愛い系元気っ子だけど。



「アイリの事はおばさん達からも任されてるしね!あの勉強嫌いだったのにアイリは昔から努力家だったよね。」


若干貶されている気がしないわけでも無いがアレンは決して悪口を言ったりしない。しかも裏表も無く太陽の様な笑顔を見せる姿は彼氏(予定)やその他のキャラの心も癒すと言う大変素晴らしいパーフェクトな受け様だ。実を言うと同人誌ではアレンと違うキャラとのカプも大変美味しくいただいておりました。




さて、そうと決まれば早速お別れをしなければいけない。ーーーが、正直言って躊躇われる。


実は思い出したのはついさっきでは無い。もっと言えば5歳の初めて会った日から私は前世を覚えいた。

皆んな思っている筈だ。何故、その時から関わりを避けなかったのかと。




答えは単純に私自身がアレンの事が大好きだったからです。

いや!待って?だってこんなイケメンいたら誰だって好きになるでしょう?!


正直アレンは凄くタイプなんだよ!!だから、ごり押しして彼氏(予定)が現れるまでは良いかな〜って思ったんだよ!

だから、今までの下りは正直何回も頭の中でしてる。最初っぽい言い方してごめんね!




だけど、もうそろそろ潮時な筈だ。だって、アレンの攻め様はもう何度も会っているし、いい加減アレンを解放してあげなきゃいけない。



アレンと向き合うと雰囲気を察したのかあちらも真剣に話を聞く態度を取ってくれた。

「ねぇ、アレン。ーーー私に何か言うことってない?」


そう、例えば好きな人(男)が出来たとか。するとアレンはボッと顔を赤くした。やはりクロか。


「えっ?!言うことって言ったって……あるにはあるけど、今の俺たちにはまだ早いっていうか、何というか…」



アレンはモジモジとしていて見ていて乙女みたいだが別れの話に遅い早いはあるのだろうか?


「アレンが言わないなら私から言ってあげるね。私たち「あっ、待って!!俺から言うからーー」別れた方が良いと思うの。」



言った!言ってしまったぞ!!別れるのは辛いけどアレンに嫌われたり、アレンが不幸な未来になるくらいなら私は喜んで身を引くーーーーあれ?なんか空気が異様に悪い気が。





「ーーーどう言う事か、ゆっくり話し合おうか。アイリス?」


前を見ると般若が背後から見える様な気がするアレンが微笑んでいた。





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