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森に囲まれた!  作者: ちかず
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祭りの後で…

祭りって、終わると『抜け殻症候群』になる。


そう、今の私がまさにソレ!!


だからしょうがないのよ。

机にうつ伏せになり、例え!!

ヨダレが垂れてたとしても。


「雪菜!!」


サイラスの叫び声で、飛び起きた私が駆け出した時コッソリハンカチを渡してくれたジェマ。

ありがとう!!


用件は、ベラの家で異変があるようだと。


??


ここから見えないのに??

慶ちゃん辺りが久しぶりにお知らせに来たのかしら?


ん?


あれは…。


そう。

目の前に森から突き出た何かを発見した。

真上に向かって突き出てます。


人って、慌てるとかえって叫ばないのね。

だから、そっと手を握りしめて…あ!!


サイラスにギャビンさん。

素早いわね。


転移しようとした私の腕を二人が捕まえた。

一緒に、図書館へ。



ブルーレル?


「雪菜、とにかく森へ向かおう!!」

サイラスの声に、図書館から家を出ると。


目的の物体発見!!


木。


一言で言えば、単なる木。


ただ…大きさがね。

空を突き抜ける勢いで伸びているのよ。


枝も葉も無い丸太そのものの木。

遥か上に、何か見えるけど鳥かしら。


「あれは、恐らく実です。

ただ、なんの木か不明なので実の正体も不明…あ!!」



ゴゴーーーーボトン!!!!



あ、危なかった。

頭の上から、噂の実が降ってきたのよ。

文字通り…。


ギャビンさんが私を抱えてくれなきゃ、頭の上?


「いえ。

絶妙に我々を避けて降ってきました。

思わず、申し訳ない…」


ブンブンブン!!!



首捥げる勢いで、横に振る。

抱きしめられた。。。


うきゃーーー!!!


干物なのに。

抱きしめとか、ラノベじゃないのよ?!

だって、暖かいもの。


「雪菜。気を悪くされたか?

乙女に申し訳ない」


「いや、その全然、全く気にしないで!!

と、言うより干物としての生き様が。

その、本物とラノベの違いと言うか。


あ!!」


ゴロゴロ、



恐らく真っ赤な顔で弁明に次ぐ弁明をしていた私目掛けて、実が近寄る。



近寄る??


サイラスが、私を庇うよう前に立ちはだかり

「お下がり下さい。もしや、魔物かもしれません」


サイラスは、完全に戦闘態勢で大きな刀を構えてる。

ギャビンさんも、防御体制だ。


ゴロ…バサッ!!



ゴキン。



刀が。

折れた?

真っ二つとか。サイラスの顔から血の気が引いてるじゃない!!


『我が炎よ。害なすものを焼き尽くせ!!』


サイラスを心配してたら、ギャビンさんからボッと炎が飛び出す。

これ…魔法ね。


凄いわ。


手から炎が飛び出す光景…現実で見るとドキドキするわ。少し怖い感じもする。

私の手には負えない何かを見ている。

そんな気がするのよ。


「はぁはぁ。

魔法も通じないとは。いったいコイツは何だ!!」



肩で息するギャビンさんの魔法を浴びた実は、全く変わらずにゴロと側に来る。

二人が必死に、実を押し戻そうと力を入れて込めているが実は、更に近寄る。


青くて固そうな実は、私の身の丈ほどある。

あれに引かれたら、不味いわね。


でも、私だけ逃げるのは性に合わない。


「我々が食い止めます。

味方を呼んで来て下さい!!」と、サイラスが叫べば、「ここは任せて!さあ、雪菜殿」とギャビンさんの笑顔が見える。

脂汗付きだけど。


私は、二人の好意を無視して実に近寄る。

私だって、手伝いたい!!


手を伸ばした途端。


「「雪菜ーー!!」」

二人の叫びと。


パカッ。


実の割れる音が同時に響いた。


割れたの?



実に触れた途端だった。

まるで、私が触るのを待ってたみたいに。


実の真ん中には石がある。

そして、その石には文字と絵が描かれている。

まるで石版みたいに。


私が、それを持ち上げたら。


サラサラサラ………


石版を残して、全ては砂となる。

まるで花吹雪のように、優しい砂吹雪に…。



開いた口が塞がらない。


まさにソレを全員で実行中。



そして、その石版に描かれている内容を知った時、再びその状況を露呈する事になる。



その日から、ポケットにハンカチを忘れないようにしようと誓ったわ…私。




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