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森に囲まれた!  作者: ちかず
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馬車のお披露目?!

それは、待ちに待った日だった。


鍛冶屋のゼムさんから、届いた馬車。

それを更に改良する。


それを思いついた私は、メゼルに相談したの。

燐煌騎士団は、魔法使いの一団らしいから。

図書館で見つけたある本を書き写して持っていくと、目を剥いて暫し固まってから「協力します!!」と快諾してくれたの。



もちろん、ゼムさんと、何度も打ち合わせを繰り返して。(チョット改良したのは、内緒だから…)


まぁ、全容もあまり話してないから、内緒もないんだけど。

思った通りの出来上がりに、満面の笑みになるわ。


「ゼムさん、メゼル。

ありがとうございます!!」.


真っ赤になり照れた二人の真摯な力添えなくば、夢は夢のままだったわね。


さあ…。

今日は、本部に戻っていて不在だったジェマやアレロアさんが戻ってくるから。


お披露目にはぴったり。



どう言う反応するかなぁ…。



ーメゼル視点ー


私が雪菜殿から相談を受けた馬車改良の件。


正直、そんな期待せずに向かった。

馬車を乗りやすくする。

それは、お尻に被害を受ける女性達の悲願だったから、理解出来る。


沢山のクッションに埋もれたレディを運んだ記憶もある私としては、予測はだいたいついていた。

だが…。


「この本、見て欲しいの。

めっちゃ特別に書き写して、少し中身を持ち出し可になったのよ。

どう?」

そう言って私に本を差し出す雪菜殿。


この本は…あまりの内容に絶句する。

どうって……。彼女は自分がどんな凄い本を差し出しているか知っているのか?



それは、魔法使いの世界観を根底から変えるモノで。



そう、魔力の量で無く魔道具の力を利用する方法。

そんな画期的な方法があるなんて。

魔力の有無に限らず、誰でも使えるそんな日が薄っすら未来に見えてくる。


所々、記載ミスも見つかるも、貴重なる書物だ。

その本を捲りながら、聞き及んでいたベラ殿の図書館の凄さに思いを致す。


その知識の深さに…。


それからは、目の回る忙しい日々になる。

ゼム殿と二人、雪菜殿の奇想天外の発想に時に驚愕し時に振り回されてやっと完成となる。

疲れるも、やり甲斐のある毎日。


完成披露の今日。


さあ…アレロア様はどう言う反応をされるだろうか?

不安と期待が入り混じる。



雪菜殿が関係者を一堂に集めた。

見た事のない物体に戸惑う人々。

銘打つのは…


『シンデレラの馬車』発表会だ。

(シンデレラの説明を聞くも、さっぱり分からない。

何やら熱弁を奮っていたが…)



静まり返る皆んなに全く、躊躇する事なく雪菜殿の説明は始まる。


「あのね。

まず注目して貰いたいのは、この馬車を引くガザハは、6頭立てだと言う事。


馬車はちなみに二台ね。あ、後ろのガザハは4頭よ。


最初の馬車は生活用。

次の馬車は運搬用ね。


生活用とした『馬車1号』は、二階建て。

左右に広がる事も可能なの。

周りを取り巻く魔道具により防護関係は完璧よ!


武力。

魔力。

そして、精神攻撃系魔力も。


全てを跳ね返します。


更に中は空間魔法を開発して、広さは部屋3つ分となっています」


得意そうな雪菜。

分かっているのだろうか?

皆が、何をそんなに驚いているのかを…。



「雪菜殿。こちらも同様ですか?」


「あーコッチ?

こっちの空間魔法は力を入れて貰ったから!!

トイレとお風呂はコッチにつけたわ。

もちろん、食材も薬草も積んだわよ!」


サイラス殿がため息をつかれたが、何故だ?

こんなに万端な準備の何が気に入らないのか?


「雪菜殿。

分かっておられますか?

図書館へいつでも転移の出来る貴方が一緒なのに、これほどの備蓄や巨大化が入りますか?」


え?


図書館へいつでも転移?

そんな、超人的な事が?

まさか…。


「しーー!

もう。サイラスってば!!

それは内緒のはずでしょ!!」


周りを見渡せば、知らない者が殆どのようだ。

しかし、それは私も聞きたい。

努力してきた者の総意として…。



「だから。

この世界は、旅が憂鬱でしょ!

楽しくなる旅を提案しようと思って…」


楽しい旅…。

そんな夢のような未来があるのだろうか?

想像も出来ないいない日々。


「あ、ガザハなによ。


チコリの実ならあげたじゃない!

コレ?」


馬車を引かせるガザハのお披露目の為にいるガザハが雪菜殿目掛けて集まってきが…。

どうやら、雪菜殿の配ったオヤツで満足したようだ。

急に静かになる。


そんなガザハの首筋を雪菜殿が撫でていると…。



バッーーーン!!!



その音は破裂音のようだった。


いったい何が起きたか分からずとも、大きな音の方を見て更に固まった。



10頭のガザハは、全てガーハレに進化を遂げた。



ガーハレ…それは天馬の総称だ…。








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