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森に囲まれた!  作者: ちかず
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マティさん登場!!

ちょっと、冷静になった。

戦いとか。

火の精霊石とか私の知らない事が多くて。

動揺が激しかったけど。


要するに。

一番大事なのは、私の現在のお家がピンチ!!な事よね?!


と、なりゃ手をこまねいている訳にはいかないよ。

慶ちゃんに任せるとは言ったけど、私にも出来る事はある…はず。


と、とにかく図書館に行かなきゃ!!


私が手を握りしめる瞬間、サイラス?!

私とサイラスは、そのまま図書館へ。

およ?


サイラス…?



「おかえり、雪菜。

たぶん、ココに来ると思ってた。


何かアイデアがあるんだろ?

何?」


うーん。侮れぬペンギンめ。

読まれてるなぁ。


「ほらほら、時間は限りあるよ。

アイデア次第では、この図書館の真価をお見せ出来るよ!」



じゃあ。と私が話した計画は、日本の昔の大火の中から生まれたもの。


『漆喰の壁』


蔵の文化を調べて知ったのよ。

火から守る為に編み出した漆喰の壁は、江戸時代大活躍したらしいと。


「なるほど。」


え?

漆喰の壁とか分かるの?


驚く私に、ブルーレルは当然と。


「あのね。俺は雪菜の使い魔なんだよ!

雪菜と繋がってるの!!


『漆喰の壁』は理解した。

今回は、時間も無いし緊急事態だから特別力を貸そう。


『我が手に来たれ!!』」


カッコいいセリフだけど、私の肩でやるとちょっと…ね。

ペンギンの決め台詞って。


プププ。


可愛いだけなんだけどな。



「雪菜殿。机の上に本が!!」

しまった!うっかりカッコつけるブルーレル見て、吹き出していたら。


あらま。

机の上に一冊の本。


『土魔法の全て』



ほぉ。これを使えば私も魔法使いに!!

とうとう、私にもオタクの夢が叶う…?


「だ・か・ら!!

本を読めば魔法が使える訳ないじゃん。

もう。雪菜ってば。

土魔法使いが、本来の力を使えるように出来る本なの。今の魔法使いは魔法の力を充分に使えてないからな。

とにかく。

これが、漆喰の壁を『大森林』の防衛線にするなんて途方もない事を可能にする唯一の手段かな。

ただ…」


「ただ?!」私のツッコミ。


「土魔法の使い手が…ね。

魔法使い自体あまり居ないのに、土魔法の使い手は更に少ないから。膨大な魔力も必要だし、適任が…」


「俺に心当たりがあります!」


間に合うのかな…不安が押し寄せるよ。

と、思ってたら。




「召喚」


へ?


ブルーレル…今何やったの?



目の前に、紫の髪をオールバックにしてる流し目の美形が!!


「マティ!!」「サイラス!!」


ん?んん??


同時に話すのはやめて。


誰だろう?


どうやってココに?!


「お招きしたよ。

だって、雪菜が望んだから」


ブルーレル…。


まさかのこんなあっさり??


こんな登場したなら恐らく土魔法の使い手よね?


「お久しぶりですな。フローラ。

いや、ユキナ殿でしたか?


初めまして。


私はマティ。聖騎士団の団長をしています。

どうやら、転移魔法で呼び出されたようですね。

さて。

サイラス、今の状況を説明してくれ」



ご挨拶がーー!


ひ、ひ、跪いて。

て、て、手のひらにキスとか!!!!!


無理ーーーー!!!!


オタクに何求めてるのよ!!


ガタガタと、動揺から真っ赤になったり、真っ青になったりしてる私をよそに状況説明は続いていた。


あら?

動揺してる間に、マティさんはもう本を読むところまで進んでる?!


早!!


「こりゃ、また難題を。

いくら、俺の魔力が人間界で最高峰としても。

『大森林』の周りをとは…」


本を読みながら苦り顔で頭を掻き悩むマティさん。


な、なぜセクシー?

悩む姿くらい。ふ、ふ普通で!


「すみません。

彼は特殊な生まれのせいか、あの通りなのです。

失礼があれば、私が代わりにお詫びします」


サイラス…生真面目すぎ。


でも、どうしよう。

魔力が足りないなら、私の案は没かな。

やっぱり慶ちゃんに頼るしか…。


ぴぃー。


ん?

噂をすれば。


慶ちゃんかな?



「ふむ。慶鳥が良いものを持ってきたよ。外に出て確認して」

ブルーレルの台詞の後、またもや家の外に。


周りを見れは、アーノルド達もドアを叩くのを諦めて外にいたみたい。


慶ちゃんが集めた仲間が大量に持っていたのは。



「慶ちゃんが。コレ」


と、私がマティさんに差し出したのは『精霊石』


ただ…数がねぇ。

何か意味ありげな、石のオブジェになってるよ。

ほら、山とかにあるやつ。



マティさんなんか、固まってるし。

サイラスが、肩を叩いて慰めてるのかな。


二人は、小声で言い争いしてるみたいね。


それにしても。


慶ちゃん…どんだけ仲間集めたの?



ルスタ国の前に、慶ちゃんの仲間で『大森林』の枝が折れそうな気がするもの。



真っ黒に埋め尽くされた、鳥・鳥・鳥!!


しかも。



大型のみ!!



もはや、怪鳥の領域の奴ばっか。




やっぱ。

地味に『漆喰の壁』作戦でいこう。



マティさんの本気は、ここからが本番。


聖騎士恐るべしと。



(け、け、決してマティさんの神々しさにやられてないから!!紫の目とかヤバイとか言ってないから!!)





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