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1:00pm/玄関前

「ヒロくん!!」

「わー! ホントにアキちゃんだ!!」


 秋也たちが帰ってくると、千紘と春陽が玄関の外で待っていた。


「準太のことありがとな」

「ほんとだよー! ちゅんたがかわいそうでかわいそうで。とても見てられなかったんだから!」

「だってアイツに話したら確実に失敗するし」


 それは準太の演技力に対してなのか、不幸体質についてなのか。

 どちかにせよ酷い言われように春陽は準太に同情した。


「君がヒロくんの相棒だね? はじめまして! シュウくんの妹であり、ヒロくんの姉の黒崎千秋です。よろしくー」

「あ、えとはじめまして! 藤崎春陽です! こちらこそよろしくおねがいします!」

「うんうん、可愛いねぇ。なるほどこれはキョウくんもメロメロだねぇ」

「そうなんだよー。俺とは酷い扱いの差なんだよー? 酷いと思わない?」

「うーん、ヒロくんの場合はこれまでの行いかな?」


 久しぶりの再会を一通り喜んだ後、凜の同意を得て秋也から二人にもこれまでのことと凜から聞いた話を話した。



「千紘さん……」


 春陽が心配そうに千紘を見た。

 春陽には慎弥が組織をつくる為に邪魔だった千紘の家族を殺した、という風に聞こえたからだ。

 しかし千紘は違う感想を抱いたようだ。緊張した顔で慎弥に向かって尋ねた。


「僕の家族は、本当に死んだんですか?」


 それは事実の確認、というより、希望を込めた問いかけだった。

 春陽と凜が驚いた顔で、秋也と千秋は千紘と同じ想いを抱いた顔で、五人分の瞳が慎弥を見つめた。


「死んだか、と聞かれると、私はわからない、としか答えられません。私はただ、神の使いが邪魔だから何とかしてほしい、とお願いしただけですから」

「!!」


 千紘の家族の最期のことは、悲惨だった、と聞いたのだが、それをいつ、誰から聞いたのか、実のところ千紘もよく覚えていないのだ。

 そしてある程度気持ちの整理ができた後に調べたのだが、千紘の家族のことも、青鬼の大群のことさえ知ることが出来なかった。


 慎弥はわからないと言った。

 それは酷く曖昧な答えだったが、千紘にとっては確かに希望となった。少なくとも神の使いが使えない状態にはあるのは確かだが、もしかしたらどこかで生きているかもしれない。


「まいったなぁ……」


 ずっと一縷の望みをかけて千秋を探す秋也を見てきたが、今度は自分がその立場になりそうだ。

 見出した希望に喜べばいいのか、その希望を捨てられずに探し続けなければならないかもしれない未来に悲しめばいいのか複雑な気持ちで千紘が思わず呟くと、秋也がその内心を正確に読み取って苦笑した。


「手伝うぞ」

「……うん! 頼りにしてるね」


 次も希望が掴み取れるように。

 そう願い、千紘と秋也は笑い合った。

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