使者が来た?!
身体の変化は、もう一つの条件があったようだ。
それは、夜になると図書館に帰らなくちゃいけない事。そうしないと、動けなくなるみたい。
まぁ、畑もあるしリカルドも図書館の主となって住み着いてるし。
幻景園への道を探しているんだと思う。
ブルーノ曰く…
「『大森林』の精霊の事も含めて、幻景園への道が開かれれば大きな力になると思う。
リカルドに頼んだら良いと思う」と。
確かに行き詰まってるから、リカルドの熱心さはとても頼りになるわ。
図書館から丸ちゃんに乗り移る方法も彼が見つけたんだし。
昼間は、私自身の姿でバーラド村で活動する。
夜は家へ帰る。
こんな風にやっと落ち着いた時だった。
私を尋ねる人が現れた。
フローラの姿でない私は、この世界の新参者。
誰だろう?
不思議な心持ちでいると、取り次ぎをしてくれたゲランさんが何故か大汗を掻いて戻ってきた。
何事?
「大変です!!
雪菜殿に、招待状が来ました。
なんと…」
あら?言いにくそうね。
ゲランさんは、正直者そのものでとっても好感の持てる人なのよ。
素朴で脳筋で。
ゴツゴツした岩の塊みたいな雰囲気なのに、コレで18歳とか。
絶句したわ…この世界舐めてた。
コレで18歳とか。未成年じゃない!とジェマに(呼び捨て絶対とジェマが言うから…)警護を断ろうとしたら。
17歳で成人だそうです。
まぁ、ゲランさんの雰囲気は百%30歳くらいだけど。
その彼がこの表情。
ギャビンさんの方ばかり見てると言うことは…?
「ゲラン殿。遠慮されず申されよ。
ドルタ帝国辺りでしょう。新皇帝の即位式へのお招きとか…」
ツッコミが鋭すぎて誰もついてゆけないわ。
新皇帝って?
ギャビンさんは、まさかのクビ?
「雪菜殿。クビも何も私はとうの昔に国すら追われた身。ただ、新皇帝の即位式にはどんな罠か仕掛けられているか…」
そうね。それも…。
少し工夫をして会うことになる。
さぁ。相手はどうするかしら…?




