鳥になりました?!
鳥になりたい。
そんな歌があったような…。
夢って夢だから良いのよね、実感しています!!
はぁ、酔いました。
鳥とは、上下運動し過ぎでは?
目を回るし…、
でも、森から初めて出られるワクワクする気持ちは止められないのよ。
小さな村が見えてきたわ。あれね!
丸ちゃんの乗り移ってるけど、ま、ぶっちゃけ相乗り状態なの。
丸ちゃんとも意思疎通は可能だし(と、言うより丸ちゃんは、運転手さんに早変わりかな…)
あ、あの家へ向かって!
家の中から、妙な気配がするから。
この世界の家は、基本的に木造なのね。
しかも、ちょっと簡易なカタチ。
その中でも、少し大きめのその家はサイ村長さんの家だったわ。
中には、沢山の人がいたけど、あの気配は私の料理を貪り食べてるあの人ね。
あら、気配が変わったわ。
でも、ちょっと臭いかしら?
それにしても、サイ村長さんはイケメンねって挨拶しただけなのに、驚き過ぎよ。
固まったまま、白目剥いて…魂抜け出たわね。
あの表情…
ぎゃーーー!
ちょっと、丸ちゃんが潰れそうです!
やめたあげて。
抱きしめる力加減が、仕留める力加減になってるから!!
ジェマさん!(だよね?)
「ごめんなさい。雪菜。
初めまして、私はジェマよ。会えて嬉しいわ!」
頬ずりって、こんなにハードなのか。
誰にもされた事ないから、知らなかったわ。
痛い…。
「さあ、ジェマ。発作を抑えなさい。雪菜殿にご迷惑だよ。
初めまして。アレロアと申します」
救い主は、コレまた王子様風の男性で目に眩しいわ!
聖騎士って、もしかして顔面偏差値も関係ある?
ジェマさんも可愛らしい女の人だから。
見たい事も、言いたい事も沢山あるけど。
気になるアレを。
パタパタ。プチッとな。
皆さーん、視線が刺さってますよ!
アレロアさん?
「雪菜。無理だよ。
だいたい、雪菜の登場で皆んな驚いているところへソレだもん。
あ、俺の名前はブルーノ。よろしく!」
ピテレに乗り移って一緒に来てくれたのよ。
でなければ、皆んなの心配症発症で私は出られなかったから。
丸ちゃんに乗り移るのは、信頼関係がなきゃ無理らしいのよ。
リカルドが図書館の本から、この方法を見つけたから全員挑戦して二人のみ可能だったから。
「ブルーノ殿。ピテレでのお姿は、こちらに見えています。不思議な事ですが、全員に見えているようです。
色々お聞きしたい事だらけですが、まずはソレから」
あ、コレ?
嫌な気配の元なのよ。
ミミズじゃないの?
「見た事はありませんが、この気配から恐らく靄鬼の使い魔的なモノかと。
靄鬼に人々が侵されてゆく、介在をコヤツがしていたのかもしれません」
アレロアさんが、深刻そうにミミズを摘んで話してるけど。
ミミズだしね。大丈夫じゃ…
「はぁ、チビ助はこれだからな。
あのな。人に取り憑いた使い魔のソレが見えたのは、チビ助だけなの。
一人一人、チビ助のところへ連れてくる訳いかないだろ?だからこそ、深刻になってるんだよ。
そうだろ?聖騎士さん」
はぁー。せっかく雪菜呼びになったのに、またチビ助に逆戻りとは。
くぅーー!!!
「しかし、こんなモノを紅茶の中に仕込んでいたとは。恐らく卵の状態で人の目に見えないほどの小ささなのですね。
防ぐのは、かなり難しいですが原因と方法が特定出来たのは、かなりの前進です」
そんな話し合いの中、村人の1人が薬草茶を入れてくれてる。
和やかになったところへ、コツコツと窓を叩く音が。
ん?
丸ちゃん?
あら、大量の丸ちゃんだ。
窓の外には、沢山の丸ちゃんが!
「えっと、丸ちゃんが言うには、『ミミズ退治は任せてくれ』って言ってます」
全員の視線がまたもや、痛し!!
「まだ、問題があるわ。
ミミズ退治が出来るまで、靄鬼に憑かれた人間をある意味弱らせなきゃね。
さっきは、大量の料理を食べてやっとだもの…」
ジェマさんの意見にブルーノが…
「あ、それなら大丈夫。
この薬草茶で1発OKだよ!」
え?
そうなの。
「それに、コレ。
癒しの効果まであるから、最強だよ!」
ええーー!!
最初飲んだ時は、癖が強いな、なんて言ってたのに!!
薬草茶大量に作らなきゃね。
んー。
やれるかしら…。
「作り方を教えて頂ければ村の者総出で致します」
おぉ、サイ村長復活!!
後に、バーラド村の名物となるのは先の話…。




