表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
森に囲まれた!  作者: ちかず
92/233

扉の向こうは?!


ー雪菜視点ー


『待っていたよ』


ギャビンに無理を言って開けて貰った扉の向こうで待っていたのはあの子!!


ほら、子供達に混じっていた外国人の子。

えっと、名前は…。


『僕の名前はゼーランって言うんだ。

ギャビン、久しぶりだね。

あ、何代も前のギャビンかなぁ?


ようやく王宮の抜け道を開けたね。

リュカ様がきっと待ちくたびれているから。

準備が出来たら、またおいで。


僕はここで待っているよ…』



あら?

あの子ってば、言いたい放題でまた消えたわ。


まぁ、小さな子供は気まぐれなモノだもの。

無理ないわね。

でもこの部屋…。

またもや、ツッコミどころ満載!!


私、いつの間に外へ?!

と、なるほどの木々・木々・木々!!!!


下り坂はのんびり歩くには最適な森の小径。

天井は…ありますよ、空に似せたモノ。

均一な青さが違和感を出すところを見れば、ここはやっぱり外じゃ無い。



うーん。。


「雪菜殿!

あぁ、良かった。何やら考え込んでいてお返事がなかったから。


この先がリュカ様に続いているとすれば高山への道となります。

そこは軽装で訪れる場所に非ず。と言い伝えがあります。


そうです。誰も辿り着いた事のない場所。

リュカ様のお呼びとならば、行かねばなりませんがまずは準備を」


私は頷くとギャビンの方を振り向いて一歩.


え??


歩いただけで、また元の廊下?!

ドアは?


やっぱり、異世界の王宮はカラクリ有りね。

攻略が難しいと血が騒ぐ…。


しまった。

そんな場合じゃなかった。


サイラスやマティさんの事もあるし。

アーノルドの靄鬼の事もあるし。


悩みながら、ギャビンの部屋へ案内された。

ほら、

あの暖炉の部屋。。。


あーー。忘れたい。いや!!忘れましたとも!!


ふぅ。

いつも部屋へ入ると、ベレットさんが手慣れた様子ですぐさまお茶を用意してくれる。

抜群に美味しいチャイっぽい飲み物を頂きながら今後の話し合いをする。


「雪菜殿は、どうされるおつもりですか?

今後の進路方針をお教え下さい」


もう、ギャビンってば。

私は、呼び捨てなのに敬語ばっかりで。


そう言ったら、皇帝になってからのクセらしいの。

あのベレットさんが勘弁してあげて下さいと言うから諦めたけど。。


しかし,進路よね。

どうすれば…。


「あのね。

私の一つ目の目的は、ドルタで地図を見る。

二つ目は、ギャビンが無事に故郷へ戻れる手助けが出来ればと。


向かう先は幻影園。そして『雪星の雫』。


でも、リュカが困ってる様な気がするし。

正直、迷ってるの…」


苦笑いのギャビンが頷く。


「そうですね。

準備が整うまでしばらくあります。

レジー殿も数日後にはお戻りですし。


それから、今後を決めてもよろしいですか?」


迷いの中にいた私は頷いた。

とにかく、ギャビンの無事は確認出来たから明日は約束通り離宮と、街中へ行く予定なの。


案内人は、バズールさん。

ギャビンに頼まれたお使いもあるしね!!



ーギャビン視点ー


信じてはいなかった。


高山へ通じる扉の話を。

我々が国を築く前…まだドルタの前のクルズ王国が治める小さな国であった頃からの伝説。


本当にあったとは。


リュカ様の求めとなれば、この国の皇帝とて行かねばならない。

それは、当然の事だ。


国の今後に不安はあるが、変わり始めた騎士団や貴族に期待しよう。

まぁ、ベレットがいるから大丈夫だろが。



彼女がどうするか…。

それが気にかかるが、無理強いはあり得ない。


出来れば…。

珍しく欲が出る自分にため息が出る。

こんなにも、この国に尽くして貰いながら。

離れるのが辛いとは。


皇帝でなければ、一兵卒となって彼女を護りたい。


そんな分不相応な願いも。


。。。


さあ、まずは準備だ。

かの山は、人を拒む山だから…な。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ