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森に囲まれた!  作者: ちかず
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小道の先には?

ー雪菜視点ー


何処から来たのだろう?


いつの間にか、可愛い外国人の子供に懐かれてしまったわ…。

ニコッと笑ってとっても可愛いんだけど…、

手を繋いで、中々離してくれないのよ。


その上、ぐいぐいと私の手を引いて歩き出すし。

うーん。


困っていたら、レジーさんが声を掛けてくれたので、沢山作った料理を託して子供達の事を頼んだの。


その間も子供はどんどん進んで行くわ。

でも。


何処に行くのかしら?


あら?

こんな小道あったかしら…。


アーチに蔦を這わした綺麗な緑の小道。

石畳の道を進みながらも、後ろの子供達が気になるわ。


『大丈夫。

あの子が、ちゃんと見てるから』



あの子?

ふふふ。

自分の年齢もだいぶ、小さいのに。

子供の背伸びって可愛いわね。


振り返って見えるのは、手を振っているオースティン?


あの子と言うにはねぇ。

でも、レジーさんにオースティンがいれば大丈夫かな。取り敢えずこの子に付いて行くことにする。


長い小道は、所々に咲いた色とりどりの花からいい匂いがする。

この場所って、誰かの土地だってレジーさんが言ってたけど、こんな奥まで行っても怒られない?


と、思ったら、小道から広場へと到着した。

向こうに人が沢山いるのが見えたわ。

誰だろう?


あ!


もしかして…ギャビンさん?



「ギャビンさーーん!!!」


私は、一気に駆け出したわ。

もちろん、あの子を抱えてね!


手を振る私は、慶ちゃん達が騒いでいるのに気づかなかったの。


実力行使に出た訳…慶ちゃんとそのお友達。

更には、丸鳥達。


ピィーーー!!!



物凄く大きな声で鳴きながら、頭上をくるくるし出して。



フワフワ。



フワフワ、フワフワ、フワフワ…。



大量の羽毛が降り注いだかと思うと、最後に最大級の爆弾を落としたわ。


キラッキラの卵。


ええーー!!

ここで一気に産卵?


まさかの巣作りなの?!慶ちゃん!!



ーバズール視点ー


馬鹿ばっかりだ。


デルトライト陛下を弑逆する計画に第二騎士団のクライスと共にため息が出る。


『己の首を己で締める』


まさにその見本!!


ベレット殿が命を懸けて陛下を逃した場面に駆けつけた我々は、一歩遅かったと悔いた。

だが、ベレット殿だけでも逃さねば。


もし、デルトライト陛下が無事であったなら助けられるのは、彼のみだから。


「俺が囮になる。お前が王宮から彼を脱出させてくれ!」



クライスは、まだ内側にいて貰わねばならない。

後で捕まるのは、俺のみで…。



第一騎士団の馬鹿どもを何人も延して、ついでに第三騎士団は眠り粉で眠らせた。

まぁ、後日副作用があるが気にするな!

ちょっと、頭の毛が減るくらいだからな。


そんな普段の鬱憤バラシをしてのが良くなかったのか拷問はかなりのモノになった。

毎日、同じ事を聞かれる。



陛下は何処に?



ふふふ、お前たちに教える訳がないなぁ。

それにしても、お前たち。


今でもデルトライト陛下を『陛下』と呼んでいるのか?


あの方の凄さがしみじみ理解出来たのではないのか?


その一言が余計なのか、また拷問がキツくなる。

しかし、嘘ぶかねば身が保たない。

俺の限界地点ももう僅かだ。


屈するならば…、


そんなある日、牢獄に大量の人間が押し寄せて来たから驚いた。



聖騎士団…。



デルトライト陛下は、凄い人たちをお味方になさった。これならば、我等に勝機が見えて来たやもしれぬ。



そんな風に考えながら、連れて行かれた先にいたのはベレット殿?!

この王都に戻って来たのか?

危険な場所なのに…


あ!


もしや、陛下が戻られたのか?



「そうだ。

内側から崩している。

街の人達は、立ち上がったのだ。


我が君が彼らを守りながら王宮を目指す覚悟だ。

どうだ?

今こそ、君の出番ではないのか?」


久しぶりに会った陛下は、押しかけた人々に囲まれていた。


そう。


普通の人々。


彼らを守るように立つ陛下。

陛下を囲む民衆。


更に…陛下の頭上にはなんと。



慶鳥?!


何という事態だ…。

驚くべき存在を味方に付けた陛下の御前に出て、跪き忠誠を誓う。


例え、このフラフラの身体でも盾くらいにはなろう。と。

クライスも内側から崩しているはずだ…しな。



ところが。

民衆を守り陛下は即位後皇帝と言うモノを失くす。


そう、宣言された。


そこまで…。

と、深く考察していたら…。


この考え方は全くナンセンスだったと告げられたのだ。


その事を陛下や我々に諭して下さる存在は、なんと…



リュカ様。



陛下、まさか精霊の加護を受けられていたとは。

次々と起こる展開に頭がついていかない。


それなのに…。



アレは…もう変則過ぎる。


彼女の名は『雪菜』


あの離宮から、来たのか?

閉ざされた小道を通るという事は、まさか妖精の復活か?!


と思ってら.



雪菜殿の頭上で周っていた慶鳥達が信じられない行動をしたのだ。



あの卵は、まさか…。



卵が落とされた途端!!!!


身体中の傷が消えた…。

内側も外側も…。


もう、生き残る手立てとて無いと思っていた。

内臓が傷付いたらしく、腹の底が破れているだろうと踏んでいた。


息するだけでも精一杯の俺が、一瞬で完治…。



奇跡。。。


そう思ったんだ。

だが、



本物は、これからだった。


『奇跡の連鎖』


後日、人々はこの日をそう呼ぶ事になる…





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