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森に囲まれた!  作者: ちかず
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家の探検?

 ジェラルドに家の中を案内して貰う。

 まずは、この瓶詰めだらけの部屋。

 ここに一番興味があったから!!


「ここはベラの研究室だよ。

様々な薬草がここにあるだろ?

フローラの薬草の知識はベラを回復させようと後から蓄えたものだよ。

 瓶詰めひとつひとつに名前や薬効が描かれてるはず。」


 最初飛び出しただけでよく見なかったから、今度はひとつずつ手にとって眺める。

 作った日付・薬効・服用方法・注意点など何でかさっぱり見た事のない文字はサクサク読めた。

 しかし、ベラの有能さが理解出来るわ。


 どれも保存状況は万全のようだからすぐにも使える。。良かった。


 部屋の一部に仕掛けがある。戸棚にあるスイッチを押すと戸棚自体が移動して地下への階段が出る。

 ベラが作ったみたいだ。凝り性なのかスイッチすら隠してあり知らなければまずは見つけられない。


 地下への階段を下りると真っ直ぐな廊下は仄かに明るい。

 灯りは見た事のないもの。


「これは光花。暗い場所で光る性質があってね。

 部屋は全部で6室。

 フローラの部屋・ベラの部屋・食料庫・お風呂・倉庫・客間かな。」


 ん?客間?


「ベラとフローラにお客さんが来るの?人間達には誤解されて敵対してたとか。」


 ジェラルドが少し得意げに言う。


「それはね。他の人間の国ではベラの腕前は評判の薬師として有名だったからね。尊敬されてたんだよ。それにね、人間以外の客は多数あってね。

 フローラもお世話が大変そうだったよ。」


 こんな小さなフローラなのに、働き者ね。

 年齢を考えると、ちょっと違和感あるわね…。


 そしたら、衝撃的な事実が判明!!


「ベラやフローラのような緑の目の者は、寿命の長さが違うからね。

 成長が緩やかで二十歳になるにはだいたい100年掛かるから。魔力が強いベラなんかはもう年は500歳を超えてたよ。」


 なんて事!


 500歳?100年で二十歳?


 暫く固まったわ。じゃあこの姿は何歳なのかしら。


 まさかの48歳…。


 えー私より年上とは思わなかったわ。

 ちょっとショックかも。


 さすが異世界。ちょっと頭は混乱してるけど取り敢えずフローラの部屋へ。


 可愛いらしい女性の部屋ね。さっき布団を取りに来た部屋がそうだった。中々広くてだいたい30畳程はあるかしら。ベットに箪笥。机と椅子は使い込んだ雰囲気があるわ。ざっと見てベラの部屋へ向かうと鍵がかかって入れない。


「ベラ自身が掛けた魔法だよ。僕も入れないから。」


 えー。秘密の匂いがするような…

 次のお風呂は感激の大浴場。

 物凄く豪華な猫足のバスタブにはシャワーらしきものまで。水はどうなってるの?


「ここはベラの拘りの風呂。

 たぶんこの世界でこれだけだよ。水関係は魔法で永久的に使えるって自慢してたから大丈夫。」


 バスタブはひとつだけじゃない。奥には日本式の檜風呂みたいな大きなもの。旅館よ。これは!

 最高にテンションが上がってるとジェラルドが笑う。


「相変わらず転生者は訳の分からない事で感激するね。」


 …


 はーーー?


「ちょっと聞き捨てならない事聞いたわね。

 ベラって転生者だったの?」


「あれ?言ってなかったっけ。そうだよ。別の世界から来た人。あっ、でも君の世界じゃないから。」


 ジェラルドの声が聞こえないほどのショック!!

 そんなに沢山転生者がいる世界なの?


「あっ、次はお待ちかねの食料庫ね。」


 ダメージを残しつつ、次へ。


 これまたかなりの大型食料庫。

 さっきもチラッと見たけど大したものだわ。

 木ノ実や野菜が多いけどね。

 腐らない魔法が部屋全体にかけてあるらしい。

 魔法…便利で羨ましい。


 さて最後は倉庫。これはちょっと引く。

 もうごちゃついて大変な量。

 整理をフローラが諦めたわね。


「ここはベラの管轄だったから。

 とにかく何があるかは知らないよ。何せ長い間貯めてたから。」

 ジェラルドの言う通りだわ。

 だってベビーベッドがあるし。フローラのよね。

 ふー。ここの把握は最後にしよう。



 地下から夕食の準備の食糧を抱えて戻るとまだサイラスが正座してた。なんで?


「私をここに置いてください。貴方のお役に立つように努力します。お願いします。」

 あらまた土下座。

 まさかの騎士の人の特技?


「ちょっと雪菜。声に出てるって。

 騎士の特技が土下座な訳ないじゃん。

 これは彼の一大決意表明な場面。彼の地位ならあり得ない光景なんだよ。」


 ピクリとも動かないサイラスとジェラルドの言葉から、かなりの決意だと分かった。

 もちろん。


「良いわよ。

 ただし、この家が私の家ならルールはひとつ。

 働かざる者食うべからず。よ。」


「だからここは君の家だよ。

 大森林が唯一認めたたったひとつの家。」

 ジェラルドの声と重なるようにサイラスの叫び。


「ありがとうございます!!」


 こうして夕食に無事ありつくとサイラスを客間に入れてその日は寝る事にする。


 だってね。残業後だから!また明日ね。



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